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第23話ー四葉王国の建国

なんか慌しいっす!


ここから第二章となります!

第二章ーそして伝説が始まった



シュリのギルド本部二階に集められた要人(キーマン)たちを前に、ヨーテモとコアにアキを交えて簡単な仲間の一行を含めた自己紹介を済ますと、ヨーテモは上着を脱いで両腕と背中に顕現した御印(みしるし)を披露した。


各部隊隊長は等しくAランクであり、連島議会議長もまた知識や見識に秀でている事は容易く予想が出来た。

(Aランクともなれば一般教養の先の高次見識や人格も必要)


「200年前の大敗時にも御印(みしるし)を持つ勇者は居たが、右腕にしか無かったはずだな?」

ヨーテモはコアとアキを含む人族の要人(キーマン)たちへと投げかける。


人族が全大陸を統治した古き時代には、常に1人の勇者が王族や皇族に生まれ、その力は他者を圧倒し、他種族それぞれの王である獣人王(以降獣王)、精霊王、魔王、竜王と比肩しても並び劣るものではなかったらしい。

(古い文献を見る限りでは各時代の勇者は皆、右腕にしか御印(みしるし)は顕現していない。なお印には大小の差はあったらしく、その大きさが大きな勇者ほど圧倒的な力を示したとある。)


数の猛威にて他種族より優位性を保持していたにも関わらず、覇を競う人族は利権争いの末に多国間抗争に陥り、内紛の隙をつかれて今に至る。


「前時代的ではあるが、今より最南地(ウチナー)に唯一無二の中央集権国家を形成する。異論があれば早いうちに聞こう。」

ヨーテモの突然の申し出に一同が唖然とする。

コアとアキにミコトだけが片膝をつき(こうべ)を垂れる。

ガジュマル村の一行も即座に理解して3人に(なら)う。


「この時をどれほど待ち侘び憧れたか…。」

コアの頬を伝う涙が床に落ちる。

(コアが言うのは自分だけでなく200年の間に辛酸を舐めた祖先たちへの想いが含まれている。)


「最早貴方達こそが全人族の希望に他ならない。如何様にも御指示を承ります。」

アキが数年前より期待していた想いはここまでではなかったはずだろうが…。


「「主と決めしその刹那より、我が身も心も主のモノ。我等が竜族の統べる彼の地、北地までの覇道…我が身が朽ちるまでお供させてくれ!」」

Sランクの竜人ミコトは少し頬を紅潮させる。



ホーク・ダンやフル・チョーにゲンパチ、ヒーコとフーセンも普段よりコアやアキに稽古をつけてもらっている猛者だけに、その2人が圧倒的な強者と認めたヨーテモへの疑念は持たなかった。


連島議会議長である現在の人族社会の文官の長ヤンシもまた、歴代議長とは毛色が異なり武芸に明るかったが為、そして魅せられた御印(みしるし)の持つ意味が理解できるからか、異議も疑問も思い浮かぶ事をしなかった。いや、出来なかったのだろうか。


(ヤンシの毛色とは言うがあまり豊かな毛髪は…)



「誰一人として異論も疑念も反論もないようだね。」

凛とした表情を崩していつもの幼さを残す優しい面持ちに戻ったヨーテモは続ける。


「これより四葉王国を興す、直ちに最南地(ウチナー)全土へと通達させよ!シュリの民には自ら広報しよう、みんな着いて来てくれ。」

ヨーテモが人族の王でもある勇者として最初の沙汰を下す。


ギルド二階に集まっていた全員がギルド前の大広場へと場所を移す。最南地(ウチナー)の著名な要人(キーマン)が一同に揃って1人の少年とも思しき成人になりたてのヨーテモの後ろを付き従う。


異様にも思えたその光景は行き交う街の人々の目に留まり、その歩を停めさせる。直ぐに人だかりが幾重にも取り囲み始める折に、24人もの人影が大広場噴水の遥か上空に浮かび上がった。


ヨーテモがガジュマル村の一行にミコトを加えて指示を出し、飛翔魔法(フライ)の腕輪でもって揃って飛んだのだ。


ヨーテモは魔法の小袋から取り出した目新しい魔道具の指輪を付け、シュリの街の隅々まで聞こえる拡声効果を用いて民に宣言する。



「我が名はヨーテモ、今ここに四葉王国の建国を宣言する‼︎シュリに住まう全街人、我が民たちよ、永きに渡る安寧は足早に終わりを迎える!だが安心して欲しい、我は勇者にして王である。」

力強く威厳のこもったヨーテモの言葉が降り注ぐ。


誰もが知る剣鬼コアやギルドマスターのアキだけでなく、連島議会議長のヤンシに国防を担う各部隊隊長の全てが片膝をつき(こうべ)を垂れている。


大いにざわつき幾重にも取り囲む街の住人達には何が起きたのか直ぐには理解出来なかったが、目の前に起こった不可思議な現象は、お伽話に伝承される失われし古代魔法と、勇者一行にしか起こし得ないパフォーマンスだと納得するしかなかった。


人々は誰からともなく大きな声をあげ、上空に浮かぶ勇者一行へと喝采を送るのであった。


「四葉王国万歳‼︎」「ヨーテモ王万歳‼︎」「勇者様万歳‼︎」



王政復古の通達はギルドからの緊急クエストとしても発布され、最南地(ウチナー)全土に住まう人族へ可及速やかに成される事となる。

ヤンシは副議長のジカコと手分けして、村長、町長らの連絡網にも伝達させた。


ヨーテモやコア、アキだけでなく、各部隊隊長たちで軍の再編や今後の展望が話し合われ、四葉王国の大まかな取り決まりが発布される。



「ワコク」の世界の歴史は人族社会だけでなく、新たな転換期に突入していたのであった。



とうとう国王にして勇者…

これもまた異世界転生あるある⁉︎



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