第7話:痛みに跪いた四人、ドロルの“師匠”になる
ドロルがギルド前で四人を治す条件として提示した
「仕事を教えてもらう」
その一言は、四人の冒険者の人生を大きく変えることになった。
剣士アガルド、槍士バルド、弓士レミオ、斥候ジグ。
昨日までドロルを雑魚扱いしていた彼らは、
今や痛みに怯え、ドロルの一言で生死が左右される立場になった。
◆ 冒険者のいろはを叩き込まれる日々
「まずは剣の握り方だ。ほら、こうだ」
アガルドは、歯槽膿漏で口を押さえながらも、
真剣な表情でドロルに剣の構えを教えた。
「剣は力じゃねぇ。角度と重心だ。
お前は細いから、なおさら無駄な力を使うな」
ドロルは頷き、何度も構えを繰り返す。
「次は槍の間合いだ」
バルドが槍を構え、距離の取り方を教える。
「槍は近づかれたら終わりだ。
だから常に“届く距離”を維持しろ。
お前は足が速くねぇから、なおさらだ」
「弓は狙うんじゃねぇ。通すんだ」
レミオは、木の枝を的にして弓の基礎を教える。
「狙いすぎると外す。
流れの中で放て」
「斥候は目と耳だ」
ジグは森の影に身を潜めながら言う。
「足音を消せ。
呼吸を浅くしろ。
敵の気配を読むんだ」
四人は痛みに震えながらも、
ドロルに冒険者の基礎を叩き込んだ。
ドロルは真剣に聞き、
何度も復習した。
◆ 食事の時だけ歯槽膿漏を治す
「……ドロル様、そろそろ飯の時間で……」
アガルドが口を押さえながら言う。
「ん? 食事か。じゃあ治すか」
ドロルが軽く指を鳴らすと、
四人の口の痛みが消える。
「……ああ……噛める……噛めるぞ……!」
「神だ……!」
「ドロル様……!」
四人は涙を流しながら食事をかき込む。
だが――
食事が終わると、ドロルは言う。
「じゃあ、戻すぞ」
「えっ」
「うがっ!!」
四人は再び口を押さえ、地面に転がった。
「噛めない辛さを忘れないようにな」
ドロルは淡々と言い、
自分の復習に向かった。
◆ 四人は別行動で金を稼ぐ
ドロルが森で復習している間、
四人は別行動で依頼をこなしていた。
「急げ! ドロル様に渡す金を稼ぐんだ!」
「歯槽膿漏が治る時間は限られてるんだぞ!」
「痛みが戻る前に終わらせるぞ!」
「今日の分を稼がねぇと……死ぬ……!」
四人は必死だった。
痛みが戻る恐怖が、彼らを動かしていた。
そして稼いだ金を、
毎日ドロルに渡した。
ドロルはそれを当然のように受け取った。
「よし。じゃあ明日も頼む」
四人は深々と頭を下げた。
「はい……ドロル様……!」
◆ ドロル、成長する
日々の復習と四人の指導により、
ドロルは急速に成長していった。
● キラーラビットを一人で討伐できるようになる
「脳溢血」
「痛風」
「ぎっくり腰」
使い分けながら、
キラーラビットを確実に仕留める。
解体も覚え、
肉と皮をギルドに売れるようになった。
● 剣の技術が上がる
アガルドの教えを反復し、
剣の振り方が安定する。
「……よし、これならゴブリンもいけるな」
● ゴブリン討伐
森の奥でゴブリンと遭遇したドロルは、
落ち着いて剣を構えた。
「痛みを……知れ」
ゴブリンがよろめいた瞬間、
ドロルは首元に剣を走らせた。
倒れたゴブリンから耳を削ぎ、
胸を割って魔石を取り出す。
「……これが討伐の証か」
● スライムもペインなしで倒せる
スライムの弱点を四人から教わり、
剣で核を突いて倒せるようになった。
● 斥候の基礎も習得
足音を消し、
敵の気配を読むことができるようになった。
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◆ 四人の変化
四人は完全にドロルの下働いとなった。
「ドロル様、今日の稼ぎです……」
「ドロル様、剣の練習を見ます……」
「ドロル様、森の地形を案内します……」
「ドロル様、斥候の復習を手伝います……」
かつての傍若無人な態度は消え、
今や忠犬のように従っている。
痛みの恐怖と、
ドロルへの畏怖が、
彼らを完全に支配していた。




