Nutral.30 裏側なのです!――アクア・プリン・タワー、スタッフたちの静かな日常
アクア・プリン・タワー温泉旅館。表側はいつも騒がしい。概念温泉、ぷるぷるチューブ、VIP騒動……。
しかし――裏側には、裏側だけの“静かな物語”があった。
ここでは、四人のスタッフの視点から、旅館の裏側を覗いてみる。
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「礼儀正しき湯」
雷電は、海底2.2NkQ階の大浴場を見回していた。
湯気が静かに揺れる。客の声は遠く、ただ湯の音だけが響く。
雷電
「……湯は、礼儀を映す」
張り手で整えた湯面は、今日も乱れない。
客が転びそうになれば、そっと支える。誰も気づかない速度で。
雷電
「どすこい……。この旅館は、騒がしいが……湯は、静かでよい」
彼は湯気の向こうを見つめた。そこには、誰にも語られない“雷電の役目”がある。
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「甘味の気配」
餡子熊王は、厨房の奥で餡子を練っていた。
静かに、ゆっくりと。甘味の気配を確かめながら。
餡子熊王
「……今日の餡子は、よく笑う」
餡子が笑うとはどういう意味か。誰も知らない。本人も説明しない。
ただ、餡子熊王には“わかる”のだ。
温泉餡子の湯気が厨房に流れ込む。その香りを吸い込み、彼は目を閉じた。
餡子熊王
「……甘味は、心を映す。今日の客は、よく眠れるだろう」
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「にゃ……」
猫二は、受付カウンターの上で丸くなっていた。
客が来るたびに、しっぽがぴくりと動く。
猫二
「にゃ……。今日も、いろんな人が来るにゃ……」
温泉プリンの香り。温泉酒の湯気。温泉にんじんっの残像。
猫二は、それらを全部“匂い”で感じ取る。
猫二
「にゃ……。この旅館、落ち着かないにゃ……でも……嫌いじゃないにゃ……」
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「常識の崩壊」
新平は、ロビーのソファに沈み込んでいた。
新平
「……今日も無事だった……いや、無事じゃなかった……いや、どっちだ……?」
概念温泉。ぷるぷるチューブ。VIPバイバイ。副作用。反転フィルター。
新平
「(常識が……どんどん……溶けていく……)」
しかし、ふと見上げると――客たちは笑っていた。
光る肌の客。ぷるぷるの客。視力が良すぎる客。プリンしか食べられない客。
新平
「……まあ、楽しそうなら……いいのか……?」
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「にゃうにゃ!」
咲姫は、旅館の中央ホールでくるりと回った。
咲姫
「にゃうにゃ!今日も楽しいのです!」
彼女は、雷電の静けさも、餡子熊王の甘味も、猫二の不安も、新平の絶望も――全部、“旅館の味”だと思っている。
咲姫
「にゃうにゃ!明日は、もっと面白いことをするのです!」
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エンディング
旅館の裏側には、表とは違う静けさがある。
語られないことが多い。説明されないことも多い。
だが――その余白こそが、アクア・プリン・タワーの“味”なのだ。
猫二
「にゃ……。明日も、何か起きるにゃ……」
新平
「(絶対起きる……)」
咲姫
「にゃうにゃ!次のイベントを考えるのです!」
働く者(?)たちの視点・思いを入れてみました。




