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1.0.3 間に合ってないローディング

もう、就活が始まる時期ですか。早いですね……ということで4ヶ月ぶりの投稿です。


 疲れていて面倒くさいからという理由でゲームのインストール時にゲームのアップデートをせず、初回起動にアップデートの適応を入れてしまったからかゲームを起動してからのローディングが異様に長い。こんなことならばアップデートの適応まで終わってから寝ればよかった。またはゲームを起動するべきだったと今更ながら後悔しているが、これはもう後の祭りであり、終わるまで待つほかにない。


 実際、今ゲームを強制終了してアップデートをやり直すといってもそれはそれで時間がかかるし、ゲームファイルがクラッシュするようなことがあれば最初からダウンロードをすることにもなりかねない。だいたい、ゲームのアップデートが長いといってもHDDにこのゲームを入れている訳ではなく、SATA接続であるがこれでもSSDにはゲームを入れている。回線速度も問題ない。PC自体もCPU、グラフィックボード、RAMメモリともに最新でお金を躊躇なくつぎ込んだゲーミングPCである。


……そのせいでストレージが少し時代遅れなSATA接続SSDになってしまったというのはあまりしたくない話でだが。

 

 10分くらい待ったくらいな頃だっただろうか。だいたいローディングゲージが8割くらいに差し掛かかっててもう少しでゲームが出来ると無駄に意気込んでいたくらいの頃だった。目の前に浮かんでいたローディング画面が突然消えて世界が真っ白になった。そうなったと思えば、俺はSFチックな中心街なワールドに立っていた訳である。警告も予告も何もなしに突然VRの世界に飛ばれる身にもなってほしいとも宇野は俺だけだろうか。


 これがはじめてのVRゲームであり、コントローラーなどの道具は必要としないようなコンテンツもはじめてであるためか何か落ち着かない。突然、このワールドに飛ばされたことを除外して考えていたが、これも大いに関係あると思う。実際、かなりびっくりした。ドッキリとまではいかないが、かなり不安をあおるような使用なのではないかと思ってしまう。


 そう考えても仕方ないのでとりあえず、一度深呼吸をして周りを見渡してみた。すると、ゲームのローディングが完全に完了していないせいなのか、他のこのエリアにいるプレーヤーや一部の標識などが見えない。最初の体験が中途半端な気がして少し残念だったが……まあ、初めてここにきた俺にとっては情報量が少ない方が情報処理量的に都合が良いかもしれないと思ったのは良いことなのか悪いことなのか。


 周りを見て状況を確認した俺は説明書の通りの操作でこのエリアのMAPを開く。自分が今どの場所に居るのかを確認しないと最初の装備を調達するにも調達しにいけない。他のプレーヤーなどが見えていればMAPに目を凝らす必要は最小限に済むのだが、生憎ローディングはまだ終わっておらず他のプレーヤーが表示されていない。状況的に自分でMAPをみて探し当てる他ないのだ。自分はこのエリアはじめて来た訳でありMAPを見ても感覚的にはどこに何があるか分からない状態だ。この状態を打破するにはここから直接自分で歩き回って地道に覚えていくしか無い訳でもあり……非常に面倒くさいが、こればかりはどうしようもないことなのである。



 さらに、やっぱり今までのゲームとは視点が違い、視点が自身のプレーヤーの目とほぼ同じであり、視点の動きも自分の脳波を読み取ってリアルに考えた方に動くことから、何とも言えないような違和感と新鮮さを感じざるおえない。実際、現実とは違い身体を動かす時とは違ってPingや機器の技術的都合によって伝達にも遅延があるのでリアルだけどリアルじゃないのような感覚に陥るのも仕方のないことなのかもしれない。でも、慣れれば今までの3Dゲームより自分の体のように動かせる可能性は大いに高いと思ってしまう。



 しかし、それでもVRゲームでリアル感があるこのゲームは上からの見下ろした視点や、キャラクターの後ろから見る三人称視点、そして手が一部見えるような一人称の視点とも違い、まったくの新領域をいくものであるは間違いない。本当にリアルに自分の目から見たような視点であってそれ以外なにものでもないのだ。この身近にありそうで初めてであるこの感覚の違いに慣れないと、このゲームをしていく上で不都合なことが多くなることは間違いないだろう。


 これからメインでやっていく上でこのゲームを始めたわけであり、基本的にまったりやっていく、たまにやるようなゲームではない。『行く行く先には競技シーンに乗り込むことも考えている。』となればここは重要度が増すことであり、初期に早めに終わらせておきたいことだ。いや、もっと済ませておきたいことはいろいろとあるが最優先でやって行きたいことなのが操作の慣れとゲームに対しての慣れだとして、他にも技術的な事やフレンドを増やすのにコミュニティを探したりなどやる事はたくさんある。


 実際にやることをあげるときりがない。考えるだけで頭が痛くなる。覚える事はたくさんあるし、必要最低限やりたいこともたくさんある。それを別に一日でこなそうとしている訳ではないが、はじめる時期が少し遅くなっていることから考えると、この遅れた期間をできるだけ早く取り戻して行きたいのが本音であって、この焦る気持ちは抑えようともなかなか抑えられないというのが今の自分の状況だ。



 そんなようなことを考えていると、気がつけば俺は前に前にへと進んでいた。どうやら自分は無意識に前に前にと意識をしていたらしい。現実で『考え事をしながら歩いていると意外に長い距離を歩いていた。』と同じような感覚である。再現性を考えるとすごいと思うが、こうなってくるとゲーム中には気をつけないといけないことは増える。案外脳波+VRってゲームとしてやっていくには気難しいものなのかもしれない。昔はこのようなことをVRで表現することは不可能だったのであろうが、いつからなんだろうか。現実から意識を遮断してこの世界を体感しているわけではないから、現実世界との隔たりはまだ感じられる。

 

 しかし、これがフルダイブで体感できるようになったら現実世界との隔たりはさらになくなるのではないか。そんなことを考えるとやはり少し恐ろしかった。いつかは実現、再現できるであろうその世界を想像するにはまだ早いだろうが、それでもこの世界はリアルの世界を1とすれば、今までの3Dなリアルなゲームを体感的0.5とする。そうすると、このゲームは体感的に現時点で0.7くらい現実に迫っていると私は感じた。あと、もしフルダイブ技術が実用化された場合にはこれは0.9くらいになると予想しておこう。0.1は現実と仮想世界のどうしても取れない隔たりだと思ってくれてかまわない。話がそれてしまったが、果たしてこの0.1を埋められる日は来るのか?

 ゲームの世界は現実の世界と同等になることはできるのか。これは無理なわけでも、不可能ともいい切れはしないと自分は思う。いつの時代も技術の革新というものはそういうものだ。大げさに言ってしまえば、突然ある日できないことが突然できるようになっていた。そんなものなのかもしれない。




 『目的地はこの先20m先右方面です』


 説明書に書いてあった便利機能にあったMAP案内機能を作動させていたことをすっかり忘れていた俺は案内機能の音声にびっくりしてその場で跳ね上がることになった。もちろん、ゲームの中とリアルでの両方である。やはり、実体験『まがい』であるVRというものは心臓に悪い。



 一度、ヘッドセットを取り外して机の上に散乱したものを直す。そしてヘッドセットを再度つけなおしてから前をみると、この先にはShopという標識というか看板のようなフォントが自分の左上くらいに出ていた。しかし、これが何のShopであるのかは書いていない。書いていないとなると、多目的なShopなのだろうか。このゲームで兵種やRPG向け等の専門店がないとは考えにくいことから考えると。これは初心者やカジュアルプレーヤー向けのライト層に向けた店なのではないかと予想した。


とりあえず、店に入らないことには何も始まらない。俺は案内どおりに店に向かってすすむと、数分で店の前に着いた。数分かかるというこのワールドの広さにも驚きを覚えるが、店の外見は、ゲームらしいといえばゲームらしいのか。それえともゲームらしくないのか。めちゃくちゃシンプルで白い外装に電光掲示板、SFチックな看板等、何かありふれているようなものであった。期間限定で店のデザインが変わりますとかそんな感じにしていくのだろうか。まあ、そのような遊び心を残すためにこのようなシンプルなデザインにしているのかもしれない。勝手に自己解決すると、店のほうへと進む。


店のドアは当たり前のように自動ドアであり、近づくと何の変哲もなく、普通にドアが開いた。そして、中に入ると、そこは割りと広いスペースになっており、自分の勝手な思い込みであるが、VRの特徴をいかして商品が並べてあるのかと思えばそうではなく、おそらく、商品受付のカウンターと休憩スペース。なにやらかで活用する情報端末等がおいてあるショップというよりかは『総合的なインフォメーション』と表現した方がしっくりときそうな場所であった。プレーヤーが表示されてない時点で交流なんて出来やしないのだが、カウンターらしき場所に行く前に少し中を見てみることにした俺は歩き回りながら周囲を確認していく。


すると外れの方に階段があるのを見つけた。トイレとカウンターをつなぐ通路の壁と壁の合間にあり、死角となるのであまり目立たない。そんなところにあるだけにあって、非常に見つけにくい。見つけにくいところにあることから何かしら意味深なものを感じるが、特に進入禁止等の記述も、近づいたときの警告表示もなく、階段は普通に上がっていけることからこの上のフロアにも何かあるらしい。こうなると探究心があふれると言うかなんと言えばいいか……とりあえず、この上に何があるか非常に気になるものだ。


 何があるのか気になった俺はすぐに上に上がる決断をし、階段を登り始める。何の変哲もない良くあるビルの階段のようなデザインの階段は踊り場を含めて21段ほどだった。傾斜はきつくなかったが1段1段少し高さがあるので2Fにいくのに結構上がったような気分になる。この、割と上に階段を上がるところにも、VRだからといって天井の高さの割りに階段が少ないとかいう話はなかったのだろう。1Fの天井はかなり高かったのは事実であり、この移動に手間は少しかかるが、見た目の情報と階段の長さの情報矛盾を消すための配慮なのだろうか。 


 移動に面倒くさい人は多分そんなことはどうでもいいんだろうだが、リアルに体験させてくれて、階段を上る面倒くささを感じさせてくれるところは最近のVR技術の進化と現実との境界線の近づきをここでも感じられるような感じられないような微妙な気分になる。(プレーヤーのこのゲームがリアルではないという批判をさける上での配慮ではないかとも考えられるが)


 階段を上り終えると、すぐそこに簡素なドアが存在していた。今度は自動ドアではなく手動だったドアをとってを横に引き開ける。特に躊躇せずに中に入ると、そこはやわらかい電球色の照明がきいたフロアになっていた。昼光色の1Fフロアとは雰囲気が打って変わってやわらかいような印象だ。そして、何よりも1Fとは違い、カウンターと端末と休憩スペースがあるのではなく、そこにはちゃんと商品棚があった。棚には商品が並んでおり、よく見ると壁には銃、刃物類がかけられて並べられている。自分が先ほど期待していたような、イメージしていたようなショップがそこには、ここには存在していた。



 自分の中で何か高ぶるようなものを感じる。今までのリアルなゲームでは体感することが出来なかったことがこのゲームでは体感することができるのだ。別に競技をしたいと思えどサイコパスではない訳で、自ら人を撃つ、斬るようなことがしたくてこのゲームを始めたかったわけではない。競技でやるといってもまだVRゲームと普通の3Dゲームの競技業界は均衡しており、やるゲームの選択肢はいくつも存在する。というか、自分も他のゲームからの移ってきたわけであり、前のゲームでも競技をするなら市場規模もこれからの展望もしばらくは安心できるようなものであった。でも、何よりもリアルな射撃をすることが出来る。それが一番の決め手であって、何よりも国外に出なくともこの銃器に触った気分に間違いなくなれると確信できるようなこのVRゲームには心が惹かれない訳がなかった。銃器類に関してそこまで知識がある訳ではないので、にわかなようなものだがやはりこの銃器とほぼ無縁のこの国であるからこその興味の持ち方なのかもしれない。


 実際に、リリースして半年であるが、海外ではすでに大規模な大会が開かれ、その大会の集客率も良くプロチームも乱立し始め、ゲーム配信サイトでも上位5番に入るくらいには世界で人気なゲームにへと成長しているという食べていくにも有望株なゲームであるのだ。


 ゲームで食べていくというのは昔は笑われていたようなことであったが、それこそ今では大人気コンテンツとして確立している。10年前でははやらない。無理といわれていたということを見てみれば、先駆者たちは如何にこれを乗り越えて今の現状を作り上げたのか。



 また、話が逸れてしまったが、とりあえずこのゲームは急成長しているゲームで自分の興味関心とマッチングしたことがこのゲームを始めるきっかけになったというのは間違いないということだけは明記しておく。他に何かがあったとしてもこれは決してはずせないものだ。プレーヤーとしてそのゲームに魅力を感じなくなったとすればそれはそれでそのゲームをやること事態が苦痛になることは間違いない。それだけは避けないと競技者としてやっていくには厳しいと自分は考えている。そのようなところから考えれば、このゲームは将来的に競技として自分がやっていくのには最適であると判断した。


 まあ、とりあえずこれでもかというくらいには意識高いことをいっているが、このゲームをe-sportsとして取り組むなら、操作に慣れて実力をつけてコミュニティに参加してチームを探さないと話にならないよね……


 俺はリアルでもゲーム内でも同じように項垂れると、特に案内を見ることもなく店内においてあるものを見始めた。あまり、ゲームない通貨がないのでウインドウショッピングになる可能性も低くないということを忘れていたことはきっと余談である。

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