僕は世界が大嫌いだ。
長らくお待たせ致しました!テゼルト編のプロットが区切りが着いたので今日から投稿し始めます。
ご愛読の方をよろしくお願いいたします(o_ _)o
青い髪のショートボブの少年は本を握りしめて屋敷の中を歩いていた。
どこからか分からないが血の匂いがした。
それは強烈で鼻がおかしくなりそうだ。少年は匂いを辿り着いたのは一室の部屋だった。隙間から覗きゆっくりとドアを開けた。
床に血の絨毯が敷かれ一気に寒気を感じて頭上を見上げた。少年の母親が
首を吊って腕には切り傷がありそこから血が流れていた。
「坊っちゃま!どうされたのですか?」
シベリアンハスキーに似た魔獣が駆け寄ってきた。
「セバスチャン...母さんが...母さんが」
少年はセバスチャンを抱き寄せ泣き叫んだ。
「坊っちゃま...」セバスチャンはただ悲壮感に満ちた表情で少年を見つめて
いた。
────数年後────
曇りひとつの無い青空が広がっていた。滑走路に飛行機が止まっておりパトラとケンは乗り込んだ。
「 ロンディ首相が俺達に護衛を頼むとは珍しいこともあるもんだ」
ケンは足を組んで座っており電子新聞を読んでいた。
「そうね。ロンディ首相は親切ね...この飛行機も貸し切ってくれてほんと感謝しかないわ。」パトラはケンの隣に座り窓の方を見ていた。
「お前たちテゼルトは初めてか?」
パトラ達の前にはフェルトが座っていた。その横にはロンディ首相が居たが
熟睡していた。
「初めてね。砂漠の国としか知らないわ」
パトラ達はテゼルトで行われるパーティにロンディ首相の護衛役として呼ばれていた。
「フェルトさん大丈夫なのかよテゼルトは帝国の同盟国だろ?暗殺されないか」
「暗殺されない為にお前達に来てもらったんだ。」
「そりゃそうだ。」ケンは微笑んで新聞を熱心に見ていた。
「あんたが新聞を読むなんて珍しいわね。なんの記事?」
「ブルーメンヘッドが事実上宣戦布告、ロンディ首相の覚悟。フェルトさん随分と派手に書かれてるぜ」
「書かせとけ相手にする方が面倒臭い」
「まぁそうね。着いたわよテゼルトに...」
飛行機はゆっくりと急降下し着陸した。
「もう着いたのか。フェルト」
ロンディ首相は眠りから覚ましたがボッーとしていた。
「早く目を覚ましなさいよ。ロンディ首相」パトラはロンディの肩を揺らした。
「あぁ...君の顔が綺麗すぎて目が覚めたよ」ロンディはパトラの手を掴んで
キスをした。
「冗談がお上手ね。寝惚けるじゃない?」 パトラは微笑んで軽く振り払った。
「着いたんだから早く行くぞ。」
ケンは険しい表情で怒鳴り気味に吐き散らした。
「怒るなよ。余裕ない男は嫌われるぞ」
「そんなの知るかよ」
ロンディとケンの間には火花が散っていた。
「ここがテゼルト...」飛行機から外に出ると滑走路の周りから街が見えた。
「パトラは初めてだったな。どうだ?」
「俺もだぞ。思ったよりも砂漠じゃないな」
パトラの横から顔を覗かせ睨んでいた。
「まぁ途上国だからな」
「ケン...貴方おかしいわよ。なんかイラついてない?」
パトラが首を傾げて尋ねるが無視された。
「早速だがホテルに荷物に預けてからパーティに向かうぞ」フェルトはそう言いながら空港のロータリーから誰かに向けて手を振っていた。
「分かったわ。フェルトさん」
パトラたちの前に車が止まりタキシードの男が降りてきた。
「ロンディ首相、フェルト様お迎えに上がりました。さぁパトラ様達も一緒に
お乗りください」パトラ達は頷き車に乗り込んだ。
****************
パーティ会場は眩しくて派手な格好をした大人達が集まりグラスを交わし合っていた。青い髪のショートボブの少年は冷めた目でその光景を見ていた。
「坊っちゃま!ここにいたのですね。旦那様がお呼びですよ」
シベリアンハスキーの魔獣が駆け寄ってきた。
「分かったよ。行くよ」少年はゆっくりと足取りで向かっていた。
「来たか?マオ。今日はあたしの誕生パーティだ。
余計な事を言って邪魔するなよ。それに今回はロンディ首相もほかの国からも
首相が来るんだ。」
「 はい。分かりましたお父様」マオは冷めきった目で父親を見つめた。
「なんだその目は気味が悪い子供だ。」マオの父親はこちらを険しい表情で
睨んだ。
「坊っちゃまにそんな酷いことを言わないでください。奥様が亡くなられて数年しか経って居ないのです」セバスチャンがマオの前に立ち塞がり庇っていた。
「いつまで悲しんでるつもりだ...マオ。そんな事に執着してないで早く忘れろ」
マオの父親は怒鳴り散らし去っていた。
「いいんだ...セバスチャン。お父様が僕の気持ちを汲んでくれる訳が無い」
マオは俯き悲しそうな表情をしていた。
「それはそうですが旦那様は奥様が亡くなられたと言うのに無感情過ぎます。」
「それは子供の僕には分からないよ。セバスチャン、パーティに行かないと
怪しまれるよ」
「はい...分かりました」セバスチャンの耳がシュンとなりマオを連れて屋敷の
廊下をゆっくりとした足取りで歩いていた。すると背の高い男とぶつかった。
「マオくん。久しぶりだな!」マオが見上げるとそこにはロンディが居た。
「久しぶりです。ロンディ首相」
マオは軽く頭を下げて握手を交わした。
「パーティが終わったら君が好きな世界の話でもしようか?好きだろう」
「そんな話好きではありません。僕は世界が大嫌いだ。」
ロンディは不貞腐れているマオを笑った。
「嫌っている時に見る世界は苦しいだろう。だが見方に変えることにより違って見える。その冷めた目でみた景色に何も感じれる訳が無い」
ロンディのその言葉はマオの心の中に響いて痛く感じた。
次回に続く




