USasf.19:第十五星域『双極要塞ハイドロ・ボルト』~相反する水と雷の超絶相克(シナジー)と、特製・超絶縁片栗粉あんかけ&静電気吸収ナノたこ焼き作戦なのです!~
一、全宙域を覆う「感電激流」と相克の嵐
第十四星域の屈折光を特製黒ごまペーストとスモークフィルムで吸収・お祓いし、黒ごまの香ばしい風味を宇宙に残して爆進を続けるToL宇宙艦隊。
後半戦の第三関門となる第十五星域へと躍り出た瞬間、視界のすべてが猛烈な大激流と、それに沿って狂ったように走る億ボルトの青白いプラズマ電撃で埋め尽くされた!
「はわわっ!?お空がプールみたいにビショビショなのに、バチバチ痺れてお耳がピーンとなっちゃうよぅ~!?ぴょん……!お酒の樽もビリビリ痺れて泳ぎ回ってるよぅ~!?」
紅白のミニ丈巫女服を着たうさちぁんが、注連縄の巻かれた酒樽にしがみつきながら、頭上のウサ耳をピンと垂直に立たせて慌てふためく。
「報告」
白と紺の静謐な巫女装束を纏ったアリスが、割れたレンズのメガネ(ホログラム)を直しながら冷静に告げる。
「第十五星域『双極要塞ハイドロ・ボルト』に進入。敵は相克する二大属性「水」と「雷」を融合させた双極将軍『ハイドロ&ボルト』率いる両極艦隊です。水流が超電導媒体として機能し、雷撃の威力を1,000%に増幅・伝導させています」
『ガハハハ!感電して死ね、愚かな巫女どもめ!』
『クックック……水で濡らしてから電気を流せば、防御バリアなど一瞬で短絡するのだ……!』
ホログラムモニターに、全身を水流装甲と放電トランスで固めた巨大な双頭の甲冑将軍が現れた。
『我が「感電激流フィールド」からは逃げられん!水で逃げ場を奪い、雷で全システムを焼尽する!相克にして最強の相互作用を前に、お前たちに打つ手など存在しない!』
ドバリババババリバリバリバリッ!!
要塞から放たれた極太の水流レーザーがToL艦隊を呑み込み、その水流を伝って億ボルトのプラズマが前衛の『だいこんっ型巡洋艦』へ一気に拡散・逆流!強力なバリアを一瞬で貫通し、艦内を激しいスパークが襲う!
「水と雷の組み合わせはズルすぎるだろォォォォ!!理屈として正しすぎてぐうの音も出ねぇよ!!」
黒烏帽子に神主服(狩衣)姿の猫二が、全身をビリビリと痺れさせ、頭の烏帽子を真上に跳ね上げながら絶叫した!
「水で濡らして導電率上げてから電気流すとか、悪質極まりない拷問術じゃねえか!!バリア貼っても水が伝って中に電撃が流れ込んでくるぞ!!相克どころか完璧な悪魔のコンビネーションじゃねえか!!神主服の金属の刺繍から感電して全身が熱ェェェ!!」
(今のツッコミ:間……100点、声の張り……200点、感電によるダンス……500点!……くそっ、神主服を着てても痺れるものは痺れるゥゥゥ!!)
二、濡れて痺れるなら『とろみ(あんかけ)』と『たこ焼き』にするのです!
『双極要塞ハイドロ・ボルト』の感電激流がToL艦隊を包み込み、電子機器とクルーの体力をじわじわと削り取っていく。
「ふにっ?濡れて痺れて、なんだか『熱々トロトロのたこ焼き』が食べたくなってきたよぅ~」
うさちぁんがお祓いされた酒樽の上で泡を吹きかけながら、ぽつりと呟いた。
「……ん?熱々トロトロ……たこ焼き……?」
特製・神社風御神木玉座で、金の鈴付きプリンタクトを弄りながら、静電気防止の手袋を嵌めていた咲姫がピクッと目を輝かせた!
「そうなのです!水がサラサラ流れるから電気が伝わるのです……!なら『宙域丸ごと超・絶縁片栗粉あんかけ&静電気吸収ナノたこ焼き』にして、電気も水もぜんぶドロドロに固めて美味しく焼き上げるのです!」
「……はぁぁぁぁぁ!!???」
烏帽子を直しながら猫二が絶叫した。
「あんかけとたこ焼きだぁ!?敵の誇る超電導の激流とプラズマを、中華料理のとろみと屋台のB級グルメに相転移させる気か!!?」
「ふふん!咲姫のお祓い料理に固められない液体はないのです!」
咲姫は大巫女服の袖をバサッと大きく翻し、金の鈴をシャランと鳴らした!
「サヨ!カヤ!れんこんっ型輸送艦より『超・高粘度絶縁片栗粉ソース&ナノたこ焼き生地』をドバドバ噴射するのです!」
三、概念爆破:宇宙規模の『熱々たこ焼きパーティー』開店!
「任せてちょうだい、咲姫ちゃん!」
お祭り巫女姿のサヨとカヤが、大型タンクのバルブを全開にした!
「カヤちゃん特製の『超・熱伝導固化ナノ片栗粉』数億トン、全宙域の激流へ投入よ!」
ドバババババババババッ!!!!
『れんこんっ型輸送艦』から放たれた大量の片栗粉ソースが、宙域を覆う巨大な水流と接触!
ジュワァァァァァン……!
『な、何事だ!?我が超電導の激流が……熱を帯びて急速にとろみを増し、ドロドロの「あんかけ」になっていくと……!?水の分子運動が抑制されて電撃が途切れ、電流が「あんかけの熱」へ変換されていくー!?』
将軍ハイドロ&ボルトが目玉をひん剥いた!
水流を伝って流れていた過剰な雷撃エネルギーは、咲姫の持ち込んだナノ片栗粉と反応して急速加熱!さらさら流れていた水は一瞬で「絶品の熱々あんかけ」へと相転移し、絶縁体となって電撃の伝達を完全にシャットアウトしたのだ!
「バウッ!(激流のあんかけ化&雷撃の加熱エネルギー変換完了だワン!さらに宙域の敵艦隊が「たこ焼きの具」としてあんかけの中に固まったワン!)」
わんわんがアナライザーを叩いて大はしゃぎする。
さらに!
雷電と餡子熊王が「どすこいッ!!」と巨大な鉄板型概念フィールドを展開!
あんかけの中に閉じ込められた敵の両極艦隊三万隻は、高熱の雷撃エネルギーによって自分自身の周りの生地を香ばしく焼き上げ、宙域全体が「巨大な熱々たこ焼き」へと変貌を遂げた!
「激流と雷撃をあんかけのトロミと加熱に使って、敵艦隊ごとたこ焼きにしやがったァァァァ!?」
猫二が香ばしいソースの香りの漂う宙域を見上げながら、ド派手なツッコミを叩き込む!
四、双極要塞の「熱々完食」と第十五の星の消滅
「仕上げの青のりと紅生姜のお祓い(フィニッシュ)なのです!ぷりんっ型戦艦&破魔矢型さばっ型戦闘機隊、一斉照射なのです!」
自分たちの生み出した水と雷のエネルギーで香ばしく焼き上がった要塞『ハイドロ・ボルト』に向けて、咲姫が《プリン・オブ・プリンセス》の主砲『圧縮プリン・ビーム砲《Royal》』を発射!
ドガガガガガガガガァンッ!!!!
熱々のあんかけとたこ焼きの生地の中で核を撃ち抜かれた要塞『ハイドロ・ボルト』は、内部から膨らみ、巨大なたこ焼きが弾けるような澄んだ音とともに大爆発!第十五艦隊とともに美味しく完食・お祓いされた!
『おのれぇぇぇ!我が誇る相克の水と雷が、あんかけとたこ焼きの加熱源にされるとはぁぁぁぁ!!』
将軍ハイドロ&ボルトの絶叫がソースの香ばしい匂いの中に消え去り、第十五星域は完全にお祓い・制覇された。
チリンチリーン♪
《Saki-Economy》モジュールが作動。
「収益:52,000,000,000NkQ獲得ですわ♪屋台の売上ボーナスも満額支給ですの♪」
超ミニ丈巫女服のアリシアが、金色のそろばんをパチリと弾いて優雅に微笑んだ。
「ふぅ、外はカリッと中はトロッとで大満足なのです♪大勝利なのです!」
咲姫がフンスと胸を張り、金の鈴をシャンと鳴らす。
「はわわ~っ!熱々のたこ焼きとお酒が止まらないよぅ~!カンパーイ!ぴょん!」
巫女服のうさちぁんが酒樽からお酒をぐびぐび煽り、ゲラゲラと笑っている。
「……はぁ……はぁ……」
烏帽子を直しながら、たこ焼きソースの香気の中でぐったりと床にへたり込む神主姿の猫二。
「相克兵装をあんかけとたこ焼きに利用とか……もう物理学も調理科学もめちゃくちゃだ……だがまあ、感電しなくなっただけマシか……」
「報告」アリスが淡々と言う。
「第十五星域突破。第十六星域への跳躍準備完了」
「よし!この調子で後半戦もバッサバサとお祓いして撃破するのです!」
「おーっ!!」ToL宇宙艦隊は、香ばしいソースとたこ焼きの美味しい香りを宇宙に残して、第十六の要塞星域へと跳躍していった。
帝国本星まで、あと八個の星域――!
感想などで誰もツッコんでくれないんですが…(さびし)
今回の章は、物理法則を無視した概念破壊のSFっぽいカオスコメディです。
一番無視されてるのが概念破壊艦隊(咲姫・うさちぁん宇宙艦隊)の構成で
つい数話前に公開した艦隊設定が一番狂っています。
この章は僕にしてはかなり珍しく、キャラからではなくて艦隊設定を主軸に物語を考えています。
輸送艦も中身、普通は物資:軍事物資なのに、出てくるものは食材ばかり




