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4.ケセド

「ニートの単語はイギリス製の造語なんだって、日本のじゃなくて。今こそニート大国日本の巻き返しの時じゃないの?」

「……ニートなベルちゃんは嫌いです」

「ニートなベルちゃんが嫌い? 結構、じゃあますます嫌いになっちゃいかもねー? まあまあ座布団どうぞー……」

 ……あまりのだらけ具合に呆れ顔のボクを他所に、超余裕なベルちゃんだった。

「一番問題児なのは…………満場一致でベルちゃんです」

 決心したボクはいっこうにパソコンの前から離れようとしないベルちゃんを後ろから持ち上げた。非力なボクでも軽々と持ち上がるほどに、ベルちゃんは小さかった。

「……なにするつもりなの」

「ほら、天気のいい日ぐらい外に出ないと大きくなれませんよ」

「放して出雲ー! ベルちゃんは外に出たくないのー!」

 ……ボクに持ち上げられて……もしくは高い高いされて……喜ばない幼い子は居なかったんですけどねぇ……



「……カードショップ? って、噂には聞いてたけどマジにTAP (タッパー)にデッキ入れてるし……」

 店の外から中を見ているベルちゃんの手を取り、マンモンさんに紹介された店に入った。

「ヒャーッハハハ! 汚物モンスター消毒デストロイだァー!」

 トゲトゲな肩パッドをつけてテンション高く相手のカードを墓地送りにするプレイヤーや……

「先行もらいます、ダーツ撃ちます……(中略)……ダイレクトします」

 カードゲームはカードゲームでもポーカーをするプレイヤーやら……

「ドロー、スペルカード! ドロー! ……あ、何回か繰り返します」

 テンション高く何かの物まねをするも相手の白い目に気づき物まねをやめたカードゲーマーや……

「……こんなにもモンス破壊が厳しいのなら愛などいらぬ……防御札などいらぬ……!」

 肩パッドをつけていつかどこかの世紀末からやってきたようなカードゲーマー……

「何!? 手札0では動けないのではないのか!?」

 ……カードゲーマーでも理解できないような相手の動きに翻弄されているカードゲーマーがいた。

「ねぇ出雲……ベルちゃんをこんな世紀末に置き去りにしてどうするつもり? 世紀末ヒャッハーたちの慰み者にでもなれっていうの?」

「……まさか、そんなハズはないよ。確かにまえより少し世紀末っぽいけど」

「おいおいおいおい! とんだ張り切りガールたちがやってきたじゃねぇか!」

「ベルちゃんの引きこもりを治すために来るような場所じゃありませんでしたね……とりあえず撤退しましょう」

「うんそうだね撤退したほうがいいよね、とりあえず撤退して部屋に引きこもったほうが」

「それじゃ駄目だよーっと!」

 逃げようとしたボクたちは後ろから突き飛ばされるようにして店の中に押し込まれてしまった。

 僕たちを押し込んだ犯人……マンモンさんでした……は腰に手を当てて僕たちを見下ろしていた

「よしっと……出雲君もベルちゃんも、何のために今日このカードショップへと……フリーの時点で世紀末になるとわかりきってるこのカードショップに来たのかわかってないのかなぁ? 半端な気持ちじゃあ、ミジンコよりも早く淘汰されちゃうのにねェ」

「すごく帰りたいという気持ちでいっぱいなんですけど……なんなんですか、この……ちょっと殺伐とした空間は」

「出雲、これがちょっと殺伐とした空間なら、出雲の中では世紀末が和気藹々としているの?」

「しばらく来てなかった出雲君が驚くのも無理はないかなぁ。今日はちょっと特別な大会なんだよ。なにせ……全国大会の店舗予選も兼ねているならね。カードゲームに命かけてる最低野郎(ボトムズ)共が今日は遊びの一切ないバトルを繰り広げるんだ。だから……隙を見せたら一瞬で呑まれちゃうよ?」

 そしてボクたちの手にデッキを手渡した後、マンモンさんは大会の受付にむかった。

 大会までの時間を潰すため、たまたま目についたショーケースを、その中にある最低でも500円程、平均で1000円や2000円程度の高額なカードを見ていることにした。

「……あ、懐かし……って600円!? あれ、ボクが引退する前ってこのカード精々100円が相場だったような……」

「まあ……稀に良くあるからね、そんな感じで昔のカードが高騰するの。ベルちゃんにも覚えがあるし、たまにそれで小金儲けたりしてるし」

「……ベルちゃん、たまに外に出かけたりしてたんだね」

「出雲、ネットショップという手があるんだけどね」

 やっぱりベルちゃんはこういうときでも一切ブレることはなかった。


 大会の結果なのですけど、初戦で変わった口調の女性に負けました。トーナメント2本先取のマッチ戦だったのですけど、ギリギリのところで逆転されて負けました。

「ベルちゃんは一回戦どうだったの?」

「超余裕で勝ったけど? 例えるなら、瀕死のエージェントが近接武器一本で並み居るゾンビを蹴散らして組織を壊滅させるくらいに超余裕だったけど?」

「……余裕なの、それ?」

 エージェントがセガールもしくはセガール相当の戦闘力の持ち主なら超余裕かもしれないけど、そうでないなら限りなく不可能に等しいだろう。


 ちなみにこの後、変わった口調の女性にベルちゃんもマンモンさんも負けて、優勝を持ってかれましたとさ。楽しかったからいいですけど。

カードゲームネタが続きましたが、次回からはいつもの路線に戻します。和久名が趣味に走りすぎましたことを深くお詫びもうしあげます


ワグナーbot始めました

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