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番外編 シメられた国々 その後

いろいろシメられた後始末を並べてみました。

これで完結です。軽~く流してください。

ハルキクス帝国 王都城下。

 商人たちの会話から。


「なあ、この間ロードリック王国の人たちが来たけど、知ってたか?」

「え?オレ初耳だよ。どこに来てたって?」


「いやそれが来たって事しかわからなくってなぁ」

「なんだよ、それじゃ役に立たないぜ」

「役立たずってひどいぞ。お前知らなかったくせに」


「なんだよ」

「なにおう」


「これこれ止めなさいお前たち。下らんことで争うんじゃない」

「「あ、長老」」


「そんなことより仕事しなさい。あちらで呼んでいるから」

「「はい!失礼しましたっ!!」」


「全く若いもんは。だが、あの国から来ていたとは、わしも気づかなんだのう」



 士官学校近くの人たちの会話。



「いやあ、あんときはビックリしたなぁ。何事かと思ったよ」

「そうだよな。あれ、すっごい声だったし」


「ああ。そのあとでひとが吹っ飛んでたからなんだろうと思ったよ」

「外まで飛んできたのがあそこの学校長だろ?あのちょび髭は」


「あれは笑っちまったよ。顔が変形してわからなかったもんな」

「いい気味だよ。いつも威張りくさって俺らをゴミみたいに見やがって」

「自分たちがいるから安全なんだってふんぞり返ってたからいい気味だ」


「剣持ってりゃいいってもんじゃないよな、あれ」

「最初にそいつらを叩き潰したのが女の子だって聞いた時にゃほんとかよって疑っちまったけどよ、あの青い髪の姉ちゃん、強かったんだな」


「その横に居た強面の兄ちゃんが後の奴らを全員叩き伏せたらしいぜ」

「そりゃあ凄いな」


「その二人、婚約してるって聞いたけど、あれは無敵だな」


「「「そうそう」」」



ケイオシス教国 ブライドリン国立学校

 そこに通う生徒たちの会話。


「ねえ、教授陣が入れ替えになるって本当?」


「うん、そうみたい。かなり大規模になるって」

「へえ……それってこの間のあの子のせいかなぁ?」


「どの子?」


「ほらぁ、図書館で叫んでた子が居たでしょ、『こんなのひどぉいっ!!』って」


「ああいたわね、そんなのが。何でも本の種類が思ってたよりなかったらしいけど、そんなのがわかるような人が居るわけないのにね」

「でもでも、あの子は分かったみたいよ?難しい本の題名叫んでたから」


「あらそうなの?ここの学長、外観をきれいにしたり高い応接セットを買う方に夢中だったから、蔵書の方までお金が回らなかったんじゃないのかしら」


「うっわ、それ横暴だわ。ここは学問をするところなのにな」

「そういう学長に賛同してた教授たちが一掃されるらしいわよ」


「わあ、だったら、これから本が増えるのかな。かなりくたびれてるもんね、ここの蔵書」

「そうよねぇ、そうだと嬉しいわね」



ダクモンド共和国、アルケイド商会会頭室にて。


「会頭!一体何なんですか、あの連中は!あんな厳しい条約結ばされて、しかもぐうとも言えないんですよ、こちらは!おまけに2年後には見直しを予定してるって、今から宣言されてるんです!もう嫌です!オレ、自分に自信持てなくなりましたよ!」


「落ち着きなさい。あの人たちはロードリック王国の貴族様でね。創世の女神さまの加護を受けている方達だから、我々の力が及ぶところではないんだよ」


「だからといって、あの交渉力は半端じゃないですよ!オレ、突っ込みどころをずっと探してたけど、見つけた端から潰されるんです!それで逆に反撃食らって追い詰められて……あれからしばらく夢でも交渉、交渉の繰り返しですよ、オレ!」


「やれやれ、キミもですか。ロニヘル行商団でも同じことをが起きてるそうですし。あれはもう、災厄としか言いようがない出来事ですね……」



同じく、ロニヘル行商団総括団長室。


「総括、お話し中申し訳ありません。お手紙が届いております」

「ん、手紙だと?そんなの、庶務のリラに回しとけ。こっちは今こいつ宥めるので手一杯なんだ」

「そのリラ様から、是非ともご覧いただくようにと言付かっていますが」


「?そうか。わかった、寄こせ。…………何だとぉ?おい、お前、こいつを読め!ロードリック王国からわざわざ連絡してきたぞ!」

「え!あの交渉の鬼がまた何を言ってきたんですか!いやですっ、もう見たくないです!!」


「違うわ!あの通商項目について猶予規定を設けると言ってるんだ!」


「猶予規定?そんな条項はなかったはずですよ?どれですか……あ!条約項目の11条と15条を猶予していただけるとあります!ああ、神は私を見捨てていなかったんですね!感謝します!!こうなったらさっそく話を通してこなくては!」


「おいこら待て、待たんか!何が何だか話が見えんぞ、説明しろ!」


「ええと、簡単に言うと、初めて取引する場合には品目を限定するんです。信用がまだないですからね。同じ意味で持ち込まれる物品に課税される税率が高くなるんです。品質が一定か、粗悪品がないかどうかという罰則も含めてますから。


今回猶予されるのは品目が倍になり、税率も通常よりやや高めに抑えるものとするように緩められたんです!これでこちらの利益も狙えますよ!今から積み込む品の選定や配置を代えなくては!総括、失礼しますっ!!」


「……あれがさっきまでべそかいて座り込んでた野郎の言う事かい。しっかしまあ、ロードリック王国の奴がやり手なのは間違いないよな。今頃はアルケイド商会でもてんやわんやだろうよ……」



善かれ悪しかれ、ロードリック王国一行の通った後はまだ大騒ぎのようだ。






ラウード王国は上層部のみの嵐、アレス皇国は王宮内の出来事なので

今回は入れませんでした。同じ理由でジェミニとカリーナも省略で。

長々とお付き合いくださり、ありがとうございました。

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