Scene14 お土産は
シルヴァが店でも見てこようと立ち上がったとき、背後から先生の声がした。
「ごめんね、お待たせ」
先生の腕には、お金で重そうな袋が抱えられていた。少し動くたびにジャラジャラ音がして、なんだかシルヴァまで嬉しくなる。
「先生! もう終わっちゃったの? 」
「うん、いつもより早く終わったんだ。ついでに買い物も済ませたしね。シルヴァも用は済んだ?」
「ううん、まだ……。男の人と話してたら、すぐに時間が経っちゃった」
「男の人? 知り合いかい? 」
先生は軽く首を傾げて尋ねた。シルヴァは首を横に振った。
「ううん、知らない。でも、いい人だったよ。娘さんがいてね、今度遊んでくれ、って言ってた」
「そっか」
先生は少し考え込む素ぶりを見せて、腰を屈めてシルヴァに言った。
「でも、あんまり知らない人に着いて行ったりしちゃあダメだよ? 何かあっても助けてあげれないかも知らないからね」
「うん、ごめんなさい。次から気をつけるね! ねぇ先生、お店見ようよ。リーシャにお土産買ってあげなきゃ」
シルヴァは先生の服を軽く引っ張り、先生を店の前に群がる人混みの中へ連れ込んだ。
「リーシャにお土産かい? 何か目星はついてるの? 」
「うーん、まだ。でも女の子なんだし、可愛いものとか綺麗なものとかのほうがいいよね。アクセサリーとか……」
先生と並んでいろんな店を見ていると、キラキラ輝くものが見えた。シルヴァの興味が引かれ、近づいてみるとそこはアクセサリー屋さんだった。
「わぁ、綺麗」
シルヴァが陳列されていた、ピンク色のブローチを手に取る。すると気さくな店主が話しかけてくれた。
「おっ、坊主はいい目をしてるねぇ。それはな、亡国のミシェラル王国の古代からのお守りなのさ! 何でも、災いを振りまくものらしいぞ。ただ、災いを振りまいたら割れてしまうらしいけどな! 」
「へぇ、お守りかぁ」
ピンク色の石に、左右にぴょこんとツノのようなものが生えている、少し変わった形のしたもの。それでも石はとっても綺麗な輝きを持っていて、リーシャのピンクの髪とよく合う気がした。
「ねぇ先生、これ買っていい? リーシャに似合うと思うんだ」
「うん、いいよ」
先生はシルヴァよりも大きなお守りの方に興味津々そうだった。ただ、買おうか迷っているという雰囲気ではなく、ただ好奇心から見ているようだった。
「ねぇおじちゃん、これ頂戴!」
シルヴァが店主にお守りを渡すと、店主はにっこりと満面の笑みを浮かべた。
「はいよ! お嬢ちゃんにプレゼントするんだろう? なら安くしとくよ。それに最近はこのお守りも知ってる奴が少なくて、あんまり人気ないからなぁ、あんまり売れないんだよ。みんなにおススメしといてくれよ! 」
「そうなの? 綺麗なものだと思うのになぁ。こんなに綺麗なものが売れないなんて、もったいないね。ぼくがもしもっとお金を持ってたら、もーっと、もーっと買うよ!」
少し大げさ過ぎる気もしたが、店主はとても嬉しそうだった。
「ははは! 嬉しいこと言ってくれるじゃないか! ならさらに割引しておくよ。 ありがとな、坊主! 」
「うん、こちらこそありがと! 」
シルヴァはお金を渡して、店を去った。紙袋に入ったそのピンクのお守りを大切そうに抱えながら、先生のホウキに乗って、家へ帰った。
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