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ノイレン〜黒の純真  作者: 山田隆晴
第七部『そして伝説へ』

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96/96

96「言い得て妙だな。」

 カーツォ商会キニロサ支部に働く人たちはこの数日、午前中に行われる、ある意味緊迫したダンスの練習風景を楽しんでいた。

「支部長と会長代理、だいぶ剣舞がお上手になりましたね。」

「本当に。たった3、4日でここまでできるようになるとは。」

「さすが姉妹。」

「二人でやるダンスって初めて見たけど、なかなか面白いものだな。」

「そうね、息を合わせてぴったり同じに動くのって、見てるとなんか不思議だわ。」

 支部の人たちは、姉妹の息の合った動きに感心してその練習風景を眺めている。

「サフィア、もう少し早く動け。私とずれてるぞ。前の動作からの切り替えのとき手と足をこう動かすといい。」

 ナディアはワンテンポ遅れる妹に的確な指示を出している。自分もダンスは初めてなのにぎこちない妹の動きを気遣っていた。

「姉さんもう一回いい? さっきのところからやり直したい。」

「わかった。いくぞ。せ~の、」

 ノイレンが何も言わなくてもナディアがサフィアの面倒を見ている。

「ナディア支部長ってやっぱりお姉さんだね。ほら、ああやってさりげなくサフィアさんを気遣ってる。」

「普段からお優しい方だけれど、サフィアさん相手にはお姉さんというのがぴったりね。」

 支部の人たちはナディアの穏やかな表情にほほえましさを感じていた。


「お~、いいじゃん。ナディアさすがだぜ。」

 黙ってみていたノイレンはナディアのアドバイスでサフィアの動きが良くなっていくことに感心した。

「サフィアもっと手を上げろ。それだと私と釣り合いが取れん。」

「そうだぞサフィア、あんたは姉ちゃんより背が低いんだからもっと手を上げないとユニゾンの見栄えが悪くなるぞ。ほら姉ちゃんをよく見ろ。ステップは軽やかに! 手に気を取られすぎんな。」

「やってるでしょ! なによもう、よってたかって。ちょっとは褒めてくれてもよくない?」

 するとノイレンの代わりにナディアが彼女を褒めた。

「わずか5日でそこまで出来るようになったんだ。すごいぞサフィア。たいしたもんだ。お前ならできる、諦めるな。」

 ナディアはノイレンに教えられた振りをサフィアの隣で華麗に再現している。

「なんで姉さんそんなに飲み込みが早いのよ。なんかずるい。」

「ナディアは剣術をやってっから体の動かし方が分かってんだ。それに型を覚えんのが得意なんだろ。」

 ノイレンの冷静な分析がサフィアの神経を逆なでした。

「どーせ私は鈍いわよ。」

 まるでタツノオトシゴのようにサフィアはにゅっと口をとがらせて文句を言った。

「だから舐められないように普段から活動的な(ああいう)恰好してんだろ? 足を見せてんのも、下心がどうのなんてより自分を強く見せたいからだ。」

「な、なんでわかったのよ。」

 ノイレンの的確な指摘に面食らったサフィアは恥ずかしさで赤面した。

「あはは、タツノオトシゴがタコになったぞ。」

 ノイレンがいたずらっぽく笑った。

「あっはは、言い得て妙だな。」

 ナディアもそれに乗っかってにこやかに笑った。

「なによなによもう! 二人して私をバカにすんだ。」

 サフィアは悔しそうにノイレンを半目で睨んだ。ノイレンはそれを見てまたいたずらっぽく笑った。


「もらった!」

 ノイレンがサフィアのことでニカニカ笑っている隙をついてナディアが攻撃を仕掛けてきた。が、ノイレンはナディアのほうを向くこともなくひょいとあっさり躱した。

「ちっ。」

 自分に視線を向けることもなく回避したノイレンの揺れるポニーテールを睨みつけてナディアは舌打ちした。建物の中から中庭を覗いている支部の人たちはそれを見て口惜しそうに肩を落とした。

「ああ、惜しい。」

「サフィアさんが連れてきたあの剣士とんでもないな。まるで背中に目があるみたいだ。」

「まったくだ。ナディア支部長が全く歯が立たないなんて。」

「見れば支部長より若いのに。」

 支部の人たちは皆ナディアの味方。ノイレンが躱すことよりもナディアの攻撃が決まることを期待してやまない。

「支部長がんばってください!」

 そんな励ましが飛んできてナディアは少し照れくさそうな色をその顔に浮かべた。

「あんた支部のみんなに慕われてるんだな。」

 ノイレンは腰に手を当てて、中庭をのぞき込んでいる支部の人たちをぐるっと見回した。

 ノイレンの言葉を受けてサフィアも動きを止めて周りを見回した。彼女と目が合うと支部の人たちはぺこりと頭を下げた。

「やっぱり姉さんすごいわ。これだけの人望を集めるなんて並大抵じゃない。」

 サフィアはナディアの目を見た。

「これだけの人望があって、母さんを恨んでいたら、乗っ取って独立しようってのもわかるわ。でもそれだけは認められない。」

「ふん、阻止できるものならやってみろ。見ての通り支部のみんなは私に付くぞ。いくらお前でも皆を引き込むのは無理というものだ。」

 ナディアは不敵な笑みを浮かべた。

「そうね。この支部のみんなを私に付かせるのは難しいでしょうね。だから姉さんには乗っ取りを諦めてもらう。そして私と一緒に商会を盛り立てていくの。」

「いくらお前の頼みでもそれだけは聞けん。シャリーに一泡吹かせねば気が済まん。」

「ふふ、私の計画を聞いてもそんなこと言っていられるかしら。絶対姉さんは乗ってくるわ。」

 サフィアは思わせぶりな目つきでナディアの目の奥を見た。

「ほう?」

「そんな顔しても今はまだ教えないわよ。さ、練習しましょ。ノイレンがさっきからジト目で睨んでるわ。」

「わかってんなら余計なこと言ってないで練習しろよ。デビューは明後日なんだぞ。」

 練習の手が止まっている二人に文句を言うノイレンにナディアはブロードの切っ先を向けた。

「私らの本番が早いか、お前がくたばるのが早いか。」

「へっ、やれるもんならやってみろ。」

 ノイレンがニカっと笑ってナディアを挑発するとナディアはニヤリと口角を上げる。するとサフィアがまたタツノオトシゴになった。

「二人とも言ってることは過激なのに、妙に楽しそうなのよね。なんか腹立つわ。」


 真冬といえど昼近くなれば四棟の建物に囲われた中庭にも陽光()が射してくる。ノイレンの腹時計が鳴いて5日目の練習が終わった。

「今日も黒髪を仕留められなかったか。」

 ナディアは鋭い目つきでノイレンを睨んだ。

「へっ、その分ダンスが上手くなってんだからいいじゃねーか。あんたはサフィアに教えるのも上手いしな。」

 ノイレンはニカっと笑った。サフィアが借りていたダガーを姉に返した。

「姉さんこれ。ありがとう。」

 返してもらったダガーを鞘に納めてからナディアは妹の目を見て褒めた。

「サフィア、だいぶよくなったな。お前は飲み込みが悪いんじゃない、体の動かし方が分かってないから要領が悪いだけなんだ。」

「ううう~。ありがとうと言うべきところよね。でもなんか素直に喜べないんだけど。」

 どのみち悪いと言われてサフィアは口を尖らせた。

「あはは、そうやって口をとがらせるのは小さい頃と同じだな。」

 ナディアは面白そうに笑った。

「へえ、サフィアって昔からタツノオトシゴだったんだ。」

 横からノイレンがいたずらっぽく笑ってツッコんできた。

「誰がタツノオトシゴですって?! フグのくせに。」

 するとノイレンはぷうと頬をリスのように膨らませた。

「フグじゃねえ。」

 二人のやりとりを見ていたナディアと、まわりにいた支部の人たちから笑い声が上がった。



 あと二日なんてあっという間に過ぎ、ナディアとサフィアの姉妹が剣舞のユニゾンを披露する日が来た。

「ま、こんなもんだろ。たった一週間でここまでできりゃ上出来だよ。」

 ノイレンが二人を前にして、人差し指で鼻をさすってにやりと笑った。

「自分が情けない。結局黒髪を仕留められず、こいつの言うがままにダンスせねばならんのか。」

 ナディアは悔しそうに唇を噛んだ。しかしその表情のどこかにそれとは違う感情が見え隠れしている。

「ねえ、本当に人前で踊るの?」

 サフィアが不安そうに訊いてきた。

「当たり前じゃん。酒場には話をつけてきたって言ったろ。だからわたしはこの一週間毎晩顔を出しに行ってたんだぜ。」

「それってあなたが踊りたいだけでしょ。」

「あはは、それもある。」

 ノイレンは支部の取扱品の中からダンス衣装を見つけ出して一着用立ててもらっていた。そして毎晩それを着て酒場で踊っていた。おかげで”お小遣い”に不自由していない。

 だから今日のレッスン中は二人にダンスを教えながら、買ってきた菓子を時折ひょいぱくと食べていた。ナディアに油断していると思わせるのと、サフィアが上手く踊れた時に”ご褒美”として与えるために。

「約束通り今夜はサフィアと踊ってやる。しかしだ黒髪、明日もう一度私と勝負しろ。貴様をぎゃふんと言わせねば気が済まん。」

 剣の代わりに菓子を手に持って、隙だらけに見えたノイレンに全く歯が立たなかったナディアは挑戦状を叩きつけた。

「ぎゃふんて、やっぱり姉妹だな。いいぜ、逆にあんたをぎゃふんて言わせてやるよ。」

 ノイレンは菓子をひょいぱくと口に放り込むとニカっと笑った。

「ちょっと姉さん。ノイレンを狙うのはもういい加減諦めたら? 言っちゃ悪いけど、剣術は素人の私から見ても姉さんは分が悪いわ。」

「うるさい。そんなことは分かっている。悔しいが私の腕では黒髪に及ばん。だが剣士としての意地が私にもある。」

「姉さん・・・」

 実力差を認識しながらも意地を張る、その不毛さに困惑しているサフィアの肩にノイレンはその薬指の長い手をぽんと乗せた。

「言ったろ、こういうやつはこてんぱんにされないと分かんないんだって。」

「って、もう何度もされてるじゃないの。」

 サフィアのツッコみにナディアは内心グサっときた。

「それでも立ち向かう。そういう意地は好きだぜ、わたしは。」

 ノイレンは片方の口角を上げてナディアを見た。彼女の目に闘志が燃えているのが見えた。


「ところでサフィア少しいいか。」

 ナディアが穏やかな目つきになって話しかけてきた。

「なあに姉さん?」

「ユニゾンのことだ。あとで私の部屋へ来てくれ。最後にもう一度おさらいしておこう。やるからには万全を尽くしたい。」

「わかったわ。またあとでね。」

「ああ。」

 ナディアは二人に背を向けて中庭から出ていった。その背中を見てノイレンはにやりと呟いた。

「さてはナディアってばダンスにハマったか?」

「ちょっとノイレン、冗談はやめてよ。」

 サフィアは口をとがらせてノイレンを睨んだが、ナディアは誰にも気づかれないようにかすかに頬を染めた。



 夜、夕食代わりに軽くつまんだあと、3人は揃ってノイレンが見つけてきた酒場へ向かった。

「おやっさん、今夜はよろしく頼むよ。」

 ノイレンは店に入るなり、店主のヤシャダムに向かって二人を紹介した。

「カーツォ商会にはいつも世話になってる。酒や食い(もん)だけじゃなく、ランプの油とか何から何まで安く卸してもらえるから助かってるよ。」

 ヤシャダムは人懐こそうな笑顔でナディアとサフィアの二人に握手を求めた。

「いい感じの店だな。いつもこんなに混んでいるのか? 今まで顔を出さず申し訳なかった。すまん。」

 ナディアは商会の得意先と知り素直に謝罪し、褒めた。

「いいってことよ。来てくれたじゃねえか。これからは贔屓にしてくれ。」

「ああ。」

 ナディアが商人の顔になり店主と真面目にやり取りしているその横顔を眺めてサフィアは頼もしさを感じた。

『姉さん。』

「ん? なんだ? 私の顔になにか付いているか?」

 気づいたナディアが怪訝そうな顔をした。

「ううん、姉さんいい顔してるなって。」

 サフィアの意外な言葉にナディアは頬を少し染めた。

「さあさあ二人とも、早く着替えて来いよ。」

 ノイレンが裏部屋のドアを指さして二人を促した。


 ユニゾンに合わせて見繕った二人のダンス衣装。深緑色で統一した。

 ナディアのは立ち襟ですっきりしたデザイン。パフスリーブのようにふんわりした七分袖に、手首まで覆う長いカフス。ウエストには幅の広いベルト。スカートはサイドからうしろだけで前は開いていて、その下に同色のぴったりしたパンツを履いている。それにデザインを合わせたロングブーツ。それがシルエットを引き締めナディアの凛とした容貌と相まって涼しげで上品な雰囲気を醸している。さらにその上に長いマントを羽織った。彼女の動きに合わせてそのマントとスカートがふわりと広がり、彼女の動きを品良く魅せた。

 これに対してサフィアの衣装は軽快に動けるようナディアのよりスカート丈が短く、前が開いたワンピース。もちろん前部分には細長い布が付けられているから肝心な部分は見えない。そして相変わらず下には何も履いておらず素足を出している。ナディアに比べてダンスの下手なサフィアの動作から観衆の目を逸らすのにちょうどよい。そういった計算高さはさすがサフィアだ。履物も衣装に合わせてサンダル。上着部分は襟はなく胸元が大きく開いたデコルテ出し。袖は透け感のある布で、袖口にむかって幅が広くなっていくデザイン。ナディアの凛とした印象に対してサフィアの快活さを印象付けている。

 また二着とも襟元や袖口、スカートの裾など衣装の各所に金糸で縫われた同じ刺繍が施されていてユニゾン感を増幅させている。


 二人の剣舞が始まった。

 この店には隊商などの行商人もよく来る。東方から来た客もいるからか、この国のものではない弦楽器が使われている。少しもの悲しさのある高音が異国情緒を掻き立てた。

 二人が踊るとランプの光に照らされた金の刺繍が同じ軌跡を描く。それが幻想的で見る者にユニゾンを強く印象付けた。客たちは二人の息の合った同じ動きに見とれた。

 二人がくるんと回転すればナディアのマントとスカートがふわりと広がり、颯爽とした剣士を思わせる。サフィアのスカートからは彼女の白い足が覗いてそこに目が行き、動きのぎこちなさに気づく者はいない。

 二胡のような弦楽器のメロディに乗せて二人は懸命に舞った。曲の終わり、戦いを終えた二人の剣士が役目を終えてその戦場から姿を消すかのように、もの悲しい旋律がゆっくりと静かに消えていき、それに合わせて二人の剣舞も終わりを迎える。最後は互いに剣を交え、微笑みあった。

 二人が剣を鞘に納め、揃って礼をすると店中から拍手が沸き起こった。中には立ち上がって拍手する者も。

 カウンターに寄りかかって見ていたノイレンもにっこり笑んで拍手を送った。

 二人がノイレンのもとへやって来た。ナディアは少しはにかんでいるようだ。サフィアは満面の笑みを浮かべている。

「よかったぜ二人とも。初めてとは思えないくらい堂々としてた。」

「ありがとうノイレン。私ダンスやってよかった。最初話を聞いたときは何考えてんのと思ったし、踊る前までずっと嫌だったけど、姉さんと一緒に踊ってるうちに楽しくなってきた。姉さんと一緒に踊れてよかった。」

「ああ私もだ。最初はふざけるなと思ったし、お前を仕留めることしか頭になかったが、やってみると案外楽しいな。昔サフィアと一緒に遊んでいたときのことを思い出したよ。」

 ノイレンはにこやかに二人の話を聞いて、人差し指で鼻をさすった。

「それじゃ明日からも二人で踊れば?」

「それは嫌っ!」「う・・・」

 サフィアは即答したが、ナディアはなぜか返事に詰まった。ノイレンはニカっと笑って着替えに行った。

「次はわたしの番だ。二人とも見ててくれ。」


 ノイレンの衣装はブラッドオレンジのような赤みの強いオレンジ色。幅広な肩ひものブラにふんわりとしたパンツスタイル。パンツといっても、二枚の薄手の布で足を前後にゆるく挟んでいるだけのような形。ベルトとくるぶしの二か所でその二枚の布がバラバラにならないように止めている。だから横から見るとノイレンのすらりとした足がよく見える。カバレの常連が見たら「今日死んでもいいだに。」と言っているだろう。

 それに宝石がたくさんついた首飾り。ブラやベルトにも同じような飾りがたくさん付いている。腕にはブレスレットを両腕に3つずつ。足首にも幅の広いアンクレット。それにも動きに合わせてひらひら揺れ動く飾りがぐるっと付いている。そして珍しく裸足だ。今までで一番露出度が高い。周りの誰もが認める”年頃”のノイレンにとってそれは彼女の煌めきを最大限に魅せる衣装だった。


 ノイレンはステージの中央に立つと、二胡のような弦楽器のもの悲し気なメロディに乗せて舞い始めた。ナディア、サフィアが踊った剣舞と違って、たおやかなダンス。ノイレンの肢体の曲線が生きてくる。少し小ぶりな胸も彼女の動きに合わせて柔らかく波打つ。

 肘を曲げて胸に腕をつけるようにして、両手を顔の前に持ってきた。その手を大きく前に突き出して広げると、右足の膝を胸につくくらい持ち上げて滑らかに前に突き出し、つま先で着地。次に左足を同じように持ち上げて、またつま先で着地。上体を大きく曲げてかがむと、勢いをつけて上体を伸ばして反らす。それに合わせて下に垂れたノイレンの長いポニーテールが一気に頭上に扇のように広がった。まるで羽を大きく広げた孔雀のように美しい。

 その後ふんわりと彼女の背を覆うように舞い降りてきたポニーテールはまるで生きているかのように揺れ動く。ノイレンの滑らかで柔らかなその動きに息を合わせて。観衆は再びユニゾンを見ているような気がしてきた。ノイレンとポニーテールのユニゾン。

 ブラッドオレンジの赤みがランプの光に調和してノイレンの存在を確かなものにしている。それを意識しているのかノイレンは挑戦的な笑みを浮かべて客たちを見つめた。すこしほつれたおくれ毛が頬について妖艶さを装った。

 この一週間ノイレンは毎晩ここで踊っていたが、この日は一段と見る者を震え上がらせた。

 ヤシャダムが後日語った言を借りれば、「ありゃ魔女だよ、漆黒の魔女だ。ぶっきらぼうで男勝りだから女としての魅力は無いも同然なのに、気がつけば虜になっちまってんだ。深入りしちゃいけねえって分かるのにどうしても目が離せなくなる。悪魔の誘惑ってやつだな。ノイレンのダンスに魅せられるとどうにも抗えなくなるんだよ。」

次回予告

ダンサーとしても貫録を見せつけたノイレン。ノイレンとの勝負にこだわるナディアは再び剣を構える。そんな二人をサフィアは諫め、別の勝負を提案するがあっさり却下される。それをサフィアは手のひらで二人を転がすがごとく言いくるめてしまう。かくして別の手段で勝負することになった二人は互いに燃える。

君は彼女の生き様を見届けられるか。

次回第九十七話「ノイレンは薄利多売。」

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