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シンデレラの婚約破棄⭐︎  作者: 眠夢
かぐや姫と不思議な陰陽師

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28/42

素敵な衣装

「……で、これが、サ行変格活用だな。サ変をとる言葉、覚えているかー? じゃあ、11月28日だから、28番の……新井」


苗字を呼ばれた新井由美は、「はい」と返事をし、授業プリントを持って席を立つ。


うーん、と思いだしていると、遠くの席で結菜が、こちらを見て「がんばれ!」っていう感じでガッツポーズをしている。


「……す、おは(わ)すです」


「はい、正解。ありがとう」


結菜の方を見ると、一緒に喜んでくれている。


ふふっと笑って座った。


今古典で勉強しているのは、日本最古のお伽草子と言われている「竹取物語」、いわゆるかぐや姫。


日本最古ということもあって、なかなか内容把握が難しい。


「はい、已然形+ば、の組み合わせ、この意味は、『ので・と・ところ』だな〜、ここテストに出るぞ〜」


なんかだんだんと、退屈になってきた。


……コスプレが好きで、今度コミケに行ってどんな衣装を着ようかなんて考えていて。


和風あやかしストーリーのアニメキャラなんでどうかな、なんて、かぐや姫を想像しながら。


浴衣とか振袖とかって、とっても綺麗で。


アニメキャラが着る和服って、なんであんなに美しいんだろう。



……1度、チャレンジしたことはあった。



でも、上手くいかなかった。アニメに会う衣装を探して買ったり、似合う衣装を作ったり。どれもこれも、再現することは出来なくて。



昼下がり、窓側の席。


カーテンが風でなびいて、少し頬に当たる。



温かくて、自然と眠ってしまった。



気がつくと、そこは……空に浮かぶ方舟の上!



私は、とても美しい、十二単を着ていた。




その船から地上を見下ろす。



……そこには、和樹君がいる!




私を見つめている。





待って、私は和樹くんから離れたいわけじゃないの。





違うの。






私は、こんなに綺麗な衣装で。






彼に。








彼に、もう一度、会いたい……。









「……由美! 由美!」




気づくと、結菜が起こしてくれていた。





「もう、休み時間までずっと寝てたんだよ、由美」




「ああ、ごめん、ありがと……」




「次移動教室だから、いこ」



結菜は、ふふっと笑った。




「うん、いこっか」




音楽の教科書とリコーダーを手にして、由美は結菜について行った。




「あのね、夢の中でね、私、とっても素敵な服を着ていてね……」




「なにそれ、かぐや姫になってたの?」



「そうみたい」




木漏れ日が差す廊下、2人でふふっと笑い合った。

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