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第18話 やっぱり魔法あるんだ

「ふあ~~~。よく寝たぁ。」


うーん、ヨガの猫のポーズ。なんてね、今は本当に猫なんだよねー。


この街に来てからおそらく数週間が過ぎた、と思う。

多分ここは地球とほぼ変わらない条件の惑星なんだと思うんだ。太陽は東から昇って西に沈むし、

人間や動物の見た目も似たような感じだし、時間の流れも体感的には変わらない気がしてる。


ただ決定的な違いが1つ。

魔法が存在しているんだよーーっ!

ジェイクさんに助けられた時に見た、手のひらにいきなり湧いた水は、やっぱり魔法で出されものだったの。




あれはブランシュさんと一緒に、骨董屋のおじいさんの所でご飯を貰っていたとある日の話。


食べ終わったお皿を見ながらブランシュさんがひと鳴きする。


「じいさん、水もくれ。」


「ん、ああほらよ。」


そう言って、お皿の上に手を翳すと、みるみる水で満たされていった。


「すごーいっ!これなにっ!魔法?魔法なの?ブランシュさん!おじいさん!」


興奮して二人の間をぴょんぴょん跳ねながら行ったり来たりする。


「「落ち着け、オヴィ。」」



二人は同時に告げると、おじいさんは私の頭を撫でて、ブランシュさんは尻尾で地面を軽く叩いた。それにしても、二人とも息ぴったりだね。



「はい。落ち着きます。」


お皿に出されたばかりの水を、ちょびちょび飲んでから一息つく。


「このお水って、もしかして魔法で出したの?」


「そうだぜ。人間たちは魔法ってのが使えるらしいぞ。中々便利だよな。」


なんてことないかのようにブランシュさんが教えてくれる。その間もおじいさんは私を撫で続けている。


「ねぇねぇ、おじいさんってもしかして凄い魔法使いなの?」


おじいさんを見上げながら質問すると、代わりにブランシュさんが答えてくれた。


「殆どの人間は生活魔法ってのが使えるみたいだぜ?まあ、僅かな水と小さな火くらいなもんらしいがな。」


「へぇー。すごいねー!猫にも魔法が使えるかなっ?」


「さあな。魔法使ってる猫なんざ見たこと無いがな。」


ブランシュさんは興味が無いのか怠そうにそう答えた。



ま、結論から言うと猫には魔法は使えませんでした。お水や火を出そうとしたけど、うんともすんともいきませんでした。

…魔法があると知ってしまったら憧れてしまうのが、日本人のさがってもんですよ。

まあ野良猫には魔法なんて関係ないかー。運があるんだか、ないんだか。



そんなこともありつつ、今は毎日歩き回って、自分だけの寝床とご飯をくれる人を探しているんだ!


どちらも一つは確保してるんだよ!

ボスへ挨拶に行った次の日の朝、起きたらブランシュさんのベッドの隣に小さなベッドが置いてあったの。へへ、私のベッドだよ!あれから3日に1回はおじいさんの所で、ご飯を貰ってから寝てるんだ!


だけど野良猫にとって、自分だけしか知らない寝床やご飯の場所は大事な生命線だからね。それを教えてくれたブランシュさんには、感謝してもしきれないよ。ありがたや、ありがたや。




ありがとうございました。

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