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義体の傭兵

 そして吉田俊平。その写真すら一枚も無い伝説の傭兵指揮官の悪名もまたクリスの記憶には嫌と言うほど記憶されていた。そんな考え事をしているクリスを置いて二人は話を続けた。


「シンさん。いい目をしていますね。吉田俊平は傭兵だ。金さえ積めばなんでもする男と言う話ですよ。まあ実在を疑っている人も多いですが、うちの隊長の情報網では名前があがってましてね 」 


 そう言いながら傾きかけた日差しを眺める伊藤。


「現代の義体の製造技術を考えれば吉田俊平の実在は確実でしょう。それに東和の菱川財閥。金になるならあの新型機の提供を北兼軍閥に、虎の子の吉田俊平の部隊を共和軍にと分配してもおかしくは無いでしょうしね 」 


 シンはそれだけ言うとタバコをもみ消して吸殻をポケットにしまう。


「次の一手は共和軍が打つことになるでしょうが、どういう形になりますかねえ。手ごまは限られているはずですから 」 


 そう言うと伊藤はそのまま降りてきたエレベータに乗り込んで姿を消す。


「嵯峨中佐みたいな話し方をする人物のようですね 」 


 シンがそう言うのにクリスは答えた。


「きっとあれは病気なんでしょう 」 


 そのままクリスは白いアサルト・モジュールの前でゲリラの歓迎を受けているシャムに向かって歩き出した。

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