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63話の前日です。
リンが夢の自室に入ると、リアが寝台に座ってあくびをかみ殺していた。リンは隣に座ると尋ねた。
「お師匠、今日はお疲れですね」
リアはリンの肩に体を預け、リンの腕に自分の腕を絡めた。
「今日は召喚士の依頼をこなして、体力を使いました。夜にリンに会えることを楽しみにしていたので、気を使って消えないで下さい、リン。一緒にいたいです」
リンは微笑んだ。
「はい、お師匠。私は消えませんよ」
リンは白茶を満たしたティーカップを虚空に現した。リアはカップを手に取り、飲みやすい温かさの飲み物で喉を癒した。仕事の疲れがほぐれる、穏やかな味だった。リアはにこりとした。
「リンのお茶は心が落ち着きますね。僕はリンと並んで肩を寄せ合うだけで疲れを忘れます。ずっと寄り添ってくれると嬉しいです」
「私もそうさせて下さい、リア。私はリアが疲れたら癒しましょう」
リアははにかんだ。
「夫婦って良いですね。疲れても心を預けて休ませてくれる人がいるのは幸せです。僕は今までいなかったので、とてもありがたく思います」
リンは優しく提案した。
「リア、今日は私が膝枕をしましょう。リアが私の膝に頭を乗せ、私はリアを優しく撫でます。初夏の部屋のお返しをここでしましょう」
リアは新しい触れ合いを受け入れた。
「そうですね。お願いします」
リアとリンは寝台の真ん中に身体を寄せ、リンの膝にリアは頭を置いて寝転んだ。リンはリアの頭を撫でた。リンはささやくように尋ねた。
「リアは明日の午前は何をする予定ですか?」
「僕は明日はお城の書庫で、まだ複製されていない本のデータを集めます」
「では、明日の朝は私はアンクレットに触れてもいいでしょうか? 私は朝、一人の時間に、いつもリアのことを思い浮かべています」
リアは恥ずかしそうに答えた。
「はい、大丈夫です。僕は一人でいるので、リンの慕情に応えられると思います」
リンは口元を緩めた。
「では、明日はリアに魔力の便りを送りましょう」
「はい……」
リアの声は小さかった。目を閉じたリアは眠ってしまったようだった。リンはしばらくそのままでいて、そのうち目が覚めた。リンは夢の中の約束に心が弾んだ。




