ep.675 虚無の遺跡と、五色の香味
「……ひっ、ひぃ……。信者さんたち、もう少しゆっくり歩いてほしいです……」
惑星「はい・よー」の奥地に鎮座する、苔に覆われた謎のピラミッド型構造物。ネギ新人は、熱狂的な信者チームの強行軍に息を切らしながら、暗い通路を進んでいました。撮影スタッフの半分は、彼の「新人らしい頼りなさ」を逃すまいと、手持ちライトで下から顔を照らし続けています。
「ネギ新人様!見てください!遺跡の壁が……光っています!」
信者が指差した先。そこはかつての神殿の跡か、あるいは巨大な温室の成れの果てか。天井から差し込む銀河の星光を浴びて、見たこともない「香味植物」が群生していました。
「これは……。地球のそれとは明らかに密度が違いますね」
ネギ新人が、失った記憶の奥底にある「ネギへの執着」に突き動かされるように、一歩踏み出しました。
【重力の長いも】:地面から空に向かって「逆さま」に伸びる、鋼鉄のように硬い山芋。掘り出すには「引力」との戦いが必要。
【旋律の細ネギ】:風が吹くと「はい・よー」と高音で鳴く、極細のネギ。刻むと繊細なメロディを奏でる。
【白銀のもやい(もやし)】:遺跡の柱に「魔法の結び目」のように絡みつく、発光するもやし。シャキシャキ感が物理法則を超えている。
【焔のニラ】:触れると熱を放つ、真っ赤なニラ。かまどの火を強める燃料にもなり、食べれば一晩中寝られないほどの活力が湧く。
「……すごいです。これがあれば、咲姫様の言う『お家』のスープは、もっと豊かになる……!」
ネギ新人は、震える手で【太ネギ・バスター】(直径50cmはある、丸太のような巨ネギ)に手を触れました。その瞬間、遺跡全体が「はい・よー!」という大合唱とともに震動を始めます。
「あわわわ!時給15NkQの僕には、この収穫の責任は重すぎますー!!」
「何を言っているのです!これぞ最高の『初出し映像』!撮影スタッフ、彼のパニックと、植物の神秘を同時に収めるのですー!!」
拠点からモニター越しに叫ぶ咲姫の狂気混じりの声が、スピーカーから遺跡内に響き渡りました。
【現在の状況】
探索班(現場):遺跡にて「香味植物の宝庫」を発見。遺跡の防衛機能(?)が作動し、パニックに。
拠点:かまどの準備は万全。うさちぁんと果林は「長いものおつまみ」を期待して待機中。
猫二班:岩(石長族)の説教が経済学から「哲学」の領域に入り、猫二の魂が抜けかけている。
【後書き】
鍋の具材発見




