私の詠唱
Ⅳ限目は呪文詠唱学で、魔法の正しいイントネーションを学ぶ授業だった。
「そこ!イントネーションが違う!ลอยตัวは、音程を変えずに一定の高さを保つのがコツって言ったわよね!?」
教室中に響き渡る大きな声で生徒を指導しているのは、イザベラ・グレース先生。
イザベラ先生は、授業が厳しいことで有名で、大半の生徒から恐れられている。
授業は厳しいけど、実際の性格は超優しくて、テストなんて、範囲外のところを出されたことがないし、応用問題も、授業内で丁寧に説明してくれているところだから、私も含め、全員ちゃんと点が取れている。
だから、恐れられているけど、結構人気もある先生って感じかな。
まあ、これは言ったら怒られるけど、ツンデレ感がある先生だね。
「ミラさん!」
「はい!?」
いきなり当てられたから、間抜けな声を出してしまった...。
「ボーっとしているだけで、呪文はちゃんと唱えられるんですか!?」
「えっと...。」
「はぁ、とりあえずลอยตัวを唱えてみてください。」
「は、はい...。」
反射的に頷いてしまったけれど、クラスメイトたちがクスクス嘲笑っているのが目を向けなくてもわかる。
「では、どうぞ。」
先生が私に呪文を唱えることを促した途端、教室が静寂に包まれた。
きっと、私が上手く呪文を唱えることができずに恥をかく瞬間を見届けようとしているのだろう。
本当に性格が悪いと思う。
まあ、恥をかいても別にいいか。
「ลอยตัว」
私が呪文を唱えると、私が使っていた教科書がふわりと宙に浮かんだ。
クラスメイトたちは、イザベラ先生の評価を期待の眼差しで待った。
イザベラ先生は、少し沈黙した後、
「...合格です。しっかりと授業は聞いておくように。」
と言った。
その瞬間、クラスメイトたちは、期待の眼差しを向けるのをやめ、つまらなさそうに目を背けた。
「ソフィア、呪文を唱えるの上手ね。」
「ふふん。そうでしょ?意外と行けるんだよね〜。」
「自画自賛ね。ソフィアらしいけど。」
「えへへ〜。」
その後、無事に授業を終えた。
まあ、クラスメイトからの冷たい視線は、終始変わらなかったけど。
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学園内の暗い何処かに、また二人の男女の話し声があった。
「あいつ、オリビア様と一緒に過ごしているっていうのに、オリビア様に似合う人になろうっていう意思が感じられない。本当に信じられない。」
「まあまあ、落ち着けよ。あいつらの仲を引き裂くのはこれからだろ。」
「...それもそうね。待っていてね、オリビア様。」
そう言うと、二人の話し声は消えた。




