咲姫がプリンに魅了された日
至高の魔王が、一個の乳製品に「完敗」した瞬間
咲姫がまだ「魔王(概念破壊の魔の王)」と呼ばれていた頃。
世界の理をねじ曲げ、天と地をひっくり返すことなど造作もなかった頃。
その咲姫が――
たった一個の乳製品に敗北するとは、誰が想像しただろうか。
◇◆◇
魔王、プリンを拒絶する
その日、咲姫は食堂にいた。
目の前に置かれたのは、ぷるん、と揺れる謎の物体。
「……なんなのです、これは」
「プリンですよ、咲姫さん」
「ぷ、プリン……?こんなプルプルしたもの……魔王の威厳に関わるのです!」
咲姫は腕を組み、完全に拒絶の姿勢を取った。
「わたしは魔王なのです。こんな……かわいい食べ物など……食べる必要は……」
ぷるん。
プリンが揺れた。
咲姫の視線が吸い寄せられる。
「……ぷるん……」
ぷるん。
「……ふにゃ……」
咲姫は慌てて顔を背けた。
「ち、違うのです!揺れたからといって……興味があるわけでは……!」
ぷるん。
「…………」
咲姫の心が揺れた。
◇◆◇
魔王、敗北の一口
「咲姫さん、一口だけどうぞ」
スプーンが差し出される。
咲姫は震える声で言った。
「い、いらないのです……わたしは魔王……こんな……かわいい……甘そうな……ぷるぷるした……魅惑の……」
自分で言っていて、顔が真っ赤になる。
「……一口だけなのです」
結局、咲姫はスプーンを受け取った。
そして――
口に入れた。
その瞬間。
◇◆◇
世界の理が書き換わる
咲姫の脳内で、何かが爆発した。
【至高魔王脳内ログ】
――甘い。
――やわらかい。
――とろける。
――幸福。
――世界。
――宇宙。
――理。
――プリン中心に再構築中……
――再構築完了。
咲姫の瞳が、星のように輝いた。
「………………」
スプーンを握りしめたまま、咲姫は固まった。
そして。
「……おかわりなのです」
魔王、陥落。
◇◆◇
プリン中心世界の誕生
その日を境に、咲姫の世界は変わった。
プリンを見ると目が輝く
プリンの気配を察知できる
プリンのためなら魔王の威厳などどうでもいい
プリンを前にすると語尾が弱くなる
プリンを食べると“良い表情”になる
そして何より――
「プリンは……反則なのです……」
この言葉が、咲姫の口癖になった。
◇◆◇
後の孝平が“プリン好き”を知っていた理由
この“魔王陥落事件”は、騎士としての孝平も目撃していた。
だから彼は知っていた。
咲姫がプリンを見ると、世界の理が揺らぐことを。
ぷ・・ぷりんは至高なのです~♪♪♪
挿入してる画像は咲姫のイメージの一つです。(モデルには及びません)
※AI生成画像




