ep.405 惑星パルミエの珍味:『銀河真珠芋』と経費の横流し
「にゃうにゃあ! 見てください! 騎士さんが泥と愛にまみれて、ついに惑星パルミエの秘宝を持ち帰ったのですー!!」
騎士がボロボロになりながら離宮に差し出したのは、脈動する青い輝きを放つ巨大な塊――『銀河真珠芋』であった。 原生林の奥深く、凶暴な肉食植物の巣穴にしか自生しない、パルミエ最高の珍味である。
「パパ、すごいですぅ! これを売れば、今夜は離宮のスイートルームをもう一部屋貸し切って、さらに濃密な『家族会議』ができるのですぅ!」左からアリスが真珠芋の輝きを値踏みし、右からサヨが騎士の首筋に冷たい吐息を吹きかける。
騎士は無言で、救いを求めるようにうさちぁんを見た。
「……さらっと。検品を行います。うさちぁん様、どうぞ」
離宮のテラスで、うさちぁんが気怠そうに立ち上がる。うさちぁん皮の腹をぽりぽりと掻きながら、騎士が命がけで獲ってきた真珠芋を、酒の入ったグラス越しに眺めた。
「うーん……。これ、見た目は綺麗だけどぉ、ちょっと香りが強すぎて、私の大吟醸の繊細な味を邪魔しちゃうんだよねぇ~。不合格ぅ」
「なっ……!?」騎士の絶望。命をかけた獲物が「お酒に合わない」という理由だけで一蹴された。
「……さらっと。うさちぁん様の審査により、本食材は『検品落ち(廃棄対象)』と判定されました。よって、これはもはや公式の映画小道具ではなく、ただの生ゴミ(経費0円)として処理されます」
その瞬間、離宮の隅で待機していた猫二(総務部長)の目がギラリと光った。
「にゃにゃっ! 廃棄なら私がお引き取りしましょう! 総務部長として、現場の美化に努めるのは当然の義務にゃ!」
猫二は「ゴミ」となった銀河真珠芋を素早く回収すると、そのまま開拓エリアの暗がりに向かって走り出した。
■ 開拓エリア:深夜の裏取引
「……おい、新人C。いいものがあるにゃ」
コンテナハウスの裏で、猫二が風呂敷を開く。そこには、うさちぁんに切り捨てられたが、味自体は銀河最高級の『銀河真珠芋』が輝いていた。
「これ……騎士さんが獲ってきたっていう最高級の……! でも、私にはこれを買う"$NkQ"なんて……」
「にゃはは! これは『ゴミ』だから、お代はいらないにゃ。その代わり……明日、君の家の経費で支給される『高級建材(ベニヤ板)』を、私の寝床用に横流しする契約でどうにゃ?」
新人Cは、空腹に耐えかねて契約書(猫の爪痕)にサインした。離宮では「ゴミ」として捨てられた輝きが、開拓エリアでは「命を繋ぐ奇跡」として、パンだけの食卓を彩る。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
騎士:「ゴミ……ゴミだと……」と呟きながら、アリスとサヨに引きずられるように「家族会議」の部屋へと消えていく。
猫二(総務部長):「ゴミを資源に変える。これぞ究極のSDGsにゃ!」と、新人から巻き上げた建材で、離宮より快適な「隠れ家」を建築中。
うさちぁん(Lv.20):「やっぱり酒のつまみは、普通の塩辛が一番だねぇ~」と、経費で取り寄せた珍味を開ける。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「銀河真珠芋」。その価値は、うさちぁん様の「飲み合わせ」一つで決まります。 捨てられた最高級品を、猫二部長が「ゴミの横流し」として新人に売りつける……。 「実質タダ(経費)」という言葉の裏で、建材と食料の闇取引が行われるこの構図、まさにホワイトな映画撮影のリアルですね!
【裏話】
普通の名前の食材じゃ面白くない!
ということで、変な名前を採用しました。
元の名前候補だったのは、パルミエ・トリュフです。




