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僕は、君のヒーローになる。  作者: ブラックキャット
ブルーメンヘッド編
78/121

俺は立ち向かう事を諦めない。

  静寂が辺りを包み込んでいた。

 意識が朦朧とする中僅かに残った力で起き上がった。

  アイラ達が連れてこられたのはホワイト王国の王座の間だった。

  「 なんであなた達を生かしてまでここに連れてこられたのか分かってる?」

  白魔王はゆっくりとした足取りで歩み寄った。

「ブルーメンヘッドをこちら側に取り込めようと思いましたが失敗しました。でも次は...」

「 次はないわよ。あるとしたらその先は死よ。」

  アイラの顎を上げ白魔王は狂った笑みを浮かべた。

「 こんな事にはならないはずだった。全部アイツらのせいだ。千武族の生き残りがいる」博士は声が震えて生唾を飲み込んだ。

「 そんなの殺せばいい話よ。そこに現れたのになんで殺せなかったの?」

「強かったんだ。俺達では勝てなかった。」

  博士の言葉に白魔王は大きなため息を零した。

「 役立たずね。ハク殺して...」

「 おうせのままに」

  ハクは白魔王に跪き立ち上がった。

「 チャンスをください!白魔王様!慈悲を!」

  白魔王はアイラの頬を叩いた。

「 あなた達は取り返しのつかない事をしたのよ!今日からブルーメンヘッドとホワイト王国は国交断絶したのよ。輸出は断ち切られ資源や土地も手に入れられなく

 なったの。」

「 あのヘタレ首相が...」

  アイラは圧倒され呆然としていた。

  「ハク...アイラ達に見せてやりなさい」

  白魔王の命令に頷きハクは魔法陣を出現させ、そこに映像が浮かび上がった。


 **************

  事態は数時間前に遡る...。

  フェルトの家のドアを激しく叩く者が居た。

「 話があるんだ!開けてくれ」

  フェルトが耳を済ませるとロンディ首相の声だった。

「わしはお前に話すことなんてない。説教なんて聞きたくない。」

  「 説教をしに来たんじゃない。俺は間違っていた。国の為じゃなくて自分の保身の為に帝国に従っていた。でも気づいたんだ立ち向かう事を諦めない事で何かを変えられるかもしれない。彼らを見てそう思ったんだ。」

  「 ロンディ首相、何か策はあるのか?この状況から抜け出せるような...」

  フェルトはドアを開けてロンディを迎えた。

「 危ない橋を渡るかもしれない。でも付いてきてくれるか?」

「 そんなの慣れてる。ワシにその策を聞かせてくれ」

  ロンディは涙ぐみながら頷いた。

 

  *************

  しばらくしてから火が燃え盛る暖炉の前でロンディ首相は立っていた。

  「ロンディ首相、カメラを回すぞいいか?」

  フェルトが尋ねるとロンディは緊張のあまり生唾を飲み込んだ。

  「 大丈夫だ!回してくれ」

  「 よし行くぞ 1.2.3...スタート!」

  フェルトはカメラの動画モードをスタートした。


「 テレビを占拠して済まない。この放送はブルーメンヘッドや全世界の人が見てる。これから大事な話をする。突然の事でびっくりするだろうが今日から帝国と

 ブルーメンヘッドは国交断絶する事にした。あたしの側近であるフェルトの告発により帝国がブルーメンヘッドに幾度に渡り観光名所を荒らし毒を振り撒きオマケに化け物を解き放った。こんな事は許してはならない。ならば眼には眼を歯には歯をだ。」ロンディは緊張が治まらず口に水を含んだ。

「 すまない。話を続きをする。帝国の報復として一切の互いの輸出を禁止し資源も土地も譲る事なんて絶対に無い。そして政府側の者がこちらの土地に入ろうとするならば即刻見つけ出して隔離する。ブルーメンヘッドを船で渡ろうとするならば

 戸惑うことも無く撃つだろう。戦争した事の無い国だからって舐めるなよ。

 我らの兵は国民の為に魔法を使う。人を殺す為に教えられた魔法とは格が違う。」

  ロンディはペットボトルの水を飲み干した。

  「 これは白魔王様に対して脅しだ。白黒戦争の本当の真実を我らは知ってる。話は終わりだ。長い事テレビを占拠してすまない。ブルーメンヘッドは帝国に頼られなくても誇れる物が幾つもある。それを大切にして私は国民共に歩むことを決めた。もう帝国に依存はしない。帝国とブルーメンヘッドは国交断絶をする。ここ宣言にしよう実効は今からだ。」

  ロンディ首相はフェルトから帝国との同盟同意書を受け取った。破いて暖炉の中に放り込んだ。放送はそこで途切れた。


 **************

 一部始終をみたアイラ達は目を見開いて驚きを見せた。

「 こんなの出来ないに決まってます。すぐにこちらに戻ってきます!」

 アイラは白魔王の腕を縋り付くように掴んだ。

「 やかましいわね。何も分かってないわロンディ首相はやり手よ。巧みな策を駆使してこちらに戦いを挑んでいるの。これがどういうことか分かってる?事実の上の宣戦布告よ。」白魔王はアイラの手を蹴り払った。

「 白魔王様!あたし達に慈悲を...帝国に逆らう事は許されない。ロンディ首相の上を行く策を...」

  「 俺も死にたくないんだ!生物兵器の研究を続けたい。それが帝国に絶対に

 役に立つはず...」

  2人の懇願する声がこだまになり白魔王はイラつきを見せた。

「 もう貴方達の役目は終えたの。だから安らかに永久に眠ってもらうわ。痛みなんて一瞬よ」白魔王は2人を囲むように魔法陣を出現させた。

「 ビーストハンド!」

  獣のような巨大な腕がアイラ達を包み込んだ。

  それは力強くアイラ達の肉体ごと潰したせいか悲鳴が部屋を支配した。

 傍にいたハクはただ毅然(きぜん)とした態度で見つめていた。

  「 終わったわ。掃除をお願いするわハク」

  ハクが辺りを見回すと床が真っ赤に染まり壁に血が飛び散っていた。

  「 白魔王様...死体はどうしますか?」

「 ぐちゃぐちゃだし燃やして適当に埋めといてくれる?」

 白魔王はイラつきをチラつかせた。

「 わかりました。」ハクは跪く姿を見下すような表情で見つめた。

「 役に立つのは貴方と帝国騎士団だけよ。今日はもう寝るわ」

 白魔王は王座の間を去っていた。

 


  次回に続く。




 


 


 






長らくお待たせてしまいました。本業が小売業の為多忙で疲労のせいで書けないでいました。ただの言い訳で申し訳ないのですが今年は更新頻度少しでも上げたいです。

これからもご愛読よろしくお願い致します。

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