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僕は、君のヒーローになる。  作者: ブラックキャット
テゼルト編
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あたしは国に忠誠を誓った。

  ロンディ首相の言葉が心に響いてマオは唇を噛み締めた。

「おじさんに僕の何がわかるの?」

  「坊っちゃんこのお方は首相でございます。その言い方は失礼で...」

 怒るセバスチャンをロンディ首相が遮った。

「いいんだ...マオくんの全てなんて誰も分からない。それは皆も同じだ。子供の君にこれを言うのは酷かもしれないが悲しみに縋って何も見い出せない」

 ロンディ首相はそれだけ言って去ったその後を追うようにパトラ達は着いて行った。「坊ちゃん、大丈夫ですか?」セバスチャンはマオの顔を覗き込むがそっぽ

 向かれた。

「僕なら大丈夫だ。」

  「そうですか」セバスチャンは尻尾が下がりしょんぼりとしていた。


 ****************

  ロンディ首相御一行はパーティ会場に着いていた。シャンデリアが光り輝いて

 眩しい位だ。

「マオくんが見かけないな...」

  ロンディ首相が周りを見渡すがマオの姿がない。

「あなたのせいじゃないの?あんな事を言うからあの年頃は繊細なのよ」

 パトラはそう冗談ぽく言うとワインを飲んでいた。

  「ロンディ首相!久しぶりじゃないか?」

  テゼルトの首相が駆け寄って来た。

  「あぁ...ジョン首相久しぶりだな」ロンディ首相は途端に冷めた目をしていた。

  「あたし達は席を外した方がいいかしら」パトラはあからさまにジョン首相を

 睨んでいた。

  「わしらがいても構わんだろ。ジョン首相」

  フェルトがそう尋ねるとジョン首相は頷いた。

「まぁいいだろう...ロンディ首相に話があるんだ」

  「なんだ?話とは...」ロンディ首相は首を傾げた。

  「あの事件は大変だったな。でも帝国の仕業ではないし白魔王様のせいでもない。あのクソみたいな科学者達のせいだ。許してはくれないのか?」

  ロンディ首相はジョン首相が何を言ってるか分からなかった。顔が険しくなってしまう。

  「あれほど証拠があるのに何言ってんだ。国民が許さない限りあたしも許さない。復興だってまだ終わってないんだ」

  ロンディ首相は怒りを抑えながら淡々と論じていた。

「それは科学者のせいだ。何度も言うが...」

  「何度言っても同じよ。要件は何なの?何をブルーメンヘッドに要求するの」

  ロンディ首相を庇うようにパトラがジョンを睨んだ。

「君らには関係ないだろう何者か知らないが...」

「ただの護衛じゃわしらに構わんと話をすればいい」

  フェルトはパトラを遮り抑えていた。

  「そうだな。ロンディ首相もう一度帝国と同盟を組んでくれないか?」

  「君はほんと帝国の奴隷だ。ブルーメンヘッドが帝国にどんな目に合わされて辛い思いしたのか知らないのか?」ロンディ首相はジョンの言葉に憤りを感じて

 言葉が荒くなる。

  「奴隷じゃない。白魔王様に忠誠を誓っただけだ。同盟に戻れば国の安全は保証される他の国の脅威に恐れることはない。」

  「あたしは帝国に忠誠誓ったことは無い。屈したことはあるが...」

  ジョン首相はロンディ首相に微笑んだ。

「また屈すればいい」

  「あたしは国に忠誠を誓ったんだ。屈するような精神はもう持ち合わせていない。あたしにとって帝国の方が他の国より恐ろしい。そんな国と同盟を結べない」

  ジョン首相を振り切りバルコニーへと出た

  「ほんとあの首相クズね。虫が良すぎるわ」

  パトラは怒りを顕にしワインを一気飲みした。

「同盟を断って大丈夫かまた嫌がらせされるじゃないのか?」

 ケンはロンディに怪訝な顔で尋ねた。

「他の国に嫌がらせする程テゼルトも暇じゃない。それに帝国はブルーメンヘッドの1件で白魔王は説明責任に追われてる。」

  「そうか...おっさんがあんな事を言うなんてびっくりだ。ほんの前のことだったら想像出来なかった」

  「それはあたしもだ。一国の首相だが感情を抑えられ無かったんだ」

  ロンディ首相は疲れた顔をしていた。

  「まぁいいじゃないの?たまには感情に踊らされても前よりもマシよ」と

 パトラは微笑んだ。

  「そうだな」ロンディは胸を撫で下ろすようにゆっくりとワインを口に運んだ。


 *****************

  「坊ちゃん!坊ちゃん!どこに行くんですか?」

  セバスチャンはマオの後を追って走っていた。

「僕がパーティにいても何にもならない。」

「旦那様に怒られてしまいますよ」

「構わない。」マオは座り込んで空を見ていた。

  セバスチャンは横に座り欠伸をかいた。

  マオを追いかけていたらどこかの森にたどり着き屋敷には随分と離れたようだ。

  北に進んでいたからテゼルト森林だとは思うのだが遅くまでいたら旦那様に

 怒られてしまうとセバスチャンは俯いていた。

  「セバスチャン...僕は悲しみに縋って見えるの?母様は自殺なんかじゃない。

 誰かに殺されたんだ...母様は自殺なんか」

「するはずありません。それは1番傍にいた坊ちゃんとあたしが知っています。

 マリア様はこの国を変えようとしていました。だからそんなことをするはず

ありません」

  「セバスチャン...僕は真実を知りたいよ」

  マオはセバスチャンに縋りついていた。

「あたしも知りたいです。坊っちゃまそろそろ帰りましょう」

 セバスチャンは立ち上がりマオを探すが見当たらない。

  「坊っちゃまー!!!」と叫ぶが何も響かず静けさが立ち込めるだけだ。


 次回に続く





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