瞳20:地下二階の警告――巨大な影と、スライムの主(ぬし)なのです!
男子部生が持ち帰った「未知の深度」
「……助かったよ、咲姫さん。あの冒険者には僕らも困っていたんだ。でも、彼が焦るのも無理はない。実はこのダンジョン……一階とは比較にならないほど、二階層(地下二階)の様子が異様なんだ」
男子部生が広げたのは、板に刻まれた即席の地下地図でした。
一階は単なる更地の延長のような空洞ですが、その奥に続く階段の先――地下二階には、これまでにない濃密な「甘い魔力」が充満しているといいます。
「地下二階の最奥、そこには小ボスが鎮座している。……信じられないかもしれないが、それは君が連れている彼らと同じ、『スライム』なんだ」
巨大な「彩」の壁――小ボスの正体
男子部生の話によれば、その小ボスは咲姫のスライムたちよりも遥かに巨大で、しかも「色が常に変化している」といいます。
「……赤になったかと思えば、2.2秒後には青に、そして黄色に。属性を次々と切り替えながら、侵入者を寄せ付けないんだ。僕たちの突貫部隊も、あの属性変化に対応できずに押し戻されてしまった」
その巨大スライムが放つ魔力は、学園の結界を侵食している源の一つである可能性が高い。咲姫は、肩に乗るプリンをそっと撫でました。
スライム同士の「共鳴」
「……地下二階に、スライムの主がいるのですか。……プリン、あなたはこの気配を知っているのですか?」
咲姫が問いかけると、プリンはバチバチと小さな火花を散らしながら、ダンジョンの入り口の方をじっと見つめました。他の三匹のスライムたちも、心なしかソワソワと体を震わせています。
「……この子たちが落ち着かないのは、主が呼んでいるから……それとも、主が『助け』を求めているからなのですか?」
咲姫の決意――「生活」を広げるための突貫なのです!
「男子部の人たちが手を出せないのなら、今度は私たちの番かもしれないのです。属性変化の公式さえ解ければ、あの主とも『約束』を交わせるかもしれないのです!」
咲姫の瞳には、かつての教祖時代のような盲目的な情熱ではなく、今ある「生活」を守り、広げようとする、がっちりとした意志が宿っていました。
「……おにぎりを食べ終わったら、私もその地下二階へ同行するのです!22NkQの余白(可能性)を信じて、スライムの主を解析しに行くのです!」
ダンジョンには小ボスがいる!?
それはどんな味がするのかな?
咲姫はワクワクしています。




