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今宵は居間で、リアは思い切ってリアルに質問してみた。
「リアル、自分が寝ている間にリンが口付けをすることはありますか?」
リアルはコーヒーを飲もうとしていた手を止めた。
「ええっ!? そんなことしているの?あー、まあ、帽子屋ならありそうか……。私が気付いてないだけかも知れないけど、私は経験がないわ」
「そう、ですか」
リアはバツが悪くなった。しかしリアルは気にせず答えた。
「本当に自由奔放よね、帽子屋って。 人を振り回すことに気付いてないのよね。まぁ、愛情は深いんだけどね」
リアはリアルが、リアとリンの秘め事を話しても不快感を見せないことに、また少し信頼感を覚えた。リアはリンへの愛情を隠さずに答えた。
「そう、ですね」
リアルは、リアとリンの馴れ合いの話を割り切って聞いた。リアは続けた。
「僕にはリンについて知らないことがある、みたいです」
リアルは表に出したリアの本音を、コーヒーのカップを口に傾けながら聞いた。味は苦かった。
「それは、時間の問題よ。リンは心を許すと甘えてくるから、どうしようもないのよね」
リアはリアルの言葉が、長い年月をかけた経験であることに、苦味を感じた。しかし心に浮かんだ悲しみは思ったより傷にならなかった。リアは柔らかな傷を受け止めて抑えた。リアルに対する葛藤に、それも自分だと認めた。
リアはココアを飲み干した。今日はなぜかリンが起きて待っているような気がした。




