第24話 ありがたや、ありがたや
猫と神様が結びつかなくて、首をかしげる。
「神様っていうよりかは精霊に関係することなんだが、精霊は神様の子供たちだと言われてる。そんで伝説ではこの街は、末の精霊が生まれた場所なんだとさ。」
「それと猫に何の関係があるの?」
「ここで生まれた精霊の姿が猫にそっくりだったんだと。だから、この街では特に猫を大切にしてるんだ。」
「そうなんだ。ありがたいねー。」
思わず会ったこともない精霊様に感謝する。
ありがたや、ありがたや。
「まあな。んで、それをよく思ってないのが林にいる奴らなんだ。」
「どうして?」
「そりゃ、猫ばっかり優遇されてたらいい気はしないだろ。でも、街の人間たちだって猫以外の動物を無下にしてるわけじゃないぜ。」
「そっか、確かに猫ばかり可愛がられてたら寂しいよね。」
「かもな。この辺り一帯、精霊の加護かなんかで肥沃な土地らしいからな、それはあの林だって例外じゃない。食うには困らねぇはずだ。それでもあいつらには、俺達の方が幸せそうに見えるんだろうな。」
私幸せだよ。かあさまはいなくなっちゃったけど、ブランシュさんやボスさん達は良くしてくれるし、おじいさんやジェイクさん達人間の皆さんも優しいから。
「みんなで仲良くは出来ないのかな…」
「さあな、ずっとこうだからな。ま、そういうことだから、あんまり林には近付くんじゃないぞ。」
「…うん。」
そういえば、ミルクをくれた子にお礼を言ってなかった!
「でもブランシュさん、林の近くにある学校?みたいなところになら行ってもいいでしょ?」
「学校?」
「うん。子供がたくさんいるところ!」
「ああ、街外れにある孤児院か。でもなんでまたそんなとこに行きたがる?」
「実はそこで、ミルクを貰ったのにちゃんとお礼を言えなかったの。ご飯を貰ったら、言葉が伝わらなくても毎回お礼を言っていたから、何だかモヤモヤしているんだもん。」
あとついでに祭壇に行って、人魂の正体を暴いてやるんだ!昼間なら怖くないもんねー。へへん。
「まあ林に近付かないならそれでいい。今日これから行くのか?」
「うん!善は急げってね。」
「そうか、気をつけてな。」
ブランシュさんはそう言って裏庭の日当たりの言い場所でくるりと丸まった。
「はーい!いってきまーす!」
私はブランシュさんに見送られながら、昨日のしょげた気持ちなんてすっかり忘れて、元気に孤児院まで走り出したのだった。
ひゃほーい。今日もいい天気だなー!
孤児院に着いても、建物の庭には子供たちは見当たらなかった。
建物に近寄り、そっと窓から中を覗くと、子供たちが机に向かい勉強をしている姿が見える。
「えらいなー。勉強してる。」
同じ部屋の中、大きい子も小さい子も皆それぞれ小さい黒板の様なものを使って、私には読めない字を書き連ねていた。そのなかに、昨日ミルクをくれた男の子を発見する。隣にはあの小さな女の子もいた。
「邪魔しちゃ悪いよね。そうだっ!先にあの祭壇に行ってみようっと。」
そうして窓から離れると、祭壇へと向かったのだった。
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ありがたや、ありがたや。




