Nutral.32 加入なのです!――海底タワマン旅館、新たな“動く者たち”
アクア・プリン・タワー温泉旅館。
甘味祭りが終わり、海底は静けさを取り戻していた。
新平は、ロビーのソファに沈み込みながら言った。
新平
「……スタッフが……足りない……雷電さんは湯気の中で瞑想してるし、餡子熊王さんは餡子の中で沈んでるし、猫二は寝落ちしてるし……咲姫様は……咲姫様だし……」
猫二
「にゃ……(=働けるの、新平だけにゃ……)」
そこへ、咲姫がぱたぱたと走ってきた。
咲姫
「にゃうにゃ!新しいスタッフを迎えるのです!」
新平
「えっ……どんな人が……?」
咲姫
「にゃうにゃ!“動き続けられる人”なのです!」
海中チューブに現れた影
海中15NkQチューブ。外の海を泳ぐ魚たちがざわつき、“こつ、こつ”と規則的な音が響く。
猫二
「にゃ……。なんか……来るにゃ……」
雷電
「どすこい……。礼儀のある叩き方でござる」
餡子熊王
「……悪意はない」
チューブの入口が開き、二つの影が滑るように入ってきた。
魚人一族、来訪
一人は男。人間とほぼ同じ姿だが、腕や首に薄いひれが揺れている。
もう一人は女。こちらも人間に近いが、肩や腰に透明なひれが光っている。
二人は止まらず、常にわずかに動いていた。
男の魚人
「……ここが……アクア・プリン・タワー……?」
女の魚人
「……動いている……建物……」
咲姫を見ると、二人は全身のひれを震わせて跪いた。
男の魚人
「止まらぬ者……常に動き、常に考え、常に何かしている者……」
女の魚人
「我ら魚人にとって……最上位……」
咲姫
「にゃうにゃ?わたし、最上位なのです?」
新平
「(いや、違うと思う……)」
魚人の価値観
男の魚人
「我らは……止まれば死ぬ。動き続ける者こそ……尊い」
女の魚人
「あなたは……止まらない。思考も、行動も、概念も……常に動いている」
咲姫
「にゃうにゃ!ぷるぷるは動きなのです!」
魚人たち
「「ぷるぷる……=動き……最上位……!」」
魚人の能力
咲姫
「にゃうにゃ!あなたたちは何ができるのです?」
男の魚人
「海中移動……高速。水圧……耐性。海底作業……得意」
女の魚人
「水流制御……可能。海中生物との交信……少しだけ」
新平
「すごい……!」
雷電
「どすこい。海の礼儀を知る者たちでござる」
餡子熊王
「……悪くない」
海底温泉の異変と、魚人の働き
海底2.2NkQ階の温泉で、海底火山の熱が少し強くなっていた。
新平
「温度が上がってる……!」
男の魚人
「任せよ」
女の魚人
「水流……調整……」
二人が手をかざすと、海底の水流が静かに変わり、温泉の温度が安定した。
咲姫
「にゃうにゃ!完璧なのです!」
魚人たち
「最上位の者に褒められた……!」
新スタッフ、正式加入
咲姫
「にゃうにゃ!今日からあなたたちは、“海底管理担当”なのです!」
男の魚人
「……光栄……!」
女の魚人
「……止まらぬ者に仕える……誇り……!」
猫二
「にゃ……(=なんか宗教っぽいにゃ……)」
新平
「でも……助かる……」
雷電
「どすこい。良き仲間でござる」
餡子熊王
「……海と甘味は、相性が良い」
咲姫
「にゃうにゃ!これで旅館はもっと面白くなるのです!」
新スタッフを出さなきゃ回らないよね?って唐突に気付きました。
新人が100人ぐらいに分身すれば行けそうだけど、それは面白くないので、
咲姫の特徴を考え直してみました。
咲姫=(動く・止まらない・何考えてるかわかんない)
→動く=最上位。止まる=死だと考える種族が居ればいいんじゃない?と。
昨日より新作を出しています。
https://ncode.syosetu.com/n0250me/
コロラーレ・アルケミスト




