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身長差50cmの恋  作者: Last Life
13/72

第十三話 決断

*海で自分の気持ちと向き合い優子への返事を決めた直也は、1月最後の平日の

休みに優子に会って返事しようと決める。連絡を取るにも電話しかないし、ポケベルも持っているとは聞いた事なかったので、夜23時にワンコールして、電話を待つことに決めた。



<直也>

・23時になり。受話器を上げて電話番号を回し、ワンコールで切る。

(電話機の前で待つ)

するとすぐ電話が鳴る。直也がとる。もしもし。優子さん?


<優子>

・もしもし。直也君?こんばんは。

   

<直也>

・こんばんは。遅くにごめんなさい。時間も遅いから用件だけ言うね。

この前の返事をしようと思うんだけど、優子さん俺明後日休みだから、会って返事するよ。いいかな?


<優子>

・明後日ね。いいよ。時間と場所は?


<直也>

・優子さん仕事17時まででしょ?だから、優子さんの会社の近くのバス停近くのホームセンター駐車場に17時15分でどうですか?俺車で迎えにいくから。


<優子>

・わかった。17時15分ホームセンター駐車場ね。じゃ~明後日ね。


<直也>

・じゃ~。明後日お休みなさい。


<優子>

・おやすみなさい。



*約束当日は、直也は、17時前には、バス停の近くのホームセンターの駐車場に車を停めて待っていた。まだ1月末なので、夕方になるとかなり寒く、優子の勤務する町は、山沿でかなり寒い。少し雪も降ってきた。

17時を伝える時報が車のラジオからなった。後15分か~と思いながら、ホームセンターの自販機からコーヒー2本を買って優子の帰りを待った。すると外がかなり吹雪で見通しが悪くなって来た時に、優子の姿がうっすら見えた。直也は、あまりにも大変そうな優子を見て思わず車を降りて優子の元へ向かった。優子も気付いてくれて直也君こんなに荒れるときごめんなさいといいながら、直也の差し出した手を握り車まで来て助手席を開けて、優子を乗せた。

ホットコーヒーを手渡す。


<優子>

・コーヒーありがとう。こんな吹雪になるとは思わなかった。でも来てくれてありがとう。約束ちゃんと守ってくれて。


<直也>

・こんな吹雪見たことないから正直びっくりしたよ。約束は守るよ。

  

<優子>

・あたたかいうちに、コーヒーいただくね。

(美味しそうに飲む優子)


<直也>

・飲みながらでいいから聞いて。この前約束した返事なんだけど話していい?


<優子>

・ちょっと待って。少し気持ち落ち着けるから。ごめんね。心の準備が必要だから。準備してきたつもりだったけど。いざとなるとね。


<直也>

・いいよ。聞ける状態になったら、話して頂戴。


*お互いに5分位無言でコーヒーを飲む。優子との間が直也に変な緊張に変わって行った。

すると優子が直也君準備出来たから、返事お願いします。優子は吹雪で視界がないフロントガラスの正面を見て、両手を自分の膝の上に置いた。直也は返事をする前に、軽く目を閉じて欲しいと話した。優子は頷いた。直也は優子が目を閉じたのを確認して、俺の返事はと言って左手を優子の肩に回して、優子を軽く自分の方に抱き寄せて、目を閉じている優子の唇に優しくキスをした。優子の左手も自然に直也の腰付近に手を回してきた。1分ほどその状況が続いた。そして直也が優子の左の耳元で、これが俺の返事ですと話すと優子は、嬉しいと言いながら、直也に抱きついてきて、優子の目から涙が出てきた。直也はポケットからハンカチを取りだし涙を優しくふき取った。


優子は、泣きながらこう言った。この涙は嬉泣きだよ。私ね。振られるとばかり思ってたし、今日で直也君とは最後と覚悟してきたから、本当に嬉しい。付き合ってくれるんだ。直也君夢じゃないよね?夢じゃ?と繰り返し聞いてきた。


夢じゃないよ。現実だよ。と直也は答えた。

車の外は、見通しがきかないくらいの吹雪なのに、車の中は、直也への思いが叶った優子は、とても春めいた気持ちになっていた。

 

<直也>

・優子さん。この吹雪だから、このまま車で自宅まで送るから。

<優子>

・私。バスで帰るから大丈夫。送って貰うのは嬉しいけど、直也君の帰り道が心配だから。それに、私今日とても素敵な記念日になったし。とても幸せだよ。

バス時間まで後10分あるから、時間までこのまま車で待たせて貰っていい?

<直也>

・優子さんの言葉に甘えて、バスに乗るのを見送って帰る事にするよ。

これからの連絡は、今まで通り電話で23時ワンコールにしようよ。いいかな?

<優子>

・いいよ。後ね。直也君に付き合って貰えたら話そうと思った事があるのね。

私ね。1週間に1回新聞に恋愛メッセージと言うコーナーがあって、私ペンネームで直也君への思いを投稿してたの。木曜日の朝刊にそのコーナーあるのよ。知らなかったでしょ?

<直也>

・え?そうなの?全然知らなかった。俺へのメッセージ?どんなの書いてくれたの?

教えて~。 

<優子>

・内容は恥ずかしいから、自宅に帰ったら、新聞ひっくり返してみて頂戴。

<直也>

・優子さんがせっかく投稿してくれたのだから、帰ったら見てみるよ。

で?ペンネームは何て?

<優子>

・ペンネームは、○○ラブストーリーに出て来る。○○○リカだよ。

きっとすぐ分かるよ。

<直也>

・なるほど。ペンネームもう分かったよ。楽しみに読ませてもらうよ。

<優子>

・ちょっと恥ずかしいけど、私の思い。今日叶ったからこれからも投稿しないと。

<直也>

・これから楽しみにしているね。優子さんそろそろバス来る時間だよ?

<優子>

・バス時間だね?直也君今日は本当に嬉しかった。これからも宜しくね。

直也君も帰り安全運転で帰ってね。じゃ~帰るねと言った優子は、助手席のドアを開けて、バス停に向かった。



*直也は、優子がバス停からバスに乗って行く姿を見てから、安全運転で自宅へと向かうのであった。帰りの車の中で、直也は、優子の嬉しそうな表情を思い出して、海で自分と向き合って答えを出したことに、満足していたのであった。

直也の心の中には、優子をほっとく事が出来ず、気になった時から気持ちが傾いてひかれていたのだとハンドルを握りながら改めて感じる直也であった。

優子もまた帰宅途中のバスの中で、直也からのOKの返事を貰ってとても幸せな気持ちに浸っているのであった。

優子の思いが直也に届き、付き合う事になった2人である。しかし恋愛の神様からの新たなる試練が・・・。この2人に次なる試練が・・・。


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