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シンデレラの婚約破棄⭐︎  作者: 眠夢
シンデレラ

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その女、シンデレラにつき。

 夕暮れ、木の窓が開いた寝室にオレンジの光が差し込む。

「レイチャミ、これからは新しい継母と仲良く過ごすんだよ」

「なんで、お父様、いなくならないで、私を、置いていかないで……」

「そして、大きくなったら、素敵な王子様と、結婚して、そうすれば君は、幸せで……」

「なんで、なんで……」

 そうしてレイチャミの父親は死んだ。

 ベッドの側には、いつもの表情のお父様と、その横に目を「ギュッ」と閉じて笑う私、そしてその横には、私と同じ、目を「ギュッ」と閉じた笑い方をした、お母様の写真。

 お父様は優しくて、お母様は、なんでも完璧にできちゃうすごい人で。

 でも、2人とも、私を置いていってしまった……。

 1ヶ月後に現れたレイチャミの新しい母親は人の姉を連れてきた。

 継母と姉たちはレイチャミを、新たな名前として"シンデレラ"と呼んだ。「薄汚い娘」という由来である。

 継母と姉たちはシンデレラに家事や雑用を全て押し付け、毎日優雅に暮らす。

 シンデレラは、与えられた1番小さな自分の部屋の中で、夜空の下に輝くお城を眺めながら、ぼんやりと考えていた。

 今度、王国の城で舞踏会がある。

 王子様の姫を決める舞踏会だ。

 それに参加をして、王子様の姫となり、王族になれば、私はこの生活から、解放される、かもしれない。

 私は多分、それを、望んでいる。

 今の、3人に支配される、下の立場として支配される生活が嫌すぎて、私は、自由になりたくて。

 もし、王子様の姫となり、王宮に行けばどんな生活が待っているのだろう。

 多分、私は毎日優雅に暮らせるのだろう。いいものも着させてもらえるし、お金もたくさんもらえるだろうし、みんな、私のしもべとして……。

 そうだよね。

 私が姫になるってことは、私のために尽くすたくさんの誰かがいるってことだよね。

 そしたら、私、その人たちに申し訳ないって、思ってしまうのかな。

 そんなことを考えていること自体、気にしすぎ?

 でも、今の生活から解放されることは確かで。

 今の生活が嫌すぎて、死にたいくらいで。

 それから解放される、のは、今しかない。

 それなら、やっぱ。

 その舞踏会に参加しなければずっとこの生活のままならば。

 その日の舞踏会に、賭けるしかない。


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