Wデート
土曜日、遊園地にはあたしとあの男の人と、MOEちゃんと理人が集まっていた。
あの男の人はMOEちゃんも一緒って言う条件じゃないと行かない、と言っていたらしくWデートすることになった。
「初めまして…。小篠翔太と言います。」
「あ、えと、柘植陽華です…よろしくお願いします。」
近くで見ると、やっぱりカッコいい。
笑った顔が、七瀬ちゃんに似てる気がする。
一方MOEちゃん達の方も挨拶していた。
「MOE…山森萌咲と言います。よろしくね。」
「久遠理人です。今日は宜しくお願いします。あ、あの突然なんですが……」
「?」
あたしと小篠さん、MOEちゃんと理人で別々に乗り物に乗っていた。
「柘植さんは絶叫系乗れる?」
「はい!乗れます!」
ジェットコースターに乗って、コーヒーカップに乗って、メリーゴーランドにも乗った。
「実はまだ、萌咲とも遊園地来たことないんだよね」
小篠さんの口からボソッと聞こえた。
「え!?そうなんですか!?」
「あいつモデルやってたし、休みの日がなかなか無くて…”ノノカ”って子いたでしょ?」
「あ……確か半年前に刺されて……」
「俺の中学の時の友達で、萌咲にとってはいいライバルだった。だから亡くなってから無気力で、さ。仕事減っても連れていけなくて。」
そうだったんだ…初めての遊園地があたし何て……。
「小篠……さん。すいませんでした!」
「え?」
「あたしそんなの全然知らなくて。」
「それは仕方ないよ。さぁ、そろそろ閉まるし……行こうか。」
手を引かれ、出口に向かった。
「……小篠さん!」
ワガママ聞いて欲しかった。もう少しだけ話したかった。
「……観覧車、乗ってくれませんか。」
小篠さんは軽く頷き、観覧車の方へ向かった。
観覧車の受け付けのところでMOEちゃん達に会った。
2人も乗ろうとしていたのか。
「あ、しょーくん!」
MOEちゃんは嬉しそうに小篠さんのとこへ行った。
……今日はあたしの彼氏なのに。
「柘植さんあっち見てみ」
と指をあたしの後ろを指さした。
後ろを見ると花火が上がっていた。
「わぁ……綺麗……」
小篠さんの方を向くと、小篠さんとMOEちゃんは居なくなっていた。
「あ、れ?小篠さんは?」
「萌咲さんと観覧車乗ったよ。」
「え!?なんで!?」
「まぁ、僕らも乗ろうよ。」
あたしは小篠さんとじゃなく、理人と乗ることにした。
……小篠さんと乗りたかった。




