人さらい
私はあの後布団に入って眠りについた。
眠っていると外からとても大きな音が聞こえる、思わず耳を塞いでしまいそうなほどの音が、これはそう警報だ。
警報を聞いた私は外を窓から確認した、外には人が一人もいない、時間は朝方だ、本来なら普通のこと、だがそれがこの事態の異常さを際立たせている。
私はまず外に出て何事かを確認しようとしたその時、警報の中に声が混じった。
「村が人さらいによって襲撃を受けています!直ちに避難してください、繰り返します村が人さらいによって襲撃を受けています!直ちに避難してください。」
最初に私は思い当たったところは、人さらいという部分、私が盗賊を襲った報復だ。
「だがどうするか」
思考を巡らせる。
まずこの場所からは村の内側しか見れないのが問題だろう、もし人さらいの人数、配置、武器、それらを確認できなければ戦いにすらならない。
「やはり今は外に」
そんな結論を出したその時、再び警報の中に声が混じる
「お前らの村は完全に包囲した、もし見逃してほしければ、雪花という女を出せただそれだけだ。」
先ほどの声とはまた違う声、人さらいの声だろう。
続けて奴は言う
「20分以内に、出さなければ、わかるな」
まずい事態になったな、全員倒せばいい話だと思っていたが、奴らは包囲と言っていた。
つまりこの村を少なくとも取り囲っているのだ、奴らの組織がこれほどまでに大きいとは、正直驚かされる。
私はこの事態に内心焦っていた、自分の身の危険を気にしているわけではない、ただ単にこの村が危険に及ぼされていることにだ。
「どうしよう」
悩んでいると私は真横からの視線に気づく、その視線の方を向くと、そこにはニオがいた
「ゆ、雪花ちゃん」
ニオがかすれた声で私の名を呼んだ、ニオはこの事態にとてもおびえているようだった。
無理もない、こんな状況めったに起きるはずがない、しかも要求されたのが自分が連れてきた人だったらなおさらだ。
とりあえず私はニオを落ち着かせるために会話をすることにした
「ニオどうしたんだ?」
まずこうして会話を始めた、今の私ではニオを落ち着かせる言葉は見つからない、まずは原因特定そこから行くべきだ。
「そ、そのさっきの聞いた?」
ニオが怯えているのは先ほどの取引内容に対してだろう、それに基づき返答を返す
「ああ聞いた、人さらいが襲撃してきたようだな。」
「う、うんそうだよ。どうするの?」
「この村にはギルドの人たちや、グリムがいるじゃないか、少し落ち着こう。」
自分なりに最適な言葉を返したはずだった、だがニオの表情は怯えたまま、なんならさらに怯えてしまってもいる。
流石にまずいと思い、口を開こうとしたときニオが私よりも先に声を出した
「雪花ちゃん、私はいいんだけどさ、そお母さんが朝からすごく怖いんだよ、雪花ちゃんを引き渡そうって言ってて。」
「そうか」
「だから!」
私の声を遮りニオがあることを言う
「だから、逃げて、雪花ちゃんだけでも。」
そんな言葉、少女から出た言葉、こんな状況に置かれながらも私を助けようとしているのだ。
私はその一言に決心する、この村を絶対に守り抜くと。




