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ヒロインズ・リンク 〜戦隊ヒロインプロジェクト〜  作者: スパイク
プロローグ

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遠州の勇者、美音 ──強すぎる女はなぜか人気が出ない

東海地方の巨大ショッピングモール「SUNNY PLAZAみなも」。

今日の特設ステージには、美月・彩香・綾乃・あかり、そして新星・河合美音が揃っていた。


美音が奏でるハーモニカの音色は会場を支配し、老人は涙し、子どもは静まり返った。

美音のパフォーマンスは圧倒的で、完璧だった──完璧すぎた。


その後のフリートークでは、

「戦闘とは倫理的実践であり──」

などという優等生コメントを炸裂させ、会場の空気は

“ポカーン”

の嵐。


サイン会でも、美月たちの長蛇の列に対して

美音の列だけ3人。

しかも全員、別の列と勘違いしただけ。


遥広報官

「美音ちゃん、なんであんなにすごいのに人気が出んだら……」


隼人補佐官

「完璧すぎると、人は『近寄っていいのかな』と感じてしまうんです」


そこへ波田司令長官がべらんめぇ調で乱入した。


「お前ら、阪急ブレーブスって知ってっか?」


ヒロイン全員「……?」


司令長官は腕を組み、妙に熱っぽく語り始めた。


「昔な、プロ野球に“阪急ブレーブス”って球団があったんだよ。

 とにかく強ぇ! ちょっとやそっとじゃ負けねぇ!

 エースが投げりゃ勝つし、打線はそつがねぇ、守りも鉄壁!」


美月

「強いんはええことやん」


司令長官

「ところが…強すぎて人気が出ねぇんだよ!」


綾乃

「強いのに、人気が無い……?」


司令長官

「そう! 隙が無いと“応援する余地”が無くなるんだよ!

 勝って当たり前、ミスもしねぇ。

 だから観客は『まぁ今日も勝つだろ』で盛り上がらねぇ!」


彩香

「美音と一緒やん!」


司令長官

「そういうこった!

 美音は完璧すぎて、みんな“手が届かない存在”に見えちまう。

 阪急ブレーブスが“強いけど人気が無い球団”だったようにな!」


美音は少し肩をすくめて微笑んだ。


司令長官は指をさし、美音を称えるように言った。


「だがな……忘れんな。

 阪急ブレーブスの“ブレーブス”って言葉は“勇者”って意味だ。

 美音、お前も同じだ。

 **浜松の勇猛果敢な“遠州の勇者”**なんだよ!」


美月

「ブレーブス=勇者、美音=遠州の勇者……繋がったで!」


彩香

「なんか美音、急にカッコよく見えてきたわ」


綾乃

「最初からカッコよろしおすえ……」


美音は照れながらも、

その“勇者”という言葉をしっかり胸に刻んだ。


完璧すぎて人気が出ない女。

でも、強さと勇気は本物。

戦隊ヒロインとして、これからようやく“人の心に近づく物語”が始まる。

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