第四十一章:爆走「みしお・うさちぁん」号、そして「激辛のスパイス砂漠」なのです!
「……さらっと。……正式名称、『みしお・うさちぁん』号として銀河交通局に車両登録情報を登記しました。……燃料は変わらず『酒とにんじんっ』です。アーメン」
会計・秘書のアリシアが、塩害でボロボロのタブレットに素早く新たなロゴを刻み込みます。
「あはは!最高だよぅぅ、孝平くん!私の名前を冠したロケ車なんて、監督の美学が宇宙の果てまで轟いちゃうじゃないかぁ~♪さあ、サヤ!この『みしお・うさちぁん』号のエンジン(ポニーの胃袋)に、特濃のジンを流し込んで爆走させちゃってよぅぅ!」
うさ監督が、新しく命名されたポニーの背中で酒瓶を掲げ、黄金の「にんじんっ」を釣り竿の先につるして鼻先にぶら下げた。
「ヒヒィィィィィン!!(にんじんっ!お酒っ!止まらないよぉぉ!!)」
「みしお・うさちぁん」号が、塩とチョコの大地を蹴立てて超光速で跳躍!一行を乗せた白塩城(を牽引する形)で、次なる惑星……赤黒い砂嵐が吹き荒れる「激辛スパイス惑星・ハバネロ」へと突っ込んでいった。
「……っ、ハ、ハックション!!目が、目が焼けるようです!空気そのものがチリパウダーでできているんですか!?騎士の、騎士の繊細な粘膜が、労働基準法を無視して破壊されています……!!」
騎士が、白塩城のデッキで鼻を真っ赤に腫らし、バキバキの瞳から大量の涙(ラー油成分)を流して絶叫した。
「騎士さん、だらしないですよぉ♪ボクの可憐な鼻筋だって、この辛さで『赤鼻のトナカイ』さんになっちゃいそうですっ!ほら、サヤさん!魔法でこの激辛を『マイルド』にしてくださいっ!」
男の娘・新人が、あざとく鼻をおさえながら、魔法使いサヤに甘えた声を出す。
「……了解。サヤの魔導中和、起動。……魔法式『冷却・マヨネーズ・バリア』……空中を舞うスパイスを卵黄と酢で包み込み、強制的にまろやかにします。……南無」
魔法使い・サヤが無機質な瞳で杖を振ると、城の周囲に純白の膜が張り巡らされ、激辛の嵐が「オーロラソース」のような霧へと変わった。
「にゃうにゃああああ!!撮れたのです!赤と白のコントラストが織りなす、味覚の戦場!咲姫アイ、今、全インドのカレー職人がひれ伏す一枚を固定したのですー!」
咲姫が、マヨネーズまみれになりながらも黄金のカメラを離さず、勇者・孝平の凛々しい(しかし辛さに耐える)表情を激写する。
「……うう、辛い……。でも、この『みしお・うさちぁん』号があれば、どんな砂漠だって越えられるはずだ。……行くよ、みんな!この惑星の奥に眠る『伝説の唐辛子』を、僕が浄化してみせる!」
勇者・孝平が、光のチュロスを構え、ポニーの背中から真っ赤な砂漠へと飛び出した!
命名「みしお・うさちぁん」号!
酒とにんじんっで駆動する、宇宙最速(迷走率含む)のロケ車が、激辛の砂漠を駆ける!
勇者の鼻は、果たして無事なのか!?




