移動
「だから、逃げて、雪花ちゃんだけでも。」
私はその言葉に対し
「ありがとう、ニオ。」
「全然大丈夫だよ、君は客人だもんね」
ニオは優しい、自分達を捨ててでも私を守ろうとし続ける、損得なしの優しさ、その優しさに私も応えるようにこう返した
「私は全力で戦おうと思う。」
「え?」
ニオが反応を驚いた次の瞬間、私は刀を持ち窓を開け屋根裏部屋から窓の外へと飛び降りた。
ボスッ
私は最大限音を抑えるように地面に着地をした
「え?雪花ちゃん?」
困惑しているニオの声が聞こえたが私は気にせず、ギルドに向かうことにした。
だが、ギルドに行くまでに姿を見られてしまってはその時点で終わりだ、なので死角を使ってギルドに行くことにする。
家の壁を伝いながら、静かに静かに歩いた、足音の一つも出さずに、冷静に。
幸いこの村はある程度規模がある、このままならギルドまでは余裕だな。
そう思った次の瞬間
ザクッザクッ
家の陰から足音がしてきたのだ、その音が何者か断定ができない、私は家の裏へ隠れ息をひそめることにした。
誰だ?村の人?いや村の人がこの状況で外を歩くはずがない。
となると人さらいのやつらか、だが制限時間が。
そう思ったが奴らが制限時間を守ると確証できる相手ではない、考えを固め刀を抜く。
段々と足音が近づいてきた、あと少ししたら姿が見える、もし武装をしていたら即座に斬る。
ザクッザクッ
足音の正体が明らかになる、手には改造されたであろうボウガン、そうして顔を隠している、これは人さらいで間違いないだろう。
私は刀をギュッと握り、先制攻撃を仕掛けた。
足音を抑えつつ走り出した、そうすると奴は足音に気づいたのか私の方を向く、だがその時にはもう遅かった、私は刀を奴の首に向かって振った
ザシュッ
その斬撃は頸動脈を切り裂き、奴に致命傷を与えた、だがまだ少し息があった、私は倒れこんだ奴の胸に刀を当て
グサッ
とどめを刺した。
死体がばれてしまってはまずいと思い、私はその死体に雪をかぶせて、隠す。
ある程度かぶせあとは雪が降っているので、その雪に任せる。
ひとまず窮地を脱したが、多分もうすでに入ってきてる輩は一人ではない、しかもこれ以上人数が増えてしまえば動けなくなってしまう。
少しゆっくり移動していたが、私は急ぐことにした。
ギルドまでは後600m程だ、私少し助走をつけ最低限見られない位置をたどりながら、走る。
ザッザッザッ
加速をかけギルドへと急ぐ、その間私ではない足音も聞こえた、私はその足音に合わせるように歩くことによってその危機を乗り越える。
そうしてやっとギルドの近くへと着くのだった。




