七十話 ミツキエイジ
最後の審判から月日は過ぎていった……。
代行者となった俺達は〝ミツキエイジ〟と名乗ることになった。俺はこの名前を気に入っている。ずっと一緒だった影慈とこれからも一緒にいられるように感じるからだ。
執行者となった綾島は〝ユウカ〟、比賀は〝ヒガ〟と名乗っている。二人とも執行者として日々忙しく務めを果たしている。
思っていた以上にマナ管理というのは大変だ。マナの綻びの調査、修復。過剰なマナの発生、減少による〝マナ災害〟も起こる。それらを事前に防いだり、フォローをしていくことも務めだ。
そして、代行者である俺達はバロンスであるメフィの手が回らない部分のフォローをしている。務めには様々なものがある。マナバランスの調整、罪の裁定、定期的な天界、魔界の見回り、大規模なマナ災害の調査などだ――。
今日は太平洋で群発的に発生した、大規模なマナ災害の調査に向かう。
(影慈、今日も務めだな。頑張ろうぜ!)
(うん、頑張ろう。それにしてもメフィさんって結構〝代行者使い荒い〟よね。今回のこともかなり急に決まったし)影慈は笑っている。
(はは。たしかにな。メフィさんって会うまでと会ってからでギャップ結構あるよな。まあ、面白い天使……バロンスだからいいけどな)
(そうだね。良い天使でよかった。あとは、メフィさんの師匠のルシフさんが早く解放されるといいね)影慈は待ち遠しい様子で声を出す。
(だな。ルシフさんの功績を考えると、いつまでも牢獄に入れとくのはもったいないくらいの天使だからな……。まあ、そのあたりはメフィさんが絶対何とかするだろう)
(うんうん。あ、そろそろマナ災害が群発発生した場所に着くね。一緒に調査頑張ろう!)
(おう! いこうか影慈……!)――。
ミツキエイジとして務めを果たすことで地球が、人類が少しでも良くなる。これからも地球を守ることになる。
――願わくは人がお互いに理解し合えて、優しい世界になりますように――。




