第132話 卒業式 ― 涙と永遠の契り
白百合女学院の卒業式は、春の陽光が優しく差し込む中、厳かに行われた。
講堂の舞台には、今年の卒業生たちが整然と並んでいる。
その数は約80人。
しかし、すべてが満開を達成したわけではない。
正式に満開を果たしたペアは、まだほんの一握りだった。
壇上に上がったのは、三年生の代表として白藤 楓、橘 玲奈、白藤 ゆかり、藤花 ひより、薔薇宮 ルリカの五人だった。
校長の言葉が終わると、卒業証書授与の後、卒業生代表として楓がマイクの前に立った。
「三年間……本当にありがとうございました」
楓の声は穏やかだったが、すでに涙でかすれていた。
隣に並んだ玲奈が、楓の手をそっと握った。
二人は正式に満開を果たしたペア。
一生の契りで結ばれているため、離れることはない。
それでも、卒業という節目に、胸がいっぱいになっていた。ゆかりは銀髪を優しくかき上げ、在校生のあかりのことを思い浮かべながら静かに微笑んだ。
あかりはまだ一年生。
二人はすでに満開を達成し、中守り人として認定されている。
ひよりは淡い紫の髪を揺らし、壇下にいる詩織を見つめた。
卒業式前夜にようやく満開を果たした二人。
ひよりは卒業するが、詩織はまだ二年。
それでも、二人の絆は一生のものとなった。
ルリカは深紅の髪を振り、紫苑のことを思いながら、珍しく静かに涙を浮かべていた。
紫苑はまだ一年生。
しかし、二人はすでに正式に満開を達成し、強い契りで結ばれている。
卒業生全員が証書を受け取り、壇上で一礼した瞬間、講堂全体から拍手が沸き起こった。
楓と玲奈は舞台の袖で強く抱き合い、涙をこらえきれずに泣いた。
「玲奈……これからもずっと、一緒だよね……」
「うん……一生、一緒だよ……」
ゆかりは壇を降りながら、静かに微笑んだ。
「みんな……お疲れ様。
これからも、よろしくね」
ひよりは詩織の元へ駆け寄り、静かに抱きついた。
「詩織……卒業しても、ちゃんと会いに来るから……」
詩織は眼鏡の奥で優しく目を細め、ひよりの背中を撫でた。
「ええ……待っています。
ひより……おめでとう」
ルリカは紫苑に飛びつき、甘えた声で泣きながら言った。
「しおん~~……ルリちゃん、寂しいよぉ……
でも、満開したんだから、絶対に離れないよね……?」
紫苑はルリカの頭を優しく撫で、静かに微笑んだ。
「もちろん……一生、離れません」
卒業式は、涙と笑顔と、静かな感動に包まれて終了した。
満開を果たしたペアは、一生の契りで結ばれている。
だからこそ、卒業しても離れることはない。
生徒たちは大学部へ進学し、新たなステージへと歩み始める。
桜良と紡は、講堂の後ろからその光景を静かに見つめていた。
紡が小さな声で呟いた。
「みんな……綺麗に卒業しましたね……」
桜良は紡の手を優しく握り返した。
「ええ……私たちも、いつか……」
春の風が、講堂の窓から優しく吹き込んでいた。




