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ヒロインズ・リンク 〜戦隊ヒロインプロジェクト〜  作者: スパイク


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1204/1265

本人見てるで!?――河内のスピーカー、美月「RINKA MODE」に潜入! 女王陛下・土屋凜花、御殿場デビュー前夜

土屋凜花。


二十四歳。


静岡県沼津市出身。


元アイドル。


現役イベントコンパニオン。


そして。


つい先日。


戦隊ヒロインになった。


国家特務戦隊ヒロイン中央研修複合学習センター富士川分室――正式名称を最後まで言える人間がほとんどいないので、関係者全員が普通に「富士川分室」と呼んでいる――での研修成績は、ほぼ文句なし。


体力。


優秀。


身体操作。


優秀。


接遇。


優秀。


危機対応。


優秀。


イベント対応。


もはや教える側。


戦闘基礎も、ダンスで鍛えた長い手脚と優れた体幹のおかげで飲み込みが早い。


すみれコーチと堀井琴葉から、


「もう新しく教えること、ほとんどないな」


とまで言われた。


唯一。


評価表の端に小さく。


集団行動・協調性――要観察。


そう書かれていたことを除けば。


完全な即戦力。


そして。


いよいよ。


戦隊ヒロイン・土屋凜花のデビューステージが決まった。


所属は。


ヒロ室東海(仮称)。


仮称。


なのに。


正式名称。


である。


何度見ても。


意味。


分からない。


隼人補佐官ですら、


「経緯については説明を控えます」


と言っている。


会場。


静岡県御殿場市。


富士山の麓に広がる。


国内有数の巨大アウトレットモール。


富士山を間近に望みながら、国内外の人気ブランドを一日かけても回りきれないほど楽しめる。


広々とした敷地。


洗練された街並み。


レストラン。


カフェ。


家族向け施設。


眺望。


買い物だけの場所ではない。


一日まるごと遊べる。


富士山麓の巨大ショッピングリゾート。


休日ともなれば。


首都圏。


静岡県内。


山梨。


神奈川。


さらに外国人観光客まで。


人。


人。


人。


その大舞台で。


人気アイドルユニット。


ダンスグループ。


ご当地タレント。


企業ステージ。


さまざまな出演者が入れ替わり登場する大型イベントが開催される。


そこへ。


ヒロ室東海(仮称)。


出演。


そして。


新人。


土屋凜花。


戦隊ヒロインとして初登場。


普通なら。


新人。


緊張。


する。


凜花。


イベント概要。


見る。


「観客、多いんですか?」


隼人。


「かなり多いと思います」


「ステージも大きい?」


「はい」


「メディア取材は?」


隼人。


凜花を見る。


「入る可能性があります」


凜花。


一瞬。


目。


輝く。


でも。


新人。


まだ。


ヒロ室。


猫。


かぶっている。


「そうですか」


涼しい。


隼人。


資料へ。


視線。


戻す。


心。


思う。


絶対うれしい。


さらに。


御殿場。


凜花にとって。


特別。


沼津。


地元。


同じ静岡県東部。


駿東地域。


戦隊ヒロインになって最初に人前へ立つ場所が、自分の生活圏に近い。


凜花。


そこは。


素直。


「最初のステージが御殿場で良かったです」


「地元に近いですからね」


「はい」


少し。


笑う。


「東京で先にお披露目されるより、静岡東部の人に最初に見てもらいたいので」


本心。


でも。


土屋凜花。


なので。


もう一つ。


本心。


ある。


地元で派手にデビューしたら気持ちいい。


それも。


確実。


ある。


一方。


赤嶺美月。


少し。


気になっていた。


先日。


新橋ヒロ室。


初対面。


土屋凜花。


物凄い。


美人。


小顔。


長い黒髪。


イベントコンパニオンらしい長身。


スレンダー。


脚。


長い。


元アイドル。


だから。


笑えば。


意外。


あどけない。


しかも。


礼儀正しい。


「まだ新人ですので、よろしくお願いします」


深々。


頭。


下げる。


自分。


真央。


同時。


しゃべる。


でも。


嫌な顔。


しない。


二十分。


耐える。


最後。


「できれば一人ずつお話しいただけると助かります」


丁寧。


美月。


思う。


「別に普通にええ人やん」


ところが。


イベントコンパニオン業界。


話。


どうも。


違う。


なら。


直接。


聞く。


相手。


大宮麗奈。


戦隊ヒロイン仲間。


現役。


人気イベントコンパニオン。


しかも。


美月。


麗奈。


普段から。


仲。


良い。


美月。


スマートフォン。


開く。


SNS。


『麗奈さん。今度戦隊ヒロインに加入する凜花さんって、イベントコンパニオンらしいけどご存じですか??』


返信。


早い。


『凜花? 知ってるよ』


美月。


『どんな人なん?』


少し。


間。


返信。


『私は苦手』


美月。


声。


出る。


「うわ、いきなりやな!」


麗奈。


普段。


高飛車。


である。


自信。


ある。


自分。


美人。


知っている。


でも。


だからといって。


仲間。


悪く。


言うタイプ。


ではない。


むしろ。


気の強さ。


割に。


他人。


悪口。


少ない。


その麗奈。


『多分あの子、自分だけ目立てればいいんだと思う』


続く。


『戦隊ヒロインってチームワーク大事なんでしょ?』


『向いてないんじゃないかな』


美月。


眉。


上がる。


さらに。


『イベントコンパニオン仲間にも聞いたことあるけど、あの子、同業の友達ほぼいないらしいよ』


『休憩室でもいつも一人だって』


美月。


「そこまでなん?」


返す。


『そんな評判悪いん?』


麗奈。


『良くはないね』


『集合写真なら真ん中に行きたがる』


『ステージなら一歩前へ出る』


『MC振られてなくても、自分が話せそうなら入ってくる』


『前に一緒だった時も、立ち位置決まってるのに、“私こっちの方が映えるから”って動こうとしてた』


美月。


「うわぁ……」


確かに。


困る。


戦隊ヒロイン。


誰が。


一番。


目立つ。


ではない。


状況によって。


主役。


変わる。


仲間。


立てる。


必要。


ある。


新人が。


勝手に。


前。


出る。


困る。


でも。


麗奈。


そこで。


『ただ、仕事はめちゃくちゃ真面目だよ』


美月。


「どっちやねん」


麗奈。


『そこは別』


イベント前。


企業側。


説明会。


スタッフ。


何人も。


座る。


凜花。


一番前。


ペン。


資料。


真剣。


聞く。


疑問。


あれば。


すぐ。


質問。


『この商品名の読み方、こちらで統一ですよね?』


『このキャンペーンは何時から案内可能ですか?』


『競合商品の名前は出さない方がいいですか?』


そういう。


確認。


誰より。


する。


麗奈。


『クライアントからの受けは凄くいいと思う』


『説明中にスマホ触ったりしないし、商品知識もちゃんと頭に入れるし』


『あれだけの美人で目立つしね』


さらに。


『元アイドルだから愛想もある』


『クールな顔だけど笑うと意外にキュートだから、客ウケもいい』


美月。


『ほな仕事できるやん』


『できるよ』


『だから余計めんどくさいの』


美月。


「辛辣やなぁ」


麗奈。


そして。


少し。


公平。


『まあ、やっかみはあると思うよ』


『あれだけ顔が整ってて、スタイル良くて、元アイドルで、仕事もできて、クライアントから指名取れたら気に入らない子もいるでしょ』


そこまで。


フォロー。


して。


最後。


『でも私は苦手』


美月。


笑う。


「そこはブレへんのかい!」


スマホ。


閉じる。


腕。


組む。


麗奈。


ここまで。


言う。


珍しい。


でも。


新橋。


凜花。


そんな感じ。


なかった。


美月。


考える。


「もっと本人知らなアカンな」


美月。


なんだかんだ。


戦隊ヒロイン。


まとめ役。


自分でも。


そう。


認めている。


プロジェクト。


象徴。


みたいな。


扱い。


される。


新人。


来る。


仲間。


入る。


なら。


できるだけ。


馴染ませたい。


真央。


なら。


放っておいても。


しゃべる。


彩香。


なら。


最初。


厳しい。


でも。


面倒。


見る。


自分。


なら。


どうする。


その前。


凜花。


知る。


検索。


「RINKA MODE……これやな」


配信中。


タップ。


三秒。


美月。


黙る。


五秒。


首。


傾く。


十秒。


「……誰やこれ」


画面。


土屋凜花。


間違い。


ない。


でも。


新橋。


凜花。


涼しげ。


「よろしくお願いします」


今日。


画面。


長い黒髪。


完璧。


ライト。


顔。


少し。


傾ける。


目元。


甘い。


手。


ひらひら。


「りんか民のみんなぁ、ごきげんよう♡」


美月。


「りんか民?」


コメント。


《陛下ー!》


《ごきげんようございます》


《女王陛下今日も美しい》


《御意》


美月。


「陛下?」


凜花。


「今日もちゃんと王国に来てくれたんだぁ? えらい♡」


美月。


「王国?」


コメント。


《らぶりんか王国万歳》


美月。


椅子。


座り直す。


「らぶりんか王国ってなんや!?」


配信。


相手。


聞こえる。


わけ。


ない。


凜花。


さらに。


「今日も女王陛下だけ見ててね♡」


コメント。


《もちろん》


《凜花様しか見ません》


《忠誠を誓います》


美月。


「何の宗教やねん!」


コメント。


《納税します》


美月。


「税金まで取るんかい!」


凜花。


すぐ。


「勝手に納税しないで!」


美月。


一瞬。


「……そこは止めるんや」


凜花。


画面。


コメント。


読む。


時。


少し。


首。


傾ける。


「ん?」


上目。


「今日かわいい?」


コメント。


爆発。


《かわいい》


《最高》


《天使》


凜花。


「ほんとぉ? じゃあ、もうちょっと褒めてもいいよ♡」


美月。


「あざといなぁ!」


でも。


元アイドル。


うまい。


ファン。


何。


欲しい。


分かる。


声。


一段。


甘く。


する。


時。


女王様。


偉そう。


する。


時。


褒められて。


少し。


照れる。


演技。


する。


時。


全部。


絶妙。


美月。


「こら強いわ。ヲタ転がすん慣れすぎや」


その。


女王陛下。


急。


真面目。


「今日はね、りんか民のみんなに大事なお知らせがあります」


コメント。


《何?》


《結婚?》


《増税?》


《侵略?》


凜花。


「何で国家案件ばっかりなの!」


美月。


「お前が王国設定にするからや!」


凜花。


少し。


もったい。


つける。


「実はぁ……」


美月。


「早よ言え!」


凜花。


笑顔。


「戦隊ヒロインとしての初ステージが決まりました♡」


コメント。


爆発。


《うおおおお》


《ついに》


《陛下初陣》


《どこ?》


凜花。


「静岡県御殿場市です」


画面。


切り替わる。


簡単。


地図。


施設案内。


美月。


「え、資料まで作ったん?」


凜花。


イベントコンパニオン。


モード。


少し。


入る。


「会場は御殿場にある、とっても大きなアウトレットモールです」


「富士山がすごく綺麗に見える場所で、お店もほんとにいっぱい」


「国内外のブランドも揃ってるし、ご飯も楽しめるし、一日過ごせる場所です」


さらに。


「買い物に興味ないりんか民も、景色だけでもかなり楽しめると思うよ」


「晴れた日の富士山、ほんとに綺麗だから♡」


美月。


「ちゃんと施設アゲるやん」


凜花。


「あと、かなり広いからね」


「歩きやすい靴で来た方がいいです」


「女王陛下に会うからって、無理して履き慣れてない靴で来て足痛めたらダメだよ?」


コメント。


《優しい》


《陛下好き》


凜花。


「だって、せっかく来たのに痛い思いして帰るの嫌でしょ?」


美月。


少し。


「……細かいとこ気ぃ回るな」


次。


交通。


凜花。


「東京方面から来る人は、高速バスとか車が分かりやすいかな」


「御殿場駅まで電車で来て、そこからバスで移動する方法もあります」


「横浜方面とか静岡方面からもいろいろ行き方あるから、自分に合うルートをちゃんと調べてね」


そして。


人差し指。


「大事なのは、時間に余裕を持つこと」


「週末の御殿場、混むことあるからね」


「イベント開始五分前に駐車場着いて、“間に合わないよぉ凜花ちゃーん”とか言っても知りません♡」


美月。


「言い方!」


コメント。


《早く行きます》


凜花。


「よろしい♡」


さらに。


「あと、駐車場とか会場ではスタッフさんの指示をちゃんと聞くこと」


「りんか民が迷惑かけたら、女王陛下恥ずかしいからね?」


少し。


頬。


膨らませる。


「いい子にしてくれる?」


《します》


《御意》


《守ります》


美月。


「……人の扱いうまいなぁ」


いちいち。


あざとい。


でも。


言っていること。


まとも。


次。


凜花。


声。


急。


明るい。


「そしてぇ!」


画面。


手。


伸びる。


タオル。


出る。


戦隊ヒロイン。


土屋凜花。


応援タオル。


「見て見て♡」


頬。


タオル。


寄せる。


「私のグッズ、できましたぁ♡」


美月。


「出たな商売」


続いて。


缶バッジ。


「これ、かわいくない?」


アクリルキーホルダー。


「こっちはバッグにつけてほしい♡」


コメント。


《全部買う》


《陛下セットください》


《何個買えばいい?》


凜花。


待ってました。


顔。


指。


三本。


「ちなみに」


「らぶりんか国民憲章では、グッズ一種類につき三個購入が推奨されています♡」


美月。


「国民憲章まであんのかい!」


凜花。


一本。


「一つは実用用」


二本。


「一つは保存用」


三本。


「そしてもう一つは――布教用♡」


コメント。


《御意》


《3個買います》


《納税します》


美月。


「布教すな!」


凜花。


笑う。


そして。


すぐ。


真面目。


「でも本当に無理しちゃダメだよ?」


美月。


「ん?」


「これはあくまで“推奨”だからね」


「一個でも全然いいし、買わなくても、会いに来てくれたら私は嬉しいよ♡」


「生活費削ってまでグッズ買うのは禁止」


コメント。


《優しい》


《陛下尊い》


凜花。


「ちゃんとご飯食べてから推してね♡」


美月。


黙る。


ちょっと。


感心。


「……案外まともやな」


次。


コメント。


《新橋で美月に会った?》


美月。


「お」


凜花。


「会いましたよ」


《美月ってツインテールの子だよね》


凜花。


「そう」


《河内弁でやかましい子》


美月。


「誰がやかましいねん!」


《ちょっとオバちゃん気質》


美月。


立ち上がる。


「誰がオバハンや!!」


スマホ。


持つ。


コメント欄。


タップ。


高速。


入力。


本人見てるで。


送信。


ボタン。


指。


行く。


止まる。


「…………」


美月。


呼吸。


荒い。


「アカン」


もう。


一回。


画面。


見る。


「これ書いたら、ウチ見てるんバレる」


入力。


削除。


「今日は情報収集や。情報収集」


椅子。


座る。


「ウチ、大人やからな」


数秒後。


《美月ずっとしゃべってそう》


「しゃべるけど悪いか!」


また。


打つ。


本人見てるって。


止まる。


削除。


「ああもう!」


完全。


大阪のおばちゃん。


いや。


河内のスピーカー。


自宅。


一人。


スマホ。


相手。


キレる。


一方。


凜花。


コメント。


見る。


少し。


眉。


寄せる。


「ちょっと。りんか民」


美月。


止まる。


凜花。


「美月さんのこと変に言わないの」


美月。


「……お?」


《でもやかましい》


凜花。


「確かにすっごく元気だったけど」


美月。


「言い換えたな!」


《オバちゃん気質は?》


凜花。


一瞬。


顔。


下。


肩。


少し。


揺れる。


美月。


「今笑ったやろ!!」


凜花。


顔。


戻す。


「笑ってません」


美月。


「絶対笑った!」


コメント。


《陛下笑ってる》


凜花。


「もう!」


でも。


すぐ。


「私、戦隊ヒロインとしては新人なんだから」


「美月さんも真央さんも、すごく歓迎してくれたし」


「分からないこともいろいろ教えてくれました」


「だから、失礼なこと書いちゃダメ」


美月。


怒り。


少し。


消える。


《凜花様と仲良くなれそう?》


凜花。


一瞬。


考える。


「私は仲良くしたいと思ってますよ」


美月。


スマホ。


じっと。


見る。


凜花。


「真央さんもすごく話しやすかったし」


《美月は?》


「美月さんも」


《一拍あった》


美月。


「あったな!」


凜花。


「うるさい♡」


美月。


吹く。


「お前も結構言うやん!」


しばらく。


雑談。


続く。


りんか民。


質問。


凜花。


答える。


《戦隊ヒロインになって美容時間減った?》


「減らさないよ。そこは努力する♡」


《戦闘で髪乱れたら?》


「任務中はそんなこと言ってられないでしょ」


《でも終わったら鏡見る?》


「見る」


美月。


「即答やな」


《美月とどっちが目立つ?》


凜花。


少し。


笑う。


「そういうの競うものじゃないでしょ?」


美月。


「おっ、えらいやん」


一秒。


凜花。


「まあ、負ける気はないけど♡」


美月。


「やっぱりや!」


コメント。


爆笑。


《女王陛下》


《通常運転》


凜花。


「だって、どうせ人前に立つなら最高の状態で出たいじゃない」


ここ。


急。


本気。


「手を抜いて、“新人だからこんなものでいいよね”って思われるの、一番嫌だから」


美月。


少し。


表情。


変わる。


これ。


麗奈。


言っていた。


仕事。


真面目。


そういう。


部分。


配信。


終盤。


凜花。


少し。


姿勢。


正す。


あざとい。


女王陛下。


トーン。


少し。


落とす。


「あと、最後に」


「今回が、私にとって戦隊ヒロインとして初めてのステージです」


コメント。


流れ。


少し。


遅くなる。


「イベントコンパニオンでは、企業さんの商品を一番よく見せることが仕事でした」


「アイドルだった頃は、ステージを見てくださる皆さんを楽しませることが仕事だった」


美月。


黙って。


聞く。


「今度は戦隊ヒロインとして立ちます」


「まだ正直、戦隊ヒロインとして何が正解なのか、全部分かってるわけじゃないです」


凜花。


カメラ。


真正面。


見る。


「でも、他の戦隊ヒロインの皆さんと一緒にステージに立てるのは楽しみにしています」


美月。


少し。


眉。


上げる。


「せっかく仲間に入れてもらったんだから、ちゃんと良いステージにしたいです」


麗奈。


言った。


自分だけ。


目立ちたい。


凜花。


言う。


仲間と。


良いステージ。


作りたい。


どっち。


本当。


なのか。


多分。


両方。


そして。


凜花。


少し。


笑う。


また。


女王陛下。


戻る。


「それから、りんか民のみんなには……」


カメラ。


少し。


近づく。


首。


傾く。


美月。


「来るぞ、あざといの」


凜花。


「“凜花ちゃん、戦隊ヒロインになって良かったね”って、思ってほしいな♡」


コメント。


《思う》


《絶対思う》


《尊い》


凜花。


両手。


胸。


前。


小さく。


合わせる。


「だから、ちゃんと良いところ見せられるように頑張るね」


間。


目。


少し。


細める。


「……見ててくれる?」


《見る》


《絶対見る》


《御殿場行きます》


凜花。


笑顔。


「よろしい♡」


美月。


画面。


見たまま。


しばらく。


黙る。


配信。


続く。


凜花。


「じゃあ御殿場で会おうね」


「来られないりんか民も、ちゃんと応援しててね♡」


手。


振る。


「ごきげんよう♡」


配信。


終了。


画面。


暗い。


美月。


スマートフォン。


持ったまま。


「…………」


麗奈。


嘘。


言ってない。


土屋凜花。


確かに。


目立ちたがり。


どころ。


ではない。


らぶりんか王国。


自分。


絶対君主。


ファン。


りんか民。


グッズ。


三個。


推奨。


褒めて。


欲しい。


見て。


欲しい。


注目。


欲しい。


ものすごく。


欲しい。


でも。


イベント。


下調べ。


きっちり。


している。


交通。


説明。


する。


混雑。


注意。


する。


スタッフ。


指示。


守れ。


言う。


グッズ。


売りたい。


でも。


無理。


させない。


仲間。


悪く。


言われれば。


止める。


そして。


戦隊ヒロインとして。


良いステージ。


作りたい。


言う。


美月。


ぽつり。


「……凜花さん、麗奈さんが言うてた人とはちょっと違うな」


少し。


考える。


「いや」


麗奈が。


知っている。


凜花。


多分。


本物。


今。


自分。


見た。


凜花。


これも。


本物。


「一個だけの性格で説明できへん人なんやろな」


そして。


美月。


ニヤッ。


笑う。


「おもろそうやな」


結局。


そこ。


赤嶺美月。


気。


強い。


自我。


強い。


しゃべる。


目立つ。


人。


嫌い。


ではない。


むしろ。


面白い人。


好き。


スマホ。


置く。


「まあ、実際に一緒にステージ立ったら分かるやろ」


その頃。


沼津。


配信。


終わった。


凜花。


リングライト。


消す。


さっき。


「見ててくれる?♡」


と。


言っていた。


女王陛下。


鏡。


見る。


表情。


クール。


戻る。


髪。


毛先。


確認。


御殿場。


イベント。


進行表。


開く。


人気アイドルユニット。


ダンスグループ。


地元タレント。


戦隊ヒロイン。


出演者。


多い。


その中。


自分。


名前。


ある。


土屋凜花。


戦隊ヒロインとして。


初。


ステージ。


凜花。


少し。


笑う。


「……最高のデビューにしないとね」


一拍。


そして。


誰も。


いない。


部屋。


本音。


小さく。


「まあ、一番目立てたら最高だけど♡」


麗奈。


心配。


当たる。


か。


美月。


感じた。


別の凜花。


現れる。


か。


富士山。


麓。


大観衆。


人気アイドル。


カメラ。


そして。


大量。


りんか民。


舞台。


整った。


次。


いよいよ。


戦隊ヒロイン・土屋凜花。


デビュー。


である。

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