Wデート③
しょーくんが他の女の子と遊園地でデートかぁ…。
正直不安だし、いや。
「あの、陽華がごめんなさい……」
「え?あぁ、久遠くんは気にしないで?」
「でも、陽華が……」
「うん……そうだね。正直不安だよ?」
萌咲も久遠くんも、あまり乗り物に乗らなかった。
だからずっとベンチで座って話をしていた。
萌咲としょーくんとの出会いから、ノノカちゃんのこと、ノノカちゃんとしょーくんのこと、その後のしょーくんのこと。全部話した。
「山森さん……」
「ごめんね、せっかくだし乗り物乗ろっか。」
久遠くんと一緒に乗り物に乗った。
閉店時間が近づいてきた時に、観覧車の方へ来た。
会って挨拶したあとに頼まれていたから、
「久遠くん、頑張って。」
「ありがとうございます。」
何かキッカケを作らなきゃ……と思った時しょーくんが声をかけてくれた。
陽華ちゃんが後ろを向いた瞬間、しょーくんに手を取られ観覧車に乗った。
「ちょ、しょーくん?!」
ドアがしまり、動き出した。
「……はぁ、やっと2人になれた。」
そう言ってしょーくんは抱きしめてくれた。
「萌咲顔に出すぎ」
「だって、他の女の子と……うぅ……」
「2人で来たことなかったからね。」
「でも、何で急に?」
手首を押さえつけられた。
「しょーくん……!?」
「他の男と、こんな密室で2人きりなんかにさせるかよ」
そのまま強引にキスされた。
「んっ……んん……」
いつも以上に激しくキスされる。
「しょー……」
「萌咲は、柘植さんと2人きりで観覧車乗って欲しかった?」
「……いや。」
男の子として会うのは久しぶりで、ドキドキしていた。
「萌咲……ドキドキしてる……?」
しょーくんの低い声に体が熱くなる。
七瀬ちゃんとして会うのは慣れてるけど、しょーくんとしては本当に久しぶり。
「しょーくん……もっと、ちゅーして?」
次、しょーくんとしてデート出来るのはいつになるだろう。
七瀬ちゃんとしてだったら毎日会えるのに。
結局、観覧車の中ではキスしかしてなかった。笑
観覧車から出ると、久遠くんが声をかけてきた。
「山森さん……あの……」
「しょーくん、またあとで連絡するね。」
萌咲は途中まで久遠くんに送ってってもらった。
……しょーくんと一緒がよかったな。




