↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【痛みの帝王】 〜65歳で全ての激痛を経験した男、異世界で“痛みを操る”チートを得て成り上がる〜  作者: ボルトコボルト


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

12/39

第12話:門前の支配者、聖獣を従える者にひれ伏す日

 街道を歩くドロルの足取りは、いつも通り静かで淡々としていた。

 だが、その頭上には――常識を破壊する光景があった。


 白い翼を広げ、

 森の王者キラーベアを抱えたまま、

 空中でドロルについてくる聖獣・窮奇。


 その異様な組み合わせは、街へ近づくほどに人々の視線を集め、

 やがて街の門前は、息を呑む者たちで埋め尽くされた。


 ---


◆ 門前の静寂、そして恐怖


 ドロルが門の前に到着すると、

 窮奇もその後ろに静かに降り立った。


 地面がわずかに震えた。


 住民、冒険者、衛兵――

 誰もが固唾を飲んで見守っていた。


「……あれが窮奇……?」


「キラーベアを抱えてるぞ……」


「街が滅ぶ……?」


 誰も声を出せず、ただ見ていた。


 その静寂を破ったのは、門番の衛兵だった。


 ---


◆ 門番との口論、始まる


「お前は冒険者のドロルだよな。

 後ろの窮奇はなんだ?」


 ドロルは淡々と答えた。


「ああ、俺の従魔になった。

 これから冒険者ギルドで従魔登録する。

 それと、キラーベアを狩ったから買取してもらう予定だが、何か?」


 門番は目をひんむいた。


「な、何かじゃないぞ!

 聖獣を従魔にしたなんて聞いた事がない!」


 もう一人の門番が怒鳴る。


「そうだ!

 こんな騒ぎを起こしやがって!」


 ドロルは肩をすくめた。


「俺が騒ぎを起こしたって?

 心外だなぁ」


 門番は苛立ちを隠さず言った。


「領主様に確認するから待ってろ!」


「領主!?

 すぐに確認できるのか?

 いつまで待たされるんだよ」


「領主様はお忙しいから、すぐには無理だろうな」


 ドロルは大きくため息をついた。


「はあ!

 キラーベアが腐っちまうよ」


 門番とドロルの口論は続いた。


 ---


◆ “鋼鉄の光”の四人、登場


 冒険者達の中から、

 四人の男が歩いてきた。


 剣士アガルド、槍士バルド、弓士レミオ、斥候ジグ。

 かつてドロルに痛みで懲らしめられ、

 冒険者の基礎を叩き込んだ四人だ。


「ドロルさんの従魔だったのですか……」

 アガルドは驚きながらも、どこか納得していた。


「何を揉めてるんです?」

 バルドが門番を見る。


「これから登録する従魔の入場を止められているんだ」

 ドロルが答える。


 レミオが眉をひそめた。


「おかしいな。

 そんな法律ないはずですけどね。

 そんなことしたら誰も新たな従魔契約ができなくなる」


 門番は怒鳴った。


「ばかな!

 聖獣だぞ!

 そこらの従魔と一緒にするな!」


 ジグは走り出した。


「ちょっとギルマスを連れてきます!」


 ---


◆ ギルドマスター・ダルト、登場


「おう!

 聖獣を従魔にしたんだって?

 この街のギルドの戦力が一気に上がるな!」


 豪快な声が響いた。


 ギルドマスター・ダルトが現れた。


「俺が冒険者ギルドのマスター、ダルトだ」


 門番が慌てて止める。


「ダルトさん、ちょっと待ってくれ!」


「いや、冒険者のことは冒険者ギルドに任せろ。

 従魔登録すれば何も問題ないはずだ」


 門番は焦りながら言った。


「いや、衛兵隊長のトルア様から、

 領主に確認を取るまで待たせろと言われて……」


 ダルトは舌打ちした。


「はあ……ジグ!

 受付嬢に言って今すぐ従魔の証を持って来い!」


「了解です!」


 ジグは走り去った。


 門番が怒鳴る。


「勝手なマネされたら困りまーー」


「煩い!」

 ダルトが一喝した。


 ---


◆ 衛兵隊長トルア、登場


「おいおい、街の門の前で騒がしいぞ。

 暫く牢屋に入ってみるか?あん?」


 衛兵隊長トルアが歩いてきた。


 ドロルはアガルドに聞いた。


「誰?」


「衛兵隊長のトルアさんだ」


「ふ〜ん、コイツが元凶か」


 トルアはドロルを見て鼻で笑った。


「で、どいつが聖獣様の主人だ?」


 みんなドロルを見る。


 トルアは目を細めた。


「はあ?

 このヒョロヒョロ坊主が窮奇を従えてるのか?

 本当に従えてるんだろうな。

 お前のランクはなんだ?」


「Eランクですよ」


 トルアは嘲笑した。


「馬鹿か!

 Eランクで聖獣を従属できる訳がねえ!

 詰所でじっくり聞こうか」


 ダルトが止める。


「おい、トルア、それはやりすぎじゃないか?」


「この街の門は俺達が守っているんだ!

 口を出すなダルト!」


 ---


◆ 従魔の証、そして“ざまぁ”


 ジグが戻ってきた。


「従魔の証を持ってきました!」


 ダルトは緑の布のリボンをドロルに渡した。


「ドロル、これを窮奇に付ければ問題なしだ」


 ドロルはアガルドに聞きながら、

 窮奇の首にリボンを巻いた。


 ダルトが言う。


「さあ、これで文句はないだろう、トルア」


 トルアは怒鳴った。


「勝手なマネするなよダルト!

 領主の許可が必要だ!」


 ダルトは冷笑した。


「その許可はいつ頃出るんだ?

 領主なら二〜三日待たせられるんじゃねえのか?」


「そうだな、それくらいはかかるだろうよ。

 その間は牢屋で待ってろ」


 トルアは弱そうなドロルを見て、

 どうとでもなると思って威圧した。


 ドロルは肩をすくめた。


「はあ?

 何言ってんだ。

 分かった、分かった。

 もう街には入らねぇ」


 そしてアガルドに言った。


「アガルド!

 この熊を冒険者ギルドに買取させて、

 代金を後で送れ」


「はい!承知しました!」


「ちょっと待て!!」

 ダルトとトルアが同時に叫んだ。


「どこに行く?」

 ダルトが聞く。


「ダンジョンがある街に行くよ」


 ダルトは地図を渡した。


「ならギエラだな。

 地図を持って行け」


 トルアが怒鳴る。


「何勝手なマネをしてやがる!

 領主様の確認まで待ってろ!」


 トルアがドロルに迫ろうとした瞬間――


 窮奇が割って入った。


「おい!

 主人がもう入らないって言ってるんだ。

 文句があるのか!」


 トルアは震えた。


「えっ……聖獣が喋った……」


 ドロルは窮奇の背に飛び乗った。


「じゃあな!」


 そして捨て台詞。


「衛兵隊長のトルアさん。

 明日から酷い頭痛に悩まされると思うよ」


 窮奇が空へ舞い上がる。


 剣士アガルド、槍士バルド、弓士レミオ、斥候ジグは、苦笑いを浮かべて見送った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。