Nutral.25 泉質なのです!――概念変体の湯と、五種の甘味温泉
逆転タワマン旅館の建設が完了し、残るは“温泉そのもの”の仕上げだった。
海底2.2NkQ階――甘味地熱炉の真上にある大浴場は、すでに湯気が立ちこめている。
だが、その湯はまだ“ただの温泉”だった。
咲姫は湯面を覗き込み、首を傾げる。
咲姫
「にゃうにゃ……。これでは普通の温泉なのです。美肌とかリウマチとか、そんなのではつまらないのです!」
新平
「普通の温泉効果を“つまらない”と言い切るの、この世界で咲姫様だけですよ……!」
猫二
「にゃあ(=嫌な予感しかしないにゃ……)」
咲姫は、懐から小瓶を取り出した。
中には――にんじんっ(超激辛)+飲料ミルクプリンを混ぜ合わせた、謎の液体。
新平
「それは……何ですか……?」
咲姫
「にゃうにゃ!これは“概念触媒”なのです!この液体を温泉に入れると――化学反応ではなく“概念反応”が起こるのです!」
新平
「概念反応って何ですか!?物理法則の外側に行ってませんか!?」
雷電と餡子熊王は、またしても静かに頷いていた。
咲姫、概念触媒を温泉に投入する
咲姫は小瓶を開け、とぷり、と温泉に注ぎ込んだ。
すると――ぼふっ!!
温泉全体が琥珀色に輝き、湯気がぷるぷると震え始めた。
新平
「うわあああ!?温泉が……変形してる!!」
猫二
「にゃあああ!!(=湯気がプリン色にゃ!!)」
雷電
「どすこい……。これは“概念変体”でござるな」
餡子熊王
「……甘味と熱が融合し、新たな存在へと昇華している」
概念変体の結果:五種の甘味温泉が誕生
温泉は五つの泉質に分岐し、それぞれが独自の“概念”を帯び始めた。
①温泉にんじんっ
色:オレンジ
効果:飲むとテンションが上がりすぎて危険
☆うさちぁん専用
湯気が辛い
うさちぁん
「わーい!温泉にんじんっだー!これでお酒がもっと美味しくなるよー!」
新平
「飲む温泉じゃないですよね!?ね!?」
②温泉プリン
色:琥珀
効果:入ると肌がぷるぷるになる
湯面が低反発
たまにカラメルの香りがする
咲姫
「にゃうにゃ!これぞ“ぷるぷるの源泉”なのです!」
猫二
「にゃ……(=風呂なのに食べ物の匂いがするにゃ……)」
③温泉酒
色:透明
効果:湯気を吸うだけで酔う
うさちぁんが危険なほど喜ぶ
入浴後は足がふらふらになる
うさちぁん
「最高ー!!」
新平
「温泉で酔うってどういうことですか!!」
④温泉餡子
色:こし餡色
効果:精神安定・和の心
餡子熊王の“餡子蒸し”が可能
体がほんのり甘く香る
餡子熊王
「……これぞ和の湯だ」
⑤温泉卵
色:白濁
効果:入ると“とろとろの眠気”が襲う
卵ではないが、卵のように柔らかい湯
旅館の朝食に最適
新平
「温泉卵って……湯の名前なんですか!?卵を茹でるんじゃなくて!?」
咲姫
「にゃうにゃ!この湯で茹でると“概念卵”ができるのです!」
猫二
「にゃあ……(=概念卵って何にゃ……)」
五種の甘味温泉、正式稼働
咲姫は五つの湯を見渡し、満足げに頷いた。
咲姫
「にゃうにゃ!これで旅館の泉質は完璧なのです!普通の温泉では味わえない、“概念変体の湯”なのですよ!」
雷電
「礼儀正しき湯でござる」
餡子熊王
「……甘味の湯は、心を整える」
新平
「(もうこの街、温泉の概念すら超えてる……)」
猫二
「にゃ……。でも、ちょっと入ってみたいにゃ……」
こうして、世界初の“概念温泉”を備えた逆転タワマン旅館が完成した。
次回――どうなる!?
普通の温泉じゃ面白くないので、普通じゃない概念泉質にしてみました。




