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第28話ー反転攻勢が始まる

魔王とか四天王…

どんぐらい強いっすかね!

散見される魔族軍との小さな戦闘を最小に、シビ軍と構える事を回避出来たフル・チョーの部隊は半刻も駆けずに獣王イーロ一行を無事迎える事となった。


(ヨーテモ王及び国王直下(ネクスト)へ!無事獣王を確保‼︎繰り返す、新獣王エンピ・イーロ様は無事合流した!)

フル・チョーの遠隔念話を受け、カゴーマの防衛にあたるホーク・ダンより王妹アーオへと兄王の生存が伝わる。


「…イーロ兄様…良かった…‼︎」

泣き崩れるかに思えた王妹アーオは、毅然とした面持ちで深々と頭を下げて謝辞を述べた。その眼には半刻前には無かった力強さが取り戻されていた。


(よくやってくれた‼︎ミヤザ砦は放棄してアリの空軍と共にカゴーマへと戻ってくれ!途中獣王イーロ様も乗せて欲しい。)

コアはナギ、ツキジ、クロラ、アリへ指示をする。


(フル・チョーの部隊と共にカゴーマ前にて遊撃隊を挟撃する!魔力索敵(サーチ)を最大範囲で頼む‼︎)

最大火力のトリオ魔導士、空軍部隊は温存させて騎兵と弓兵、両部隊合わせて2500で迎撃する事とされた。


(コアの差配や見事だ!)

ヨーテモはトリオ魔導士へ最大限の賛辞を送ると同時に総指揮を委ねたコアを称えた。



「人族は魔法文化が衰退していたと聞き及んでおりましたが…私が使者へと遣わされた折に(いざな)われた長距離転送の魔方陣…飛翔魔法(フライ)転移魔法(ゲート)…念話の魔道具。兄王を助けていただいた魔導士の方々に至っては、上級範囲魔法を多種に渡り使いこなされたとか…。」

王妹アーオは長く聞かされていた人族の魔法水準とは大きく異なる現実をその眼で見て理解に苦しんでいる。


「1人の勇者が最南地に革命をもたらしたのです。」

ホーク・ダンの顔は喜びを隠せなかった。



ミヤザ砦を包囲したゴン指揮下の魔族軍は、ゴン本人が居なかった事が大いに災いし、その数を2000以上も減らしたうえに、魔導士の3人を取り逃がした。


アリは空軍でトリオ魔導士を拾うが直ぐに引き返し、すぐにまた眼下に捉えた獣王を乗せてカゴーマへと飛んで戻った。



獣王イーロを受け渡した後のフル・チョー率いる騎兵部隊は、元来たカゴーマへの道を最短に進む。コア、ゲンパチ、ルカの部隊も距離を詰める。


(獣王近衛師団によると、遊撃隊は魔王に次ぐ四天王が1人シビ軍、我が方との距離は残り5分!)

フル・チョーは近衛師団を危険から距離を取らせ、事前に大量に準備されてあったポーション等を提供させた。


(良し‼︎少しだけ行軍速度を緩めて7分後に斬り込めるよう準備しておいてくれ!)

コアはゲンパチ、ルカとやや速度を上げる。


「連弩隊は左右の茂みに身を隠せ!大弓隊は少し後ろから撹乱、援護射撃を主とする。俺は小隊で前に斬り込む!」

コアの指揮の下、それぞれが配備につき挟撃の準備が整ったのであった。



シビはカゴーマに向かう途中に見慣れぬ軍勢を遠巻きには見たが、連勝を重ねた魔族軍には驕りがあった。


突如として眼前には久しく見ぬ人族の小隊が現れる。


「ふんっ!小賢しい…。滅びる前の獣人族と矮小にして落ち延び、細々と生き残った人族が組むか。」

遊撃軍とは言え目前の小隊など取るに足りない程に数の差があり、また自身は膨大な魔力を誇る魔族の四天王であるシビにとって、警戒するに及ばないと思わせた。



1年半も勝ち続けたら…油断するってな…

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