第四十三章:非情なる「結婚持参金」通告、そして「老後の安心」なのです!
「……さらっと。レッドキングダム軍団の粉砕加工、および梱包を完了。……純度100%の『宇宙一味唐辛子』として、全銀河の激辛マニアに予約完売しました。……売上高、220兆NkQ。……全額、今後の運営資金および『結婚持参金』として没収・積み立てます。アーメン」
会計・秘書のアリシアが、スパイスの熱気で熱くなったタブレットを冷徹に叩き、騎士の目の前で数字をゼロに書き換えました。
「……えっ。完済……じゃない!?没収!?しかも『結婚持参金』って何ですか!?誰の!?誰が払うんですか、それを!!」
騎士が、激辛の涙でボロボロになった顔を上げ、バキバキの瞳でアリシアに詰め寄る。
「……さらっと。決まっていることです。……この過酷なRPGを生き抜くための『今後の資金(老後の備え)』……そして、男たるもの、いざという時のための持参金は必須です。……全額、私が適切に管理(没収)します」
「……う、うがぁぁぁ!!私の、私の血と汗とスパイスの結晶が、まだ見ぬ|結婚相手《あるいはアリシアの財布》のために消えたーー!!私は、私は一生タダ働きなんですかーー!!」
騎士の絶叫が、赤黒い砂漠の地平線に虚しく響き渡る。
「あはは!いいじゃないかぁ~♪監督の美学は『宵越しの金は持たない』だからさぁ!ほら、サヤ!騎士くんがショックで動けないうちに、この売上で最高級の『熟成ハバネロ・テキーラ』を発注しちゃってよぅぅ!」
監督うさちぁんが、新装開店した「みしお・うさちぁん」号の荷台で、早くも宴会の準備を始める。
「……了解。サヤの魔導発注、起動。……魔法式『速達・銀河・デリバリー』……騎士様の未来の幸せを、今の監督の快楽に変換します。……南無」
魔法使い・サヤが無機質な瞳で杖を振ると、空から黄金の酒瓶が次々と降ってきた。
「にゃうにゃああああ!!撮れたのです!男のプライド(財産)が、一瞬で酒の泡と消える非情なリアリティ!咲姫アイ、今、全宇宙の既婚男性が涙する一枚を固定したのですー!」
咲姫が、絶望して砂漠に膝をつく騎士を、これでもかというローアングルで激写する。
「騎士さん、元気出してくださいっ♪お金がなくても、ボクの可憐さがあれば心は豊かになれるはずですっ!ほら、ボクが隣にいてあげますから、次の惑星へレッツゴーですよぉっ!」
男の娘・新人が、あざとく騎士の腕に抱きつき、その重い腰を無理やり立たせる。
「……あ。……あぁ。……結局、みんな、監督とアリシアさんの手のひらの上なんだね。……よし、騎士さん。……行こう。……僕のチュロスで、君の失った財産以上の『何か』を、次の星で見つけてみせるよ」
勇者・孝平が、悟りを開いた仏のような微笑みで、光のチュロスを杖に「みしお・うさちぁん」号へと乗り込んだ。
騎士の財産、アリシアによって「結婚持参金(男が払うもの!)」の名目で完全没収!
「老後の資金」というパワーワードに抗える者はいませんでした。
一行は、新たな酒と「誰かの犠牲」を糧に、再び爆走を開始します!
確定申告より怖いのがアリシアの会計




