Childhood friend (幼なじみ)
「ったく、オレの家に来るんだったら連絡しろよ。あとピッキングはするな、もし鍵が壊れたらどうする」
「だってぇ、早く夕食を作りたかったんだもぉん」
この間延びした声でしゃべる赤髪ポニーテールな小柄ナイスバディのオレの幼なじみは神岡 ヒカリ。
今日使っていた「簡単変装パック」を開発したと言っていたPSCの開発者なのだが……
「で、なんでお前がここにいる?」
PSCの開発者は現在、ヒカリしかいないはずだが仕事はどうしたのだろうか……
「なんでってさっき説明したじゃないぃ。歩ちゃんの夕食を作りに来たってぇ」
「違う違う、お前仕事はどうしたんだ?」
すると、ヒカリの顔が気まずい顔になって、
「う~んと……」
「もしかして……お前……まさか」
「うん。そのまさかなんだよぉ。また研究室壊しちゃったぁ」
「はぁ~~~~~」
またか……
こいつ、ヒカリは天才なのになんか抜けていて、この前なんかオレに栄養ドリンクを作ったと言ってくれた物がなんか変な色をしていて、それを変態に飲ましてみた所変態が痙攣して口から泡を吹きだして大変な事になってしまった事がある。
てか、あいつ変な色してたのによく飲んだよな……
「で、今回はどうやって壊したんだ?」
一応PSCの事なのでどれくらいの被害なのかは知っておきたい。
「えっと~、ガム式爆弾作ろうとおもってねぇ、硝安を混ぜた粘土に水の混合物を混ぜた粘土を二つをくっつけて気泡ビーズを混ぜようとしたらねぇ、それがねぇ雷管でねぇ……」
「え?ちょっと待て、その爆弾って割と強力なスラリー爆薬だよな。てかその流れでいくと大体研究室は爆発で壊れたってわかったけど、お前は大丈夫なのか?まぁここにいるから大丈夫そうだけど」
そう聞くとヒカリは頬をふくらませ
「もうちょっと心配してよぉ、可愛い幼なじみの命の危機だったんだよぉ。」
「自分で自分の事可愛いって言ってうれしい?」
「うん!とってもぉ」
うわ……
「とにかく、お前は大丈夫でよかった」
「え……ちゃんと心配してくれてたのぉ?」
と、頬を赤くしながらすごく当たり前な事を聞いてきた。
「当たり前だろ、オレの大切な幼なじみなんだからな」
「……うん、やっぱりそうだよねぇ……」
「うん?」
……ん?なんでそんな残念そうな表情なんだ?
けど、そんな表情はすぐに消え、
「でねぇ、わたしの研究室ってわたしの寝床だったでしょぉ」
「うん、そうだな」
「でねぇ、わたしの研究室が爆発しちゃったでしょぉ」
「……大体今ので何を話そうとしてるかわかってしまったが話を続けて」
「うん!続けるねぇ、だからぁ歩ちゃんの家の部屋一室借りていぃ?」
「言うと思った……」
ヒカリがオレの家に来たら泊めてと言ってくるのは、恒例な事だ。だからこの前ヒカリ専用の部屋を作った所だ。その事はヒカリには言ってない。
「わかった、ちょうどこの前お前専用の部屋を作った所だ。そこを使え」
そう言った瞬間、ヒカリが驚き半分嬉しさ半分な顔で、
「え?えええええええええ!?わたしのために部屋作ってくれたのぉ~!?歩ちゃんありがとぉ~!!」
と言って思いっきり抱きついてきやがった!う、うおぉ……顔に胸がぁぁぁぁ!!……ってちょっと待ってぇぇぇぇ!?い、息が…出来っ……
「ヒ、ヒカ……ちょ…ま……」
しかし、オレが息の出来ない事に気づいてないのかだんだんと抱きしめる力が強くなっていき、
「ありがとありがとありがとぉ!!歩ちゃぁんだぁぁぁい好きぃぃぃぃぃ!!」
と言った瞬間、ヒカリは感極まったのか一層抱きしめるのが強くなりそして、
「あぱぁ!!……」
オレは変な声をあげ、空に意識を投げた……