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ヒロインズ・リンク 〜戦隊ヒロインプロジェクト〜  作者: スパイク
プロローグ

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83/668

遠州の勇者、美音よ…餃子の煙に消える人気よ』 ──ズレた恋とズレた企画は東海の風に乗って──

東海地方随一のおしゃれスポット、名古屋・オアシス21。

中部の夜景を背に、遥広報官と隼人司令補佐官は、昼ドラの続きみたいな甘いムードでデート中だった。


が。


隼人司令補佐官がふと立ち止まり、空を見上げ、

「遥さん……思いつきました」

と、あの“ズレたひらめき”の目になった。


遥広報官はピンときた。

「また……?」

「はい。美音さんが浜松餃子を100人前焼ききるチャレンジ。

 これで美音さんの武勇伝がひとつ増えるはずです」


どこにそんな必然性があるのかは誰にもわからないが、

遥広報官は妙に乗り気になる。

「いいねそれ!浜松出身だし!浜松餃子だし!美音ちゃん器用だし!」

(※なお、美音は料理が得意とは言っていない)


こうして、次の週。


会場は岐阜県各務原市のショッピングモール。


ステージ中央に鉄板が用意され、美音がエプロン姿で登場すると――

場内から歓声があがった。

「美音ちゃんが焼く餃子!?」「絶対うまいやつ!」


美音は凛と宣言した。

「皆さん、遠州の勇者として……100人前、焼ききります!」


焼いた。

焼いた。

焼いた。

とにかく焼いた。

ハーモニカも吹かず、敵も倒さず、ただひたすら餃子を焼いた。

その姿は、勇者というより、ただの“戦場キッチンの職人”だった。


結果、餃子は飛ぶように売れ、大盛況。

しかし問題はここからだった。


イベント終了後のサイン会。

美月、美音、綾乃、彩香、あかりの5名並んで座る。

他の4人には長蛇の列、しかし――


美音の列だけ、

スカスカ。


前を通った子どもが母親に聞いた。

「ママ、あの人なんで餃子焼いてたの?」

「知らないわねぇ……」


かわりに売れたのは、

美音の横に積まれた**冷凍浜松餃子(20個入り700円)**ばかり。


美月ぼそっ

「……美音より餃子のほうが人気やん」

彩香

「おい美音、次は“焼き鳥100本”にしたらええんちゃう?」

綾乃

「人気と餃子は別腹どすなぁ……」

あかり

「餃子、おいしーーー!!」

(※試食を無限にして怒られた)


遥広報官は頭を抱えた。

(なんで…?あんなにがんばってたのに…?)


隼人司令補佐官は静かに結論をつぶやいた。

「……美音さんは完璧すぎるので、

 餃子のほうが親しみやすいのかもしれませんね」


こうして、

「美音の餃子イベント大成功!

 美音本人の人気は現状維持!」

といういつもの結果に落ち着いたのであった。


次のデートで、またズレた企画が生まれることを、

ヒロイン達はまだ知らない。

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