マインなんとか、とかテ○リアとかののり
今日は家を作ろう。
朝ご飯を食べ終えて、食器代わりの石や魚の骨を洗い終えた後、草原の一角に向かう。
生活に使う道具や、この辺りの地理の把握、やらないといけない事は多いけれど、安心して眠れる所の確保は急務だと思える。
昨晩だって、起きてからは寝ていないし、何の対策もしなければ、これから毎晩、焚き火のそばで起きたまま一晩明かす事になるだろう。
良くマンガや小説である、周囲を警戒しながら寝て、危険が迫ったら素早く起きるなんて器用な真似がボクにできるとは思えない。
昼間に眠るとしても、モンスターが襲ってくる可能性がある以上、安全な選択肢ではない。
このままでは睡眠不足になって、重大な失敗を侵しかねない。
ここはやっぱり安心して眠れる家を造るしかない。野宿は嫌ですよう。
壁を作ろう、その1
ボクは、草原の真ん中辺りまで来ると、周囲の草花を風属球で刈り取り吹き飛ばし、場所を確保する。
そして、土属球を作り出すと、出来上がったスペースの一角へと飛ばす。
そして、土属球が大地に触れると、ポンと、軽い音がして、後には、土でできたサッカーボールくらいの大きさの小山が出来上がっていた。
そして、再び土属球を作り出し小山に当てると、さらに土が盛られる。
それを何度も繰り返して、身長を超えるくらいの山になった辺りでふと気づく。
(これでどうやって、家を作ろう?)
家を作ると言う目的と、取り敢えず土属球を使って見ようと考えで、土を山盛りにしてみたが、どうにも、家が作れそうな雰囲気になりそうにない。
このままでは、良くて縦穴式住居か、土で作ったカマクラの家が出来上がるのは確実だ。
さすがにそんな所に住みたくはないし、モンスターが来て軽く触れられただけで壁が砕けそうだ。
壁を作ろう、その1
無計画に始めたため失敗。
壁を作ろう、その2
さすがに鋼鉄とまでは言わないが、家の壁はそれなりの強度があって欲しい。
(土属性の魔法で岩を打ち出す魔法とかあったはずだから、土属球を応用して石を作れないだろうか?)
石なら強度も問題ないし、積み上げれば、それだけで家の壁になる。
ボクは、土属球を再び手の中に作り出すと、今度は、石でできた正立方体を作り出すイメージを込めながら、土属球へさらに魔力を送り込んだ。
ボクの魔力を受けて、ボクの身長の半分くらいまで大きくなった所で大地に放つ。
ポン、ドサッ。
シャボン玉が弾けるような軽い音の後、何か重いものが落下したような音が耳に届く。
見ると、イメージした通り、僕の身長の半分位の大きさの正立方体の岩が、土属球を放った所に、鎮座していた。
確証はなかったけれど、やってみたら案外簡単に成功してしまった。
ボクは、もう一度、同じように、土属球を作り出すと、岩の上に放つ。
ポン、ドサッ。
先程と同じ音が響き、先程作った岩の上に岩が積み上げられる。
後、2個ほど積み上げて、それを何回か繰り返せば、立派な壁が出来そうだ。
昔やった、マインなんとかってゲームを思い出す。
ボクは、気分良く岩を積み上げて行った。
さて、ここで、脳内のイメージと現実への出力の話をしよう。
例えば、頭の中に丸い円を思い浮かべたとしよう、そして、その円を実際に書き出すとする。
そして、イメージの中の円と実際に描いた円を見比べると、その違いに多くの者が愕然とするだろう、大きかったり、小さかったり、線が歪んでいたりと、イメージ通りに実物書けたと胸を張って言い切る事が出来る人物は、よっぽどの才能がある人物か、長年絵を描いている人物だろう。
同じように、平行な二本の線を手書きで描くとする、平行とは二本の線が永久に交わらないように全く同じ方向を向いている事だが、道具を使わなければまず、描くことが出来ない、下手をすると直線すらまともに書けない可能性がある。
このように、才能や、練習などをした場合を除いて、人間がイメージや、正確な物差しが無い状態で作り上げる物と言うのは、作りたかった物とは異なる事が多々ある。
つまり何が言いたいかと言うと。
(なんか岩壁が崩れそうなんですけど。)
ボクは、岩を縦に5つづつ、横に8つ並べた所で、積み上げた岩、もはや岩壁と呼べるそれの異変に気づく。
こちら側に今にも倒れてきそうなほど、岩壁が斜めに傾いているのだ。
元々、正確な正立方体の岩が上手く作り出せてはいなかったのだろう、最初に制作した岩も、ぱっと見ただけでは、完璧な仕上がりの様に思えるが、この場に計測器があったのなら、簡単にそれがイメージ通りのものとは少しズレていたと判明しただろう。それから、何度も岩を作成していくうちに、どんどんそのイメージも崩れてきていたのだろう、ちょうど今、最後に作り出した岩を改めて見ると、計測器など使わなくても見ただけで斜めに傾いていると判断できるほど歪んでいた。
(まあ、今すぐ崩れるってことはなさそうだ、でも、怖いから、ここには近づかないでおこう)
寝ている時に崩れてきたりしたら嫌すぎる。
壁を作ろう、その2
戦略的撤退。
壁を作ろう、その3
岩壁から離れたところで再び草を刈る。
家の壁材は岩でいいと思うけれど、一つ一つブロックを積み上げていくのは、安定性に問題がある。マインなんちゃら、というゲームの影響でこれで大丈夫だと思っていたけれど、現実は甘くない。
という事は、まるまる一枚の大きな岩壁を作れば良いだろう、でもそうすると、今度は大きすぎてバランスが取れそうにないな。
さすがに、妖怪ぬりかべみたいに岩で出来た大きい壁が倒れてきたら、さっき以上に恐怖だ。
先に縦穴を掘り、そこに岩壁を入れて足元を安定させようかな、もう、地面から直接岩の壁を生やした方が早いような気がする。
思いついたので早速やってみる。
「はっ!!」
某錬金術士の様に地面に両手をつく。
今までの経験でなんとなく魔法の使い方だわかってきた。
要は想像力なのだと思う。
光のイメージで灯りが広がり、石のイメージで岩が出来上がり、形を考えるとその通りの形に変わった。
今回も同じ要領で、魔力を地面に流してみる。
広大な地面の下、地下世界。そこへ魔力を流すとさまざまな情報が流れてくる。
土と砂浜の分かれ目、折り重なった地層、大小の石や張り出した木根。
もっと意識してやれば、さらに細かな情報が、練習すれば地中だけでなく地上、周辺の警戒や探索に応用できそうだ。
魔力探索と名付けよう。
と考えた所で、本来の目標を思い出す。
斜め前の地中、深さは一メートルほど、そこへ糸を張り魔力を送り込むイメージ。
イメージ通りに魔力の通り道が出来上がり、目的の場所に魔力が集まっていく。
十分に溜まったと判断して、それに岩でできた分厚い壁のイメージを加える。
それを受けて、魔力溜まりはどんどんと石の壁を生み出して行く。上方へと生成され、あっという間に地面を突き破り、そのまま伸びて、二メートルくらいの高さで止まる。
瞬く間に、高さ二メートル(地中を入れると三メートル)横幅三メートルの壁が出来上がった。
でき具合を確かめる為に壁を手で叩いてみるがびくともしない、倒れてくる心配も無いし強度も問題無さそうだ。
そう判断して、四方を囲むように同じ手順で岩壁を三つ作ると。
家の壁完成。
後は、屋根さえ作れば家の完成かな。
そう考えて一息つくと、くぅ~、っとお腹が鳴った。
長い間作業をしていたのでそろそろお昼頃なのかもしれない。
時計が無いので正確な時間は分からないけれど、お腹が空いたから、お昼ご飯を調達しに釣りに出かけたようとして、気づく。
入り口作ってなかった。
海側の壁にもう一度、さっきの要領で魔法を使って、入口を作ろうとする。
壁に手を触れて魔力を流そうとするのだけれど、体の中から魔力の感覚が少ししか感じられなかった。
もしかしてと思ってステータスを確認する。
MP:10/2900
残り魔力が10しかなかった、土壁魔力消費しすぎ。あと、何気に最大MPが増えてた。
仕方がないので、壁をよじ登って、建築中の家から脱出しました。
壁を作ろう、その3
一応成功?




