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「裸になれ!」と言われてエッセイや日記を書いてしまう人






「裸になれと言われてエッセイや日記を書いてしまう人がいる」とツイートが流れてきた。どちらかというと否定的なニュアンスだった。



ツイート主がどのような意図を含んでツイートしたのか、もはや検索するのもだるいので遡りはしないし謎のままでいいのだが、私も正直、「物語を書くならエッセイや持論展開は「しない方がいい」と思っている。



自分が創作主ではなく、ただのブロガーなら良い。

けれど、小説や漫画を描いている人がそれらを書いてしまうのは、いわばもったいない(・・・・・)のだ。




なぜなら、作家の体験や経験は、それそのものが物語の材料であり肥料だからだ。

それらを落とし込んで、「ならあのキャラクターならどうするか」を見て作品にできるのである。


エッセイや日記・ツイートでそれらを安く消費してしまうなんてもったいない。

加えて言うなら「持論展開や感じたことの発表の場」であるエッセイやそれらは、作家の感性や考えを明らかにしてしまうのだ。




こんな怖いことはあるだろうか?

「言いたいこと」キャラに代弁させていると思われたら嫌すぎる。




世の中には、

「作品のキャラクターたち」と「作家の感性・考え方」を分けて考える人も居れば、「この作家さんだからこのキャラなの納得だな」と感じる人もいるわけで。どれだけ「キャラ」を作りこんでいようが透けて見える「作家本人」がちらついてしまうようなら、キャラを作った苦労が水の泡だ。




キャラクターはキャラクター。

作家は作家なのである。

分けていたいからこそ、私はかくと決めた時に「あまり自分語りしたりエッセイ書いたり管巻いたりするのやめよう」と思った。




キャラクターを護るため・そして切り離すためだ。




例えば、うちの「副業盟主とコメディ女」の主人公・エリックとミリア。彼らは「似通うところもあれば対を成すところもある」と人格を作っている。




エリックが得意なことは、基本ミリアは苦手だし。

ミリアが得意なことは、エリックは訓練しないとできるようにならない。




エリックは課題や問題はさっさと取り組みどんどん片付けてしまうタイプで、たいしてミリアは後の方になって誰かと共闘するタイプ。エリックは失敗に対して深く、何度も反省するタイプで、ミリアは瞬間的に落ち込むが後に引きずらない。




あの世界にファーストフードは存在しないが、仮に彼らがこの世界にいたとして。


某有名ピエロの店に入った際、エリックはドリンクから飲むが、ミリアは揚げたてのポテトをさくさくとつまんで食べる。


エリックは食べ終わった包みを二回程度おりたたむが、ミリアは力の限り小さく畳んでポテトの入れ物も全て潰し、紙袋に入れて捨てるところまでする。



ちなみにコルトというキャラは、折りたたみもしないでぐちゃっとするタイプで、スネークというキャラに関しては珈琲と喫煙所(ポテトは胃もたれする)からあまり入らない。




──と、このように割と細部まで作りこんでも、エッセイや日記で作家の感性がばれ「ああ、この人書き分けできてねーな」「この人の書くキャラみんな同じやな」なんて思われたら…………たぶん二日は寝込むと思う。







昔から、私はエッセイ的な文章を出すと評判が良かった。

「わかるわかる」と同意が集まり、みな気軽に「エッセイとか書いたらいいじゃん!バズりそう!」と声をくれたものだが、あれは自分の経験を切り売りするものだと考えている。


だから、私がやたらとエッセイばかり上げる様になったら、その時は……



物語を書ききって、満足したか、それとも少しばかりストレスが溜まった時だと思っていただきたい。




向き合う時間も、整理する時間も必要なことだから。

しかしながら、私というジンブツが透けて見えるまで管を巻くつもりはない。






これを目にとめてくれたあなた。

物語を描くなら、どうか、その経験を大切にしてほしい。


経験は誰も代われないものだから。






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