第22話ー適性と可能性
数字に追われるのは回避!
「みんな、村での普段と同じ様に自分の力を、気配や重圧の出力を抑えるんだ。」
ヨーテモがそう言うや直ぐに、シュリの冒険者ギルド本部建物に張り巡らされた魔法陣の中に立ち込めた、尋常ではなく重い張り詰めた空気感にも似た力場は、平常通りに戻った。
「アキさん、階下の一般冒険者たちへの説明と、多分気付も必要だろう、正体が明かされてこなかった俺達ではあるが、表現や文言は任せる。4、5分あれば元に収まるでしょ。審査はお姉さん達に任せて少しだけ降りようか?」
ヨーテモとミコトにコア、アキの4人だけが1階へ降りた。
「ヨーさんが俺はもう忍者頭領って上位職適性があるって言ってたんだ!うぇーーいw」
チョスが聞き慣れない自慢にも似た独り言を言いながら目の前の水晶に手をかざすと、魔法使いでもないチョスなのに赤や青に緑と土色が混ざった診断結果が浮かび上がる。
「光り具合はその属性への適性をそのまま反映しますが…通常の4大属性全てがこんなにも強い色を放つなんて…。」
ギルド職員のお姉さんは単色すら浮かばない想定で、手をかざす前に魔法使いではないと申告した目の前の子供にどう慰めようか思案していたのだ。
「チョス邪魔やで、後ろつかえとんねん。」
ツキジが次は我こそと水晶に手をかざし、物言いたげなチョスは次の魔力探査魔道具に興味の矛先を変える。
ツキジがかざした水晶には先程よりも眩しいほどに強烈な色彩色を放つ赤と緑に、それが隠れるくらいの黄色が鮮やかに映る。
「どうして次から次へと貴方達は…皆が皆多色の属性への適性持ちで…この輝き具合…挙句の果てに…黄色ですって⁉︎」
200年かけて衰退の一途を辿った人族社会における魔法文化では、黄色が指し示す雷属性と薄い水色が示す氷属性などは、文献の中でしか見知り出来ない事象なのであった。
「チョスだけやないねん、俺もヨーさんから雷帝の二つ名を冠する高位魔導師の適性言われとってん。」
ツキジは満足そうに魔力探査魔道具の列へ向かう。
左右の二列を成した村の一行には1人残らず複数の適性色が放たれた。階下で簡素に気付を済ませ、危険がない旨だけを冒険者たちに告げた4人が戻って来た。
22人分の属性適性診断と、数人の魔力探査を行う途中でアキはもうその先の試験や審査が無用である事を理解して、ギルド職員のお姉さん2人を階下の通常業務に戻らせたのであった。
「…これほどまでとはな…正直信じられん!だがこの目で見た以上、無用の勘ぐりや試すような事は全くの無意味だな…。コアよ…そしてヨーテモ、これまでの非礼を詫びよう。既存の価値観に囚われ過ぎていたようだ。」
アキの目に失意は見受けられず、むしろ高揚感や羨望にも似た眼差しでガジュマル村の一行に視線を流す。
「お前の判断でも年長組はAランク、年少組はBランク、ヨーテモに至っては診断するまでもなくSランクで間違いないのか?」
コアがアキと目を合わせて2人してやれやれといった風に両手を広げて首をカクカクしている。
「ミコトも余裕でSランクだぞ?高位竜種の変異個体だしな!」
ヨーテモが名前漏れを指摘すると、アキの目は大きく開き一瞬ひきつった後に、直ぐに恥ずかしそうに居直った。
(今さら何を驚くってんだ…。)
「もう少し説明が欲しい。獣人ではないのは理解していたが、文献に載っている擬人化した竜人なのか?」
アキくらいになるとその程度の思い当たる知識、教養は当然に備わっていた。
「元はナーハの森の主だ。俺と従魔契約を交わしているが、主従じゃない、大切な1人の仲間だ。」
ヨーテモが簡潔に説明すると、横で嬉しそうに照れるミコトとそれを見て嫉妬するセチャーンの図がそこにはあった。
ハトには高位鍛治騎士の素養が
セチャーンは高位聖職者従魔使い
ナギは全属性を網羅し、賢者
ルカは狙撃手と聖職者
アリは従魔使い騎士
カズキは高位聖職者鍛治
メイリンは侍マスター聖職者
クロラは氷帝の二つ名を冠する高位魔導師
リョージは暗殺者従魔使い
リューは聖騎士の素養を
リンは魔法剣士
何故だか妄想力たくましいヤマトは
死霊使いの資質…
(妄想し過ぎて闇に堕ちたか⁉︎w)
他の年少組にもそれぞれ高位適職などの成長がしっかりと確かに芽吹いている事が改めて知ることが出来た。
そしてようやく最南地の重職に就く要人が何事かとばかりにギルドの二階へと通されて来たのだった。
いや、全員にレアな呼び名は…
勘弁してつかぁーさい!




