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ヒロインズ・リンク 〜戦隊ヒロインプロジェクト〜  作者: スパイク


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ヒロ九クエスト 第9話 雨の坂道、大歓声の渦へ ― 長崎、奇跡の夜に“主役”が生まれる ―

長崎の空は、今日も静かに泣いていた。

細かな雨が石だたみを濡らし、坂道に光を落とす。

港には淡い霧がかかり、どこか遠くの時代の記憶を呼び起こすような、そんな夜。


だが――その雨をものともせず、

市内の総合体育館は熱気に包まれていた。


かつてトップリーグの試合も開催されたその場所に、

今夜は“別の主役”たちが集まっている。


「戦隊ヒロインサミット長崎」――開幕。


「さあさあ寄ってらっしゃい見てらっしゃい!」


開幕早々、会場に響き渡るのは、妙に威勢のいい声。


濃尾の秘密兵器・伊吹真白が、天秤棒を担いで現れる。


「戦隊ヒロイングッズもいいけどねぇ!この亀の子たわし、長持ちするよ!」


「なんでやねん!!」


美月のツッコミが炸裂。


だが観客は笑う。


「ゴムひも一本で生活変わるからねぇ!」


「変わらへんわ!!」


会場、完全に掴まれる。


続いて登場するのは、香澄と函館の瑠璃のWMC。


「今日はよう来てくれました〜!」


「長崎も素敵な街ですね」


熊本弁と、落ち着いた案内口調のコントラストが絶妙だ。


瑠璃はふっと微笑みながら言う。


「函館と同じ港町でも、長崎にはまた違った異国の香りがありますね。とても気に入りました」


ちょっとおしゃれな一言


「おお〜!」と客席から感嘆の声。


そこからは怒涛の展開。


西日本の主力ヒロインたちが登場し、

東日本の人気メンバーが加わり、

ヒロヒロ勢まで乱入。


さらにヒロ九メンバーも合流し――


完全にカオス。


「多すぎるやろ!!」

「誰が仕切っとんねん!!」

「知らん!!」


だが、盛り上がる。


良い意味で制御不能。

それがこのステージの魅力だった。


そして、空気が一変する。


菜々子が前に出る。


「本日、もう一人紹介したい方がいます」


照明が少し落ちる。


雨音が遠くに聞こえる気がした。


現れたのは――


黒髪ツインテールの少女。


片淵栞奈。


その瞬間。


「おおっ!!」

「栞奈ちゃんや!」

「みなと日和の子やろ!」


会場が沸く。


地元民の認知度が、桁違いだった。


「栞奈頑張れー!!」


声が飛ぶ。


栞奈は、静かに一礼する。


派手さはない。

だが、その所作には無駄がない。


落ち着き、気品、そしてほんの少しの強さ。


ただの美少女ではない


紹介が進む。


17歳、地元長崎の高校生。

ヒロイン加入は内定段階。


「正式加入は18歳以上となります」


菜々子の説明。


ここで――澪。


「ねえ、いつも思うんだけどさ……なんで18歳以上なの?」


会場ざわつく。


「しかも上限ないんだよね……三十路のヒロインいるし」


みーちゃん方向にチラ見するみーちゃんを照らすライトが妙に眩しい。


澪、さらに畳みかける。


「あとさ、高田美雪さんなんかは3X歳……」


一瞬止まる。


「あっ、永遠の24歳だった……知らんけど」


“わざと感満載”のボケ


「国家機密ばらさないでー!!」


沙羅のツッコミ。


会場、爆笑。


だが栞奈は、動じない。


小さく微笑み、静かにその場を受け止める。


この余裕


そして並ぶ――


戦隊ヒロイン屈指の美少女、陽菜。


二人が並んだ瞬間、


会場がどよめく。


「……絵になるな」

「やばいなこれ」


ビジュアルが事件


続く表彰コーナー。


香澄が突然言う。


「敢闘賞は私です!」


場が一瞬止まる


美月と梨乃が、わざとらしくズッコケる。


爆笑


そして。


「MVPは……」


間を取る。


「栞奈ちゃんでーす!!」


拍手が、波のように押し寄せる。


現れる謎の役職。


コミッショナー・ノムさん。


「おめでとうございます!」


渡されたのは――


・麗奈ちゃんプリペイドカード500円分

・戦隊ヒロイン手ぬぐい


絶妙にしょぼい


だが栞奈は。


「ありがとうございます」


満面の笑みで受け取る。


その姿を見て、


遥室長、隼人補佐官、菜々子――


全員が同じことを思う。


「この子は……本物だ」


外は雨。


石だたみは濡れたまま。


だが会場の中は、熱と笑いで満ちていた。


長崎は今日も、雨だった。


けれど――


その雨の中で、確かに生まれたものがある。


■一言まとめ


「雨の街が選んだのは、“静かに輝く主役”だった」

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