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タマキシノビ絵巻  作者: 宅間晋作
バリエンツ編
16/16

幕間オウルド錬金国の独白

「何? ミアルが死んだ?」


「ええ、どうやらバリエンツで暗躍してましたが詰めを見誤ったそうで」


 オウルド錬金国の科学議長ギオークが椅子に座りながら資料を読んでいた。

 オウルド錬金国。 それは中央地帯に位置し化学と錬金術が発展した無宗教国である。

 東にはナナシノ国が、西には女が上に君臨する女尊男卑を掲げるリル女帝国が位置し、南は無法地帯になっている。

 さらに北は異界宗教国の大国がある。

 特にリル女帝国と異界宗教国などは、たまにオウルド錬金国に先兵を連れて来て戦争するなどざらだ。

 それもそのはず。 千年以上の歴史に和平を成した国の数は、少ない。

 さらに異世界召喚人や転生者などは五百名以上にも及び、各国の世界に影響を与えている。

 

「さらに南西にはライトール騎士国家の連中もいるしな」


 ギオークは、ワインを一口飲み呟く。

 ライトール騎士国家は、オリーブと麺類そして宗教天使派を率いている。

 直接オウルド錬金国には来ない。

 何故ならその隣国のガルーシャ帝国が、睨みをきかせて侵攻する余裕などライトール騎士国家にはない。

 この世界の宗教は、異世界人を信奉する異世界派。 天使を信仰する天使派。 悪魔を信仰する悪魔派。 そして最後に精霊を信仰する精霊派の四つの宗教がある。

 たまに竜を信仰する竜派もあるが数は少なく、竜は気高くほとんどは戦争の日の中に消えた種族である。

 それだけではない。 エルフ、ドワーフ、小人、人魚、獣人、吸血鬼などの亜人種も千も超える各国に淘汰や吸収をされて数を減らした。


「まぁだからと言って何か変わるわけではない」


 そうほくそ笑み、ギオークは執務室を出て歩く。

 地下を歩き、ギオークはカプセルを見た。 そのカプセルには、五十人の異世界召喚人を解剖や解析をして作った人工的なクローン人形がある。

 異界宗教国のネクストチルドレンも元はいえば異世界召喚人の子孫かつ、強力なスキルを改造や発展をさせたデザイナーズベイビーだ。


「ふん。異界宗教国め。 お前達が初期にネクストチルドレンの原案を奪えさえしなければ、我々の元にネクストチルドレンがいたものを」


 異界宗教国は、初めて異世界召喚人を召喚することに成功し他国よりも多く異世界召喚人を囲う事に成功している。

 その数は二百。 他の国も試したが優秀な召喚師を確保しなければなかなか異世界召喚人は現れない。

 たまに現れる転生者の確保も大変で、一人いれば軍隊など簡単に滅ぼせるが、魂を検知しない限り分からないのでしかなく異世界召喚人をたくさん呼ぶ。

 そしてその後子孫や血脈を発展させ、より強い魔力とスキルを持つ戦力を量産する体制を作るのだ。


「まぁ大体この国も、サトウ・ミツヒロが作ったものだがな」


 何を隠そう。 オウルド錬金国の大半は、異世界転生者の佐藤光弘ーサトウ・ミツヒローが、創造-クラフター-のスキルを使い銃や飛行機ヘリコプター。 ホムンクルスにデザイナーズベイビー、復活の薬液などを使い化学と錬金術の発展をしたのだ。

 だが、サトウ・ミツヒロは初代の化学議長からの圧力に屈して最後は行方をくらませた。 千年以上昔の話だがお陰で、他国に舐められない軍事力をオウルド錬金国は手に入れる事が出来た。


「さて、これからも我々オウルド錬金国が支配する為に」


 そうほくそ笑みギオークは、天に乾杯をした。

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