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レボリティー・レポート  作者: アルフ
情報の町編
14/55

ヒイラギ・クエスト

 FRは、俺たちに突拍子もないことを告げた。


「だって、相手の攻撃は既に始まっているのだから」


「なんじゃt「イヤアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァ!!!!」


 エルナの言葉に被さるように俺は悲鳴をあげた。

 ゴキジェット! ゴキジェットを早く!!


「晴人……」

「あん!?」


 何だ!? そんなかわいそうなものを見る目で俺を見るな!!


「安心して、相手は二体だけよ」

「ノオオオオオォォォォォォォォォォォォォォ!!」


 流石だぜ黒の徘徊者! 俺たちは既に奴らに囲まれていたって訳か!!


「おぬしは何と戦っておるんじゃ……」

「危機感を感じているところ申し訳ないんだけど……君の考えはダダ漏れだよ?」

「なん……だって……?」


 じゃあゴキブリは……


「いないって、虫ってのはこの町に侵入した人間の呼び名。早とちりしすぎ」

「ほう」


 じゃあ囲まれては……


「そんなこと有り得んのじゃ。馬鹿が」

「馬鹿は余計だ」

「理解してもらえたかな? つまるところ君、柊晴人君の頭の中はその場にいる全員に筒抜けってわけ」

「なんだって!?」


 まあ俺は紳士として常日頃身を弁えているからエロい妄想とかはしないしー。頭覗かれてもどうってことないしー。


「身の危険を感じる」

「同じく」

「なんで遠ざかるんだよ!! クソッ、これは敵による工作だ!! 俺は悪くないっ!!!」


 俺の株が急暴落じゃねえか! これが敵の狙いだっていうのか!!


「乗り気になってくれたみたいだね。改めて説明させてもらうとこの町に侵入者がいる。彼らの目的は不明だけど、おそらく世界中の情報が集まるここを占領して裏から世界を操るつもりだと思う」


 情報って怖いな。世界を支配できるのに行動に移さないのはやっぱ情報屋としてのプロ意識があるからだろうか。


「何考えてるのよ。情報屋なんだからあたりまえじゃない」

「悪い、ついつい……」


 そういや俺の考えがわかるんだったな……自重しなければ。


「えと、だからそんなやつらを放っておくわけにはいかない。なので君たちに彼らをここから追い出してほしい。手段は問わない」


 ほう……。


「なら―――殺してしまってもいいんだな」

「そんなことは無理だッ!! お前らはここで倒されるのだから!」


 謎の黒服×2が現れた。


「誰だ!」


 エルナは叫んだ。


「敵の奇襲か!?」


 晴人は気付いた。


「ダメッ!!」


 FRは晴人とエルナに訴えかけた。


「(ダメ? 何のことを言ってるんだ?)」


 謎の黒服Aの攻撃! 晴人に体当たりを仕掛けた。


「(遅いぜ! これぐらい――――っ!!? 動けねえ!?)」


 晴人は十のダメージを受けた。


「(何だこれ!? 体がびくともしない!! これも敵の攻撃の一部か……っ!!)」


 謎の黒服Bの攻撃! エルナに体当たりを仕掛けた。


「あぁっ!!」


 エルナは十二のダメージを受けた。


「――っ(ダメだ! 声すら出せねえ!!)」


『晴人たちはどうする』


「(何だこのフキダシは)」

「しゃべっちゃだめよ。まず彼らを倒して!」


 FRは説明した。


「(エルナっ!!)」

「承知!!」


 エルナは刀になった。


「おお! この状態だったら余も自由に喋れるぞ!」


 理由は分からないが喋れるに越したことは無い。


「(そうか、助かる)」

「とりあえずあの雑魚共を真っ二つじゃ!!」

「(わかってる!)」


 晴人の攻撃! 謎の黒服Aに斬りかかった。

 謎の黒服Aに二十八のダメージ。

 謎の黒服Aは倒れた。


「(次!)」

「……どうしたのじゃ?」

「(動けねえんだよ…ッ!!)」

「どうなっておるのじゃ……」


 謎の黒服Bの攻撃! 晴人に体当たりを仕掛けた。


「痛っ!(こいつら体当たりしかできんのか?)」

「どうやらそのようじゃの。奴ら、あの体当たりに余念が無い」


『晴人たちはどうする』


「(どうやらこのフキダシが出たら俺らが行動できるみたいだな)」


 晴人の攻撃! 謎の黒服Bを切り裂いた。

 謎の黒服Bに三十のダメージ。

 謎の黒服Bは倒れた。


『晴人たちは勝負に勝った。晴人たちは五十の経験値を得た』


「経験値だと?」


『テレレレーン。晴人はレベルアップした。晴人はガードを覚えた』


「レベルアップじゃと!?」


『テレレレーン。エルナはレベルアップした。エルナはホイムを覚えた』


 ホイムって何だよ(笑)


「おめでとう。エルナ」

「おぬし心で馬鹿にしておるじゃろ……」

「いっやー、べっつにぃー」


 馬鹿になんてしてませんよぉ~。


「まあよいのじゃ。してFR、いまのは何だったのじゃ?」


 FRは驚愕の真実を口にする。


「あれは、ロールプレイング……いわゆるRPGよっ!!」

「「RPG!?」」

「君たち、ステータスを開いてみて」

「おk――ってできるかっ!!」

「こうかの?」

「できてらっしゃるぅぅぅ!!」


 くそっ、どうすんだ!? わからん、とりあえず……気合だッ!! ウオォォォォォォォォォ


『名前・ハルヒト。職業・勇者――』


 あっ、できた。


「やっぱり……」


 FRは予想通り、というふうに呟いた……ってハイ? ボクが勇者?


『特技・保守――』


「保守って何だよ!」


 勇者保守的ってどうすんの!? 魔物倒しにいけないじゃん!! 旅立たないじゃん!!!


「心の内ではツッコミがキレッキレじゃのう。晴人はいつもそのツッコミが出来ればよいのじゃが……」

「できてもやらんわ。恥ずかしい」


 まあこれぐらいのツッコミ俺にとっては朝飯前なんだけどね。


『特記事項・心の声』


「やっぱすごいんだ。心の声」

「当たり前だよ。喋るのにも戦闘中の行動にカウントされてしまうんだし」

「カウントってなんだ?」

「さっきの戦闘で感じなかった? あれはRPGを模したもの。つまり、何らかのアクションが行動としてカウントされてしまう。例えば話すとか、飛ぶとか、避けるとか。自分がアクションを起こしたら敵のターンが終わるまで何もできない。でも、晴人君の心の声はいつでも使うことができる」

「自分でも制御できないくらいにな」


 まったく、こまった能力だぜ。


「そう。その能力で喋れるのと、何も喋れないのは天と地ほどの差よ」

「余は?」

「目が輝いてやがる…」


 安心しろ。お前はどうなろうが、ただの村人Aだ。


「何じゃと!? 保守的勇者!」

「わかんなかったか? つまりお前はストーリーで二番目に訪れる村の入り口で、ここは○○村だよって言ってるやつだ、って言ったんだ」

「うろさい! 勇者だからって調子づきおって……」

「エルナ君は……なんだったのあれ、急に刀に変形して」

「あれは余だけが持ち得る特別な能力じゃ! ステータスにも書いてあるはずじゃ」


『名前・エルナ? 職業・無職。特技・変身。特記事項・BBA』


「……………………」

「なあエルナ。職業むしょ―――」

「特技を見ろ!! 特技を!!」

「変身って書いてあるわね。あなた本当に人間?」

「名前に?マークついてるじゃん」


 特記事項BBAって、俺だったら泣くな。


「BBAじゃないわっ!! 見ておれ、余にはまだ奥義が残されているのーじゃっ!!」


 エルナは掛け声をあげ、光に包まれた。眩しいんですけど。


「何!? これはすごい情報をゲットしたかも!!」

「一体、BBAが何をするというのだーっ!!」


 うん、俺迫真の演技。

 光が収まり、エルナは再び姿を現した。その姿は……。


「よっ……」

「どーじゃ! これがわれのちからぞ!!」

「よっ……!?」

「はーっはっはっはー!! ひざまずけ!! ぐみんどもっ!!」


『特記事項・天使』


「「幼女!!?」」


 なんてこった……BBAがかわいい天使になってやがる!


「ちょっ、記念に一枚!」

「控えていただこう。エルナちゃんの保護者として、あなたの行動を見過ごすわけにはいかないッ!!」


 あくまで保護者としてだ。深い意味などありはしないさ。


「どいて晴人君!! 君はエルナちゃんのかわいい姿を残したいとは思わないのかっ!?」

「ああ残したいさっ!! 永久保存版で頼むッ!!!」


 おっと本音が出てしまったか。


「ふぇぇ、おにいちゃんたち、こわいよぉ……」


 えっ、エルナが可愛いだと……!? 俺は今までなんて馬鹿だったんだ……っ!! 抱きついてhshsする機会だって何度でもあったはずだ……っ!! ※幼女に限る。


「(可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い」


 おい、途中から声に出てるぞFRさんよ。くそ~可愛いぜ~」


「君もな」

「……プッ、アハハハハハハハハハハハハハハ。晴人もFRもなんじゃその反応は! おかしすぎて笑いが堪えられんぞ!!」

「あん?」


 こいつまさか……


「その通りじゃ晴人。見た目は幼女、中身は大人。その名は名探偵え「BBA」こらーっ!! BBAきんしーっ!!」

「ちょっとエルナちゃん君。キャラ使い分けないでもらえます? あざといんですが……」パシャッ。

「写真を撮るでない。折角変身した意味がないではないか!」

「意味ならあるぜ。エルナ」

「そうですよぅ。私たちに一時の萌えを味わわせてくれる。これ以上の意味なんて必要?」

「おぬしら、本当に変態じゃのう……きもちわるい」

「「誰が変態だ」」


 失敬だなあ。俺は紳士なんだ。生粋のなっ。


「晴人。おぬし今自分のキャラが崩れ去っているということを自覚しておるか?」

「俺は俺であり俺なんだ。つまりいつも通りだ」


 幼女エルナちゃんは可愛いなぁ……。


「あっそう(こやつと話しても時間の無駄じゃの)FRよ」


 パシャッ、パシャッ「え? なにかなー? エルナちゃーん? そうだ! おねえちゃんとおままごとしようか!」


「(ダメだこいつら……早く何とかしないと)」


 エルナちゃんは光に包まれた。


「!!? まさか、この光は!? やめるんだ!」

「待ってエルナちゃぁん!! せめてパン○ラだけでもーっ!!!」


 時すでに遅し。エルナちゃんは元のエルナ(BBA)に戻ってしまった。


「さあ行くぞ晴人。魔王対峙じゃ!!」

「……はーい…」


 可愛いエルナが拝めないのは残念だが、FRの依頼を達成させないことには話が進まん。やれることをやるしかないようだ。


「ようやく自分の役割を理解したようじゃな」

「は?」

「晴人は職業勇者じゃ。これは敵が何らかの工作をしたのじゃろう。世界がRPGとなりおぬしが勇者ならその役割は魔王討伐ただ一つ!!」

「はあ」


 勇者といいますが俺はただの小市民な男子高校生なのですが。


「晴人君にできなかったら誰がするの!? 今やこの町の……いや、この世界の運命は君に委ねられているんだよ!!」


 町を救うRPGとはこれまた斬新なことで。


「三〇〇〇年について知りたいのでしょう!? 侵入者を排除できたら私の知ってることすべて話すからっ!!」

「さっき撮ったエルナの画像見ながらそんなこと言っても信用ならないんだが」

『町を救いますか?』


 RPG特有のフキダシが俺の頭上に現れた。


「知ってるか? 有名RPGじゃ重要な選択肢は……」


『町を救いますか? はい←

          いいえ 』


「はいしか選べない仕様になってんだよ」


 救ってやろうじゃないか。

 この俺如きに救える世界ならな!

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