帰路
牛乳を飲み干した私たちは外に出ていた。
外はもう夜が更けており、雪が降っていた、ニオやグリムはもう白い息を吐き、少しだが寒そうにしていた。
「いやーこの風呂は今日も快適だなぁ」
「わかります!最高ですよね!」
外に出て最初に口を開いたのはグリムだった、それにニオが同調する、こいつらは今知り合ったばかりというのになぜだか仲がいい、これがコミュ強という奴か。
少し歩いた後グリムが口を開く
「俺はもうさよならだ、ギルドはこっちから行く方が早いからな」
そうなのか、と思い私は少し目を見開く、だがその反応の刹那ニオがグリムに話し掛ける
「えーもう行っちゃうの?もう少し話したいと思っていたのに」
ニオが我儘を言い始めた、私はそれを止めようとしたが、私が止める前にグリムがニオに声を掛けた
「明日話せばいいじゃねえか、何ならもう一度温泉行こうぜ、いつでも行ってやる」
「えー!やったーじゃあ週3で行こう!」
「いいぞ、何なら毎日いる」
とグリムがニオに言う、最適ともいえるその回答に私は少しグリムを感心した、こいつはとことん人がいい、今日出会えてよかった。
「じゃあじゃあな!ギルドにいるからいつでも会いに来てもいいぞ!」
「うん!毎日行く!」
そんな会話をしてグリムが帰路につく、私たちも家へと向かおうと思っていたその時、グリムが振り返りこう言った
「それと雪花、もし人さらいの件怖くなったら私が守るからな、いつでも頼れよ!」
そう言い残し再び帰路についた、正直初めて会ったときはグリムのことを暴力的で人でなしだと思っていたが、蓋を開けてみればこれほどまでに頼りになる人だとは今でも少し信じられない、あいつは普通にいい奴なのだろう、少しでも疑ってしまった自分が恥ずかしい、というよりこの村の人みんながみんな優しくて驚くことばかりだ、私は素晴らしい村に来てしまったんだな。
そう考えながら歩いていると、私たちは家に着いていた。
「やっと着いたね、じゃあ入ろうか雪花ちゃん」
「ああ」
「ただいま!」
ニオが挨拶をし、家へと入る、私はその背を追いかけ
「ただいま」
家へと入るそうするとニオの母親が私たちへこう返す
「おかえり」
その言葉には不思議と温もりが詰まっていた、とても新鮮で、感じたことのないような感覚、記憶がなくたってこの感覚は誰でもわかる、私はこの村に来れて本当に幸運だ。




