準備
「ただいま!」
「ただいま」
「おかえりなさい、ご飯もう出来てるわよ」
「おいしそう!」
机の上に並んでいたのは鍋だった、あっつあつの鍋、とてもおいしそうだ、だが私は味を感じ取れないので、少し悲しい気持ちにもなる、だが今日のような天気にはぴったりだろう。
「いただきまーす!」
そうニオが言うと私も続けて
「いただきます」
そう言い料理を口に運ぶ、だがやはり味もしなければあったかさも感じない。しかも今日の戦闘の時、攻撃を受けた際私は正直死んだと思った、だが気づいたら傷が治っていた、この違和感も多分あの稲光という妖刀とまた話ができればきっと真実に近づくことができるだろう。そのためにも人さらいを倒さなければ。
「おいしいね雪花ちゃん!」
「うん、おいしい」
まあ遅かれ早かれ多分倒すことになるだろう、私は第一追われている身だ、今日の戦闘で分かった、正直この場所にも長くいられない。だからこそ一刻も早く奴らを倒すために準備をしなくちゃいけない。
「ごちそうさまです」
挨拶をし立ち上がる、そのまま上へと向かい天井裏の部屋へと再び行く
「さて、どうしようか」
そう呟き考え始める。
今集まっている情報は、特にない、だからこそ考えることはあまりないが、一つあるとするならば、やるらが扱う武器のことだ、可能性の一つだが、盗賊から買っている可能性がある、だからこそ明日は気が抜けない、一発でアウトな武器、復活できる可能性があるにしてもあまり敵に回したくはない、たまたま今日戦った相手が普通の武器だっただけ。正直武器が変わろうと当てられる気がしないが、受付が言っていた通り油断しているときっと足元をすくわれてしまうのだろう、緻密に計画をたて冷静にならないと、人数で押し切られてしまう、その可能性を頭に入れておこう。
考えていると、ある人が部屋を訪ねてくる、そうニオだ。
「今日のことだけど、報復がやっぱり怖くてさ、寝れなそう」
「確かにそれは怖い私も正直なところ安心しきってはいない。」
「どうするの?謝る?それともお金とか渡したりしないといけないのかな?」
「そんなことをして許してもらえるとは思えない、大丈夫だ安心しろ私が絶対に奴らの組織を壊滅させる、絶対にな」
「あんまり無理はしないでね、死んだら許さないから」
「任せておけ、そしてニオ、安心して眠れ。私がお前を守る」
「信じるよ、雪花ちゃん、でもそれと同時に心配してるんだからね」
「ありがとう、だが心配は不要だ。」
「も~そんなこと言って、武器屋の店主が言ってたでしょ、誰だって死ぬときは怖いんだよ、もしそれが孤独死だったらもっと怖いし寂しい、だからね、命は大事にだよ!」
「わかっている」
ニオがそんなことを考えていたとはな、私も少しは死ねない理由があるのかもしれない。
私はニオのことを少し関心してしまったのであった。