理人の気持ち
僕は陽華を家まで送り、自分の家に帰った。
「……何やってんだろ……」
あんなこと、するつもりなかったのに。
いつの間にか成長していたし……。
「もう、高校生だもんな。」
いつも一緒にいた。陽華からしたら僕はただの”幼なじみ”。
その一線は超えられない。絶対に。
「……嫌われれば諦めつくのにな。」
話さないようにしたのも、諦めがつくようにするため。
そうすれば陽華がイジメられることもない。
だから、この気持ちは……。
「理人〜お友達来たから家あげるわよ〜」
母さんだ。こんな時間に友達?誰だろう。
部屋のドアが開いた途端僕は息を飲んだ。
「は、るか?」
「……ん。」
私服に着替えてわざわざ来たのだろうか。
結構露出部分が多い服を着てきた。
「どうしたの、急に……」
「ご、めんなさい。さっきは……」
「あぁ、いいよ。僕こそごめんね。」
「あ、のね」
「陽華、立ってないで座りなって。」
「……うん。」
陽華は僕の目の前に座った。
「考えたの。小篠さんのこと。」
「うん。」
「でもね、あたし小篠さんのこと何も知らない。萌咲ちゃんの彼氏さんで、ノノカちゃんの元カレだってことしか知らない」
「うん。」
「それに、萌咲ちゃんには小篠さんじゃないとダメだと思う。今日ね、ノノカちゃんの話を始めた時萌咲ちゃん大泣きしちゃって。」
「……え」
「空き教室に入ったところまでは確認したんだけど、その後そこの教室に行くと小篠さんがいて…… 」
「え、でも小篠さんってうちの学校にいなくない?」
「……確かに……」
「佐藤さんといつも一緒なんだよね?」
「……うん」
「佐藤さんと小篠さんって一体どんな関係が……」
「ねぇ、理人」
「ん?」
突然、陽華に抱きしめられた。
「ちょ、ま、陽華!」
「……ごめんね、理人……」
「え?」
「理人が居ないとあたし1人ぼっち……」
「見てれば分かるって。」
「理人、そばにいて下さい」
「……僕と付き合ってくれるならいいよ。」
「えっ……」
「だめ?」
「……んーん……」
顔を真っ赤にする陽華が可愛くてキスをした。
その後自分でも何をしたかよく覚えていない。
陽華が言うには襲われた、って言ってたけど。




